1、「アメリカでは守備率等のデータで評価されますが、広澤さんの守備の良し悪しを判断する基準は?」

守備能力の良し悪しの判断は まず、スタートです。
一歩目が早いかどうかです。
今のセ・リーグでは
「早さ」
を感じる選手は居ません。
ちょっと前なら、
ショートの時のヤクルトの宮本
中日の 若い時代の井端、荒木
横浜ベイスターズの石井
すべて 現在ではなく 若い時代です。
第2に、球際が強い。
第3に、肩が強い。
もちろん、正確性も含めてです。
今のプロ野球には 鉄砲肩が居ません。
昔だったら
西武の羽生田
阪神の新庄
ヤクルトの飯田など
各チームに一人は鉄砲肩が居ました。
今は 一人も居ません。
イチローのレーザービームと同じクラスは 日本でも何人かは居ました。
しかし、今は 居ません。
ちょっと前なら 守備はメジャーより日本の方が上手かったと思います。
今は 打撃も守備も メジャーの方が上手いと思います。



2、「センターを固定するなら、大和と柴田のどちらが良いと思いますか?」

彼等は固定するほど、力が有るわけでもなく、又、将来性にも、はっきりとした違いがあるわけてもありません。
少しずつ、経験を積んで実力を上げていくタイプなので、二人、併用が良いと思います。



3、「広澤さんがスカウトの立場で選手を獲得したいと思った時高校、大学、社会人と具体的にどのような選手がプロで通用すると見ますか?」

何か秀でるものが有るか無いか、です。
例えば、足が速い・遠くに飛ばせる・速いボールを投げられる・守備が上手い・どれか一つでも有れば可能性が有ります。
又、チームの捕球ポイントを考えます。例えば、タイガースなら、捕手・外野手・投手を補強したい。
見る所は、捕手なら肩の強さ、外野手なら打撃力と走力、投手ならストレートの速さと特殊ボール、コントロールです。
平均点の良い選手は、スカウトしません。



4、「今年、去年と林選手が2軍暮らしです。広澤さんから見てこれから先、1軍に戻ってこれる要素、可能性はあると思われますか?」

彼は、打つ事に関しては、高いレベルに有ります。
彼に守備力や走力を求めるから、林は伸びません。
好き嫌いの問題も有りますが、私なら代打の1番手です。
特に右の外国人投手には絶対、強いと思います。
しかし、林は今の首脳陣には、よく見られていません。
今の首脳陣は、大和とか柴田とか上本とか、あんなタイプが好きなのです。
林とか野原祐也とか森田とかは、守備力の弱さが気になるみたいで、なかなか、チャンスが貰えません。



5、「ベースへ、スライディングする際、ヘッドスライディングするプロ野球選手と、怪我のリスクを考え、足からのスライディングしか、しないプロ野球選手と別れます。広澤さんは、スライディングについて、どう思われますか?」

問題は、どちらがベースタッチが速いか?です。
ヘッドスライディングが速い人もいれば、足からの方が速い人もいます。
怪我うんぬんより、どちらが速いか?を優先に選択するべきです。
身長の高い人は足からの方が速いし、身長の低い人はヘッドスライディングの方が速い傾向が有りますが、状況によって選択する事もあると思います。
ただ、体重のある選手のヘッドスライディングは、怪我をする可能性が高いです。
甲子園は土のグランドだから大丈夫ですが、他のグランドで体重のある選手がヘッドスライディングをする時は、よほど、注意が必要でしょう。



6、「統一球の飛距離に湿度は、関係していないでしょうか?」

勿論、湿度は関係します。乾燥している方が飛ぶでしょう。
湿度とか高地だとか風向きとかいう外的要素ではなく、ボール自体の反発係数を問題にすべきです。



7、「野原将の方はどうなんですか?」

彼の育成方法も 前から 疑問でした。
彼を どんな選手に育てたいかビジョンが見えません。
せめて、ドラフト1位の選手ぐらいは どんな選手に育てたいかビジョンを持ち 英才教育をしたら良いと思いますが タイガースのファームには それが有りません。
だから、今の 野原将は 打つ方も 守る方も 走る方も みんな そこそこです。




(野球評論家)
広澤克実