何かを持っている人間に並ならぬ実力が備われば、その世界では突出した存在になる。

もちろん、そこには「努力をする才能」がある事が条件だ。「努力をする才能」とは、人それぞれで、長さで例えるとたった10㌢しか持たない人もいれば、10㍍持つ人もいる。10㌔の人もいれば、イチローや松井秀喜のように何百㌔と持っている人もいる。

こうした莫大な「努力をする才能」が備わっていれば王貞治さんや金田正一さん、長嶋茂雄さんや野村克也さんといった歴史に名を残す人間になる。

努力だけでもダメ、才能だけでもダメ、運だけでもダメなのだ。この3つが備わって初めて歴史に名を残す可能性がある、と言えよう。

そして藤浪にはその資格があるようだ。彼が歴史に名を残す様をじっくり見守っていきたい。

ひとえに藤浪の長所といってもたくさんある。マスコミや野球関係者達は、こぞって彼を賞賛している。

ただ、同時に短所だって持ち合わせている。それが、これから彼が成長していく上での課題となるわけだが、ここであまりにも、周りがチヤホヤし過ぎるとそうした短所が見えにくくなる。

過剰なチヤホヤが藤浪の成長を妨げてしまうのだ。久しぶりの生え抜きのスターだ。等身大の評価が求められる。

ファンの皆さんの気持ちはよくわかる。しかし、今、藤浪の周りにいる大人たちは重要な役割を担っている。

まず、藤浪の短所を本人に理路整然と言える事。そしてそれらをいつの時期に修正するのか、将来のビジョン、マスコミ対応、ファンとの接し方、球団との年俸交渉などなど。

周りの大人達からアドバイスを求められるところは沢山ある。なにしろまだ19歳という年齢だ、彼には今後あと20年は野球をして欲しい。

その為には20年プレーするのに必要なことを逆算して考える事もたくさんある。

そうした適切なアドバイス、つまりは英才教育が望まれる。それが、彼をドラフトで指名した球団の責任という事だろう。それほどまでに責任は重大でなのである。

それにしても、日曜日が楽しみだ。“サンデー晋ちゃん”なんていうマスコミの見出しもある。今度は28日が登板予定日だ。

しかし最近年齢のせいか、1週間がとても早く感じられる。それが気掛かりだがとにもかくにも、土曜日の小嶋も含めて週末が楽しみだ。