スターティングメンバーは変わらなかった。

4日の試合でコンラッドに代打を送り、引導を渡す格好になったと思ったのだが、まだスタメンで使う気持ちがあるのならあそこで代打を送る必要がなかった。このへんは何か、一貫性がない起用で、選手達からの信頼を失わないかと心配になる。

そして昨夜はクローザーの久保を4イニング、58球も投げさせてしまった。これについては起用法を誰かアドバイスする人間はいないのだろうか、と根本的なことを思ってしまうのだ。

監督だって人間だ。迷う時も間違う時もあるだろう。そういう時のために周りのスタッフが手助けをするのではないか。星野監督時代は監督の手助けを島野ヘッドコーチがずいぶんしていた。島野ヘッドだけではない。当時は田淵さんや佐藤さん、監督付広報だった平田現2軍監督など、みんなで監督をサポートしていたのだ。

和田監督も、当時は、バッティングコーチで田淵さんをサポートしていた。また、首脳陣と選手の間に入り、円滑にチームが動くように努力していた。こういうスタッフがいてはじめて 監督業が出来るのだと思う。名監督には必ず名スタッフがいるものなのだ。ましてタイガースには、和田監督より年上のコーチがいるのだ。遠慮なくズバズバとやって欲しい。

さて、昨日の試合は勝った事が最高の良薬だった。これを良いキッカケにして欲しい。久保のコンディションは気になるが、なにしろ5点差をひっくり返したのだ。勢いに乗るチャンスだろう。

福留のホームラン、これは価値あるホームランだった。しかし、実のところ心境は複雑だ。マウンドには江草がいたからだ。西武、広島へとトレードされ、ずいぶん苦労したと思う。ここまでの成績も残念ながらイマイチである。

江草とは年は離れているが、何回か一緒に酒を飲んだ事がある。私がタイガースのコーチだった頃もよく冗談を言いあった仲だ。さっぱりとした性格のナイスガイだ。タイガースファンの皆さんには申し訳ないが「次は、タイガースをやっつけろ、福留に借りを返せ」と、心の中で応援したい心境になってしまう。

江草はクローザーではないのだからその次に出て来た今村とかミコライオとかを打ち崩したら良いじゃないか、と、思ってしまえば評論家失格なのだが、やはりひとりの人間として彼を応援したい。

とにもかくにも、タイガースは昨日の試合をきっかけに浮上して欲しい。