昨日は久しぶりの秋山の先発ということもあり、色んな思いで見ていたのだが、少し思っていたのものとイメージが違った。

秋山のストレートは計測スピードより体感スピードが速いというのが特徴だ。ホームベース板辺りのスピードが速いのだ。ところが初回、菊池に本塁打を打たれたボールはインコースの143㌔のストレートである。広瀬に打たれたのも同じインコース145㌔のストレート。

私が知っている秋山ならば、あのコースに決まるストレートなら右打者は詰まったり空振りしたりする。それが、本塁打になったりレフト前に運ばれてしまうのはいつもの秋山とは違う、という事だ。

アクシデントのあった2回以降、カットボールとフォークボールを主体に投球を組み立て直し、変化球投手にシフトチェンジした。アクシデントの影響もあるのだろうが、昨夜のストレートは彼らしいものではなかった。だが、カットボールという新しい球種を覚え、それが有効であるということは紛れもない事実だ。

それにしても、昨夜の試合もミスの多いため息の出る試合だった。まずは鳥谷。相手にタッチしてボールを落とすなどということがあるだろうか?私は少年野球時代、鳥谷みたいなプレーをすると、コーチから「死んでも落とすな!」と、よく怒られたもんだ。つまり、あのプレーは少年野球並ということだ。

それと、福留の打球判断ミス。あれは、大和とお見合いをしたのではなく、風の計算を間違え目測を誤ったのだ。ビジターのチームならばまだ許されるが、ホームチームの選手は許されない。

まっ、鳥谷にしても福留にしても普段は守備の貢献度が高い選手だ。らしからぬプレーだったのは確かだが、だからと言って許されるプレーではない。

一方で、坂のエラーは責められるものではない。あれは難しい当たりだった。もちろん、捕れたらファインプレーだ。坂があの当たりを捕球し、ダブルプレー成立というところまで望むのなら、首脳陣はもっと先発出場回数を増やしてやるべきだし、年俸だってもっと上げて欲しい。

また、こういうプレーこそ、監督・コーチ陣には責めるのではなく「エラーをしたからって小ちゃくなるなよ、思い切ってプレーしろ」とアドバイスをして欲しいプレーなのだ

ミスの多い試合だったが、敵ながらあっぱれというプレーもあった。2回裏、1死満塁、打者秋山の場面。秋山の打球は投手のグローブを弾いてセカンド方向に転がる、これを菊池が素手で掴んでサードへ送球し、新井貴がタッチアウトとなったプレーだ。

こんな凄いプレーは滅多に見られるものではない。菊池のスタート・脚力・判断力には驚かされた。単にナイスプレーなどという言葉では片付けられないプレーだった。カープには堂林や松山といった若くて良い選手がいるが、この菊池はちょっとレベルが違う。持っているポテンシャルが非常に高い。敵だとか味方だとかは関係なく、ワクワク・ドキドキさせる選手で、将来が実に楽しみである。

こんな選手をタイガースも見つけ出せないものだろうか?外国人補強やFA選手獲得も大切だがドラフトはもっと大切なものだ。菊池のような選手を見ると、ここ十数年のドラフトのツケが、今のチーム編成に出ていると思う。つい、タイガースのチーム編成に疑問を感じてしまうのは、私だけではあるまい。

さて、今日の試合、ここで連敗だけはして欲しくない。昨日、ミスをした選手の奮起が見たいものだ。