劇的なサヨナラホームランだった。

色んなサヨナラゲームはあるが、中でも4番打者が決めるサヨナラホームランは実に爽快である。

日本では、クリーンアップといえば 3・4・5番打者の事を言うが海の向こうのメジャーでは 4番打者のみのことを指す。

「塁を一掃する」という意味があり、文字通りランナーを返してクリーン(きれい)にするという意味だ。みんなで繋いで4番打者が返す、こんなチームが弱いハズがない。

昨年、一昨年とタイガースが低迷した原因のひとつに4番打者の「塁を一掃する」事が出来なかった点が挙げられる。マートンが4番打者として打点を上げていけば チームも上昇して行くだろう。

そして、昨夜の試合に関してもマートンのサヨナラホームランを演出したのは中継ぎ陣だ。
加藤と福原。
加藤は利き手と反対方向に投げるボールがいい。左打者なら外角球、右打者なら内角球だ。特に右打者の内角球は力負けしない。

左投手にとって右打者の内角球というのは自分のストレートにかなり自信がないと投げられない。一歩間違えば長打になるからだ。その内角球で勝負が出来るという事は自分の球威に自信があるという事の現れだろう。

8回、加藤は片岡を内角球で打ち取っている。ドン詰まりで完全に球威が優っていた。頼もしい限りだ。

一方、福原には驚いた。ストレートが伸びている。藤川球児バリだ。福原のストレートは 確かに以前から速かった。しかし、ややもするとバットに当たる球質だった。

それが昨夜の福原のストレートはバットに当たらない球質だった。浅村やヘルマンの三振などはまさにバットに当たらない球質であることを証明していた。

これは年を重ねるごとに進化しているということだろうか。仮に次の登板でも昨日のように空振りが取れるストレートの球質ならばクローザーに固定してもいいのではないか、と思う。

昨夜の福原は それくらい、ビックリするようなストレートを投げていた。次の登板が楽しみだ。

さて、冒頭で 「海の向こうでは」という表現をしたが 実は、海の向こうではストレートと呼ぶ球種は一般的にない。ファーストボール(速球)と表現される。

因みにファーストボールの中でも先ほどの加藤のボールのようにホームプレートを十字に斬り込んでくるボールをクロスファイアというのも有名だ。右打者にしてみればまさに十字砲火というものだ。

ついでに言うと、タイムリーヒットという言葉は海の向こうではない。正確にはRBIシングルである。四球は、ベースオンボールズ 死球は、ヒットバイピッチである。ストレートやタイムリーヒット、ファーボールやデットボールは全て和製英語である。

正岡子規が野球用語を日本式に訳したところから、こうして日米で違う表現になってしまった。

最近になってストライク・ボールカウントの呼び順も変わった。来シーズンからイニング間の投手のキャッチボールもダメになる。

それらは、全部、メジャーに合わせて、又は国際基準に合わせてだという説明であった。

だったら、表現方法もメジャーや国際基準に変える必要があるのではないか、と思うのだ。

トップバッターをリードオフヒッター、オーバースローはオーバーハンドスローというように。

この程度は解説者や野球のアナウンサーなら知って欲しいと思うのだ。

昨日もコメントしたが51歳になってからか、どうも理屈ぽっくなってしまった。反省したい。