1、「広澤さんは今のスカウトの仕方など、どう思われますか?」

ドラフトには 大きく、2つの目的があります。
それは、即戦力の選手の獲得と将来性のある選手の獲得です。
即戦力の選手に関しては 他球団も狙っている事が多く 重複する事があります。
そこで 問題なのが
「くじ運」
です。
前監督の岡田さんは ことごとく 外しました。
1位指名だけでなく 2位指名を外す事もありました。
それが今の編成に 大きく影響しています。
そして、又、才能の有無を見抜く「眼力」が必要なのがスカウトです。
ダイヤモンドの原石か、普通の石か、見分けるセンスがスカウトには求められます。
だから、スカウト陣は そのセンスを持った人の集団にならなくては いけません。
例えば、功労者や権力者の縁故で入れる所では ないと思います。
ここ十数年、結果が出てない事がすべてです。
もし、一般企業で十数年も結果を出せない部署があったら、どうなりますか?
勝敗の責任は 監督や選手ばかりクローズアップされます。
最近のタイガースの低迷を 良い“きっかけ”にするチャンスです。


2、「6月末頃にご出版予定とお聞きしていた本は出版されましたでしょうか?」

すみません、まだ 出来上がっていません。
8月の中旬に出版予定です。
覚えていて頂き ありがとうございます。


3、「現在メジャーで活躍しているダルビッシュ選手や青木選手、日本でいうなら例として巨人の坂本選手やマエケンがもし、プロ入りした球団が阪神だったら、どうなっていたと思いますか?」

青木や坂本を育てられたか?という事ですが、そもそも、大学時代の鳥谷を何回も見に行って、同じグランドで練習している青木に何も魅力を感じなかった事や当時のドラフトで、ダルビッシュやマエケンや坂本を指名しなかった事に疑問を感じます。
阪神は、欠点や短所の修正が練習のメインになる為、長所が置き去りになります。
だから、伸びません。
短所の修正は大事です。
しかし、長所を殺す短所の修正をしている様に見えます。
長所を伸ばす為の短所の修正にしなくてはいけません。
それが、指導者の能力という事になります。
彼等がタイガースに来ても、同じ様な活躍は出来なかった可能性は高いです。


4、「広澤さんは、榎田の必要な場所はどこだとお考えですか?」

榎田は、セットアッパーが適材適所だと思います。
巨人の山口が先発に転向して失敗した様に、人間には向き不向きがあると思います。


5、「能見が調子悪いのは何か原因があるのでしょうか?」

彼は、大阪ガスからプロ入りした時、素晴らしいボールを投げていました。
しかし、その素晴らしいボールを投げても打たれていました。
理由は、能見の投球動作が打者には打ちやすいタイミングだからです。
入団して何年かは苦労していました。
飛躍したのは、09年、フォークボールの会得です。
超一級品になりました。
そこから、エースと呼ばれるまでに成長しました。
能見の不調の原因は、そのフォークボールが落ちません。
能見は、ストレートの精度を上げれば良いと考えているみたいですが、その反対でフォークボールの精度が上がればストレートは生きます。


6、「妹が中学でソフトボールを始めたんですが、スイングをした後のフォロースルーをどうとるかで悩んでいます。」

インパクト後に、投手寄りの手を外旋させていくと、肩口にフォローは収まります。
くれぐれも、インパクト後です。


7、「阪神もヤクルトも矢野・古田が居なければ優勝はなかったはずです。
野村監督は古田・矢野の両捕手にどんな指導をしていましたか?」

まずは、投手心理・捕手心理・打者心理を理解する事。
そして、状況判断。
イニング・点数差・次打者などを考える。
代打はあるか、投手交代はあるか、勝負するのか歩かせるのか、という事です。
要は、固定概念や先入観を捨てて正しい判断をする事です。
固定概念や先入観を捨てる事は非常に難しい作業です。


8、「有田ヘッドコーチは、和田監督の “参謀役” なのでしょうか?」

有田ヘッドの実力の有無より、必要としているのか、という事だと思います。
和田監督は、有田ヘッドを必要としていますか?という事です。
では、有田ヘッドのどんな所が必要で、どんなポジションで、どんな時に必要なのか?という事です。
テレビの映像でしか判断出来ませんが、和田監督が必要としていない様に見えます。
私の勘違いでしょうが、ヘッドコーチは監督の隣に立っていた方が自然です。


9、「今年の阪神の打線。個々の数字が実力そのものなのか、たまたま調子が悪いだけなのか・・・。それとも、モチベーション、フィジカル、テクニカルのどれかがそれぞれに問題として抱えているのか?」

実力通りの選手も居れば、メンタルやテクニカルな面に問題を持っている選手も居ます。
全体的に言うと、歯車が合っていません。歯車を合わせるのが、監督・コーチの仕事です。
歯車が合えば、もうちょっと、やれるチームだと思います。


10、「鳥谷と新井のオープンスタンス、あれは誰も注意できないものでしょうか?」

良い変化と、悪い変化があります。
修正する事が、良いか悪いかの判断です。
長年、やっている事を変えるには、それなりの根拠と必要性を問う事になります。
要は、それだけの説得力のある人が居るか、居ないか、という事です。


11、「巨人の山口が絶好調である理由はなんだと思いますか?」

ごめんなさい。
巨人の事は、あまり、わかりません。
ただ、左打者のインコースへ、シュートを投げられる事が素晴らしいです。
どのチームの左打者も苦労しています。
右打者のチェンジアップもいいですね。
あのチェンジアップは、山口のストレートをより速くさせています。


12、「新井良太選手が凄い調子が良いのには何か理由やきっかけがあったのでしょうか?」

良太は素晴らしい活躍です。
何か、コツを掴んだかもしれません。
「練習とは、コツを掴む事だ」
と、よく言っていた野村監督を思い出します。
しかし、見方を変えれば あんなに活躍しても チームを変えられない選手です。
今、タイガースに求められる選手は チームを変える選手です。
良太が活躍しても借金は増える一方です。
「救世主」が欲しいです。






(野球評論家)
広澤克実