「神がかり」、そんな感情にさせる劇的な幕切れだった。

しかし、それはあくまで阪神サイドから見ればの、話である。

ロッテサイドから見れば起こるべきして起こった結果であろう。あれだけの「拙攻」だ。あれで勝とうとする方が難しい。

ダブルプレーが 4・5・6・8回と計4回起こり、15安打で3得点 エラー2つ、これでは勝てるハズがない。ロッテファンが気の毒だ。

さて、藤浪の話になるが初回の立ち上がりは非常に良かった。
ストレートも速く、変化球のコントロールも良かった。ところが、今江、鈴木を打ち取りツーアウト、清田にストレートをレフト前にヒットされてから徐々に変わりだす。

ランナー1塁となり藤浪がクイックモーションがで投げた。実は、このクイックモーションが上手くなっている。これには「上手くなったもんだなぁ」と能天気に見ていた。これならば、堂々とプロレベルのクイックモーションと言え、課題をひとつクリアした事になる。

だから、能天気に見ていたのだが 3回表 2死 打者井口、0ボール2ストライクと追い込んでいるにもかかわらず、ストレートがシュートしながらド真ん中に入ってしまい痛打された。

ここからはみるみるうちにバタバタしてしまった。4回 0死1塁、投ゴロもダブルプレーにはなったが、これは塁審の誤審で藤浪の悪送球で鳥谷はベースを踏んでいない。こういうのは彼の持つ「運」かもしれないが、浮き足立っているのは明らかだ。

ただ、5回表、同じケースでは上手く投げている。これがもし、4回表のジャッジが セーフだったなら藤浪はもっと早い回にマウンドを降りていただろう。

5 2/3イニング 12安打 3失点。課題が見つかった。クイックモーションをするとバランスを崩し、ワインドアップにも影響を与えてしまうのだ。次回の登板では、修正出来ているかが興味深い。彼の修正能力が試される。また、楽しみが出来た。

しかしながら神がかった勝利である。アンビリバボーである。

この「流れ」「勢い」「運」を大事にしたい。とはいえ、しばらくは心配ない。理想的な展開である。

交流戦を良い形で終え、スムーズにセリーグ同士の戦いに入っていけそうだ。あとは「好事魔多し」主力選手の怪我や、つまらないミスをしてつまずかない事だ。

とにかく、2005年以来の優勝という事が頭の中を過る神がかり的な勝利だった。