初回に3点も先制すれば、フツーは勝ちパターンである。
しかし、結果はご存知の通り、“スミ1"ならぬ“スミ3"で負けてしまった。

敗因は、言わずもがなだが
「もう1本、もう1点」
が、取れなかったからだ。
初回に3点取った後は元より、3・6・9回と
「もう1本、もう1点」
のチャンスは、いくつもあった。

何しろ残塁の数がすべてを物語る。

ただ、一般の解説者の様に
「もう1本、もう1点が出ませんでした。残念です。」
では、全く意味がない。

その状況で、具体的に もう1本打つ為には、どうしたら良いか の方法論を考えていく事が求められる。

結局、強いチームと弱いチームの差は、
「もう1本、もう1点」
に対して、首脳陣や選手が具体的で効果的なアクションを起こせるかどうか、だと思う。

誰にでも、
「あと、もう1本が出ない」
は、言えるが、
「どうしたら打てるか」
という正しい方法論は、なかなか、言えない。
だから、監督やコーチは、特別なノウハウを持った人がやっているハズだ、と思いたい。

結局、タイガースは、あと1本の方法論が分からずに、シーズンを終えるのだ。

借金、21。
この屈辱を絶対に忘れず、来シーズン、最低でも、CSには行って欲しい。


しかし、その為には変わらなくてはならない事がある。
スポーツ紙では、タイガースのコーチ陣の入れ替えを頻繁に報道している。
もし、スポーツ紙通りの組閣だったら、この情報漏れは、非常に残念である。
ヘッドコーチに黒田氏、バッティングコーチは水谷氏と関川氏、外野コーチに吉竹氏、投手コーチは中西氏、と新聞では出ていた。
すでに、片岡コーチの辞表が提出してあるとも報道されている。
こんなに情報が漏れるのは問題である。
しかも、片岡コーチの辞表まで、筒抜けは異常である。
誰が漏らしたか、誤った報道かは、分からないが、もし、本当なら、残念な事である。
強いチームで情報管理の甘い組織はない。

誤った報道と思いたい。




(野球評論家)
広澤克実