昨日の試合は、能見の好投もあって、マエケンに投げ勝った。
しかし、デイリーの一面は、タイガースではなかった。
競馬関連の記事だ。
何となく寂しい気持ちになった。
やはり、シーズン終盤の この時期に、スポーツ紙の一面を飾れないのは、残念な事である。
しかも、デイリーにまで、見捨てられた感じだ。

さて、そんなスポーツ紙上で、阪神が西岡や福留を獲得する、という話題が載っていた。
福留は、以前から話題に のぼってはいたが、ここに来て西岡も、である。

軍資金は 豊富にあるのかもしれないが、ハッキリ言って そういう次元の問題ではない、と思う。

現役バリバリのメジャーリーガーならともかく、メジャーで活躍出来なかった元メジャーが 本当に必要なのだろうか。

また、何億円とメジャー帰りの選手に出すなら、年俸10億円ぐらい出して、バリバリのメジャーリーガーを呼んで来た方がよっぽど良い。

仮に、西岡を獲得し、鳥谷や平野が残留した場合、上本には どこを守らせるつもりだろうか。
また、福留を獲得した場合、大和は どうするつもりだろうか。

確かに、全員、生え抜きという事は、あり得ない。
外国人と他球団からのトレード、FA、とバランスが必要だ。

今、タイガースの最大の補強ポイントは、4番打者である。
本塁打30本、打点100、こんな打者が欲しい。

今、名前が上がっている選手が、30本・100打点をクリア出来るのなら、それは問題ない。

西岡や福留は、違うタイプの選手だ。

補強とは、補うものである。
生え抜きの選手だけでは、戦力的に不十分なので、他から補強するのだ。
生え抜きの選手が軸になり、弱い部分を補強する。
補強選手が軸ではない。

だから、その基本的な枠組みを考えた時、ドラフト・育成は、球団にとって、心臓部にあたる。
心臓が止まったら死ぬしかないのだ。

チームの心臓部に重点を置き、足りない部分を外部人材で補強する。
これが、基本的な考えだ。

何も難しい事ではない。
当たり前の事だ。

FAで戦力補強をするイメージが強い巨人であっても、今年の優勝の立役者は、投手であれば、内海・山口・西村、野手であれば、阿部・坂本・長野と、実は大半が生え抜きなのである。

目先の事ばかりに、気をとられないで、しっかりとしたビジョンのもと、時間を掛け、生え抜きの選手を育てる。
しばらくの間、チームは低迷するかも知れないが、健全なチーム編成が整った時、その成果と達成感は計り知れない。




(野手評論家)
広澤克実