「寝た子を起こす」という言葉があるが、一昨日の試合で眠っていたドラゴンズ打線を起こしてしまったんじゃないか、と心配だったのだが、どうやら私の取り越し苦労だったようだ。

昨日のスタンリッジは完全にドラゴンズ打線を押さえ込んだ。ストレートにしても、カット・ツーシームにしても、コントロールが抜群だった。また、時折投げるカーブも有効だった。特筆すべくは6回裏ルナを見逃し三振に取ったカーブ。これはブレーキの効いた大きく曲がる素晴らしいカーブだった。

この試合を見る限り、スタンリッジは今シーズンも安定した力を発揮してくれそうだ。

さて、6回表0死満塁、打者スタンリッジの場面、和田監督はここで「打つな、三振しろ」という指示を出した。和田監督の意図はダブルプレーを避けたい、という事だろう。度々、和田監督はランナー1塁のケースでもダブルプレーを避ける為にヒットエンドランをする事がある。

積極的とか攻撃的とかの意味合いの強いヒットエンドランも「ダブルプレーを避ける」、というマイナス思考からサインを出す事もあるようだ。なにしろ監督は、結果責任を問われる。ファンの皆さんの中でも昨夜の「打つな、三振しろ」の作戦には賛否両論があるでしょう。私の考えはというと、支持するものでもないし、批判する事でもない。これはあくまで和田豊の野球観なのだ。和田豊が今のタイガースの指揮官である以上、和田豊の野球観を出せばいい。

ところで金本知憲の本の表紙に「野球の神様、ありがとうございました。」と書いてあった。もし野球の神様というものが本当に存在するのなら、「打つな、三振しろ」という考え方は果たしてどうだろうか?

私は野球の神様は怒るだろうな、と思う。野球の神様なんて居ないよと思う人にはいいだろう。野球の神様を信じる人からしたら、野球を冒涜してる、となるのではないか?いずれにしても、「三振しろ」という指示は賞賛される事ではない。

今夜の試合は野球の神様の怒りに触れたか、触れてないかが証明される。そしてサンテレビでは今夜の阪神戦が公式戦3000試合の節目の中継だそうだ。凄い事である。サンテレビはタイガースをここまで人気球団にした功労者だ。是非、良い試合にしたい。

ちなみに、矢野と私が解説だ。今から身が引き締まる思いだ。