野球評論家としての、私の活動には、ファンの皆さんに分かり易くプロの技術や戦略、思考等を伝える事も含まれている、と思っています。



その活動の一環として、日本経済新聞電子版で、

「ダイヤモンドの人間学」

というコラムを、4月から毎月1回、書かせて貰っていますが、先日、そのアクセス数が、全ての記事の中で3位になったそうです。

(因みに、1位は池上彰さんの「悪い会社の見分け方」、2位は「巨大EMSになり損ねたソニー」、4位は

「ホンダが技術者にたたきこむ自律」、5位は「マイクロソフトが謎の会見」)


日本経済新聞電子板の沢山の記事の中から、大勢の人に読まれた事を光栄に思います。


又、この結果は、それだけ、野球に関心を寄せて下さる皆さんが大勢いらっしゃる証だと思います。


これからも、皆さんの野球に対する愛情に応えられるよう、頑張っていきたいと思っています。


また、私のブログを読んで頂いている皆さんの、疑問や質問にも、出来る限り、お答えして行きたいと思います。。






1、「最近、タイガース、福留選手を獲得する、という噂が出ていますが、どう思いますか?」




率直に、まだ懲りないのか、と残念な思いです。

絶対に反対です。

城島獲得の時に、あるタイガース関係者が

「城島は、俺が獲ってきたんや!」

と 得意顔で自慢していたのを思い出します。

推定総額20億を超える年俸です。

賛否両論、有ります。


福留を獲得するにしても、相当の金額になると思います。

そのお金が有るのなら、どれだけの高校・大学・社会人野球の選手や埋もれたアマチュアの選手を獲得出来るでしょうか?

育成枠の選手も含めて、たくさんの選手が獲れます。

この選手達を育てる方が、ファンに支持されると思いますし、又、健全だとも思います。




今のタイガースは、育てる環境が疑問視されます。

今年のルーキー伊藤も、春のキャンプでフォームをいじられ、大学時代より悪いバッティングになりました。

慶應大学の頃、何度か試合を見ましたが、大学時代より悪くなっています。

そもそも、大学時代の伊藤をよく知らずに、キャンプの初日にフォーム改造するのは無謀だと思います。

こうした計画性のない育成を変えなければ、選手は育ちません。

今のタイガースが育てられる選手のタイプは、大和や柴田みたいな選手で、守備や走塁を重視し、バントやエンドラン、或いは、進塁打が打てないと監督やコーチから認められません。

歴代の大打者にバントやエンドラン等を上手く出来る選手は、ほとんど居ません。

色んなキャラクターが居て、チームとなります。

色んな役者が居て、チームとなります。






2、「現時点でのベストローテーション、ベストオーダー、そしてタイガースの優勝確率は?」




1.マートン

2.平野

3.金本

4.新井

5.ブラゼル

6.鳥谷

7.柴田、大和

8.小宮山




優勝の確率は、限りなくゼロに近いです。


しかし、クライマックスシリーズが有ります。


それには、必ず、1位通過し、日本シリーズに出て欲しいと思ってます。






3、「落合博満氏が、マートンの1番起用を提案していましたが、広澤さん的には、どの打順が良いと思いますか?」




1番がベストだと思います。






4、「09年までは、目立たない存在だった平野が、10年に首位打者争いをして以降バッターとして存在感を増していると思いますが、引っ張れるようになった事と関係がありますか?」




彼は、引っ張る事は、元々、出来ていました。


又、左投手にも対応が出来ていました。


彼の課題は、メンタル面で、内に籠る感じが有りました。


打って良し、守って良しの選手をオリックスが手放す理由は、メンタルだと、私が勝手に考えました。


当時の監督の岡田さんは、彼に対して注文が多く、彼が失敗をするたびに私に注意するよう命じていました。


メンタル面の問題だと、私は思っていたので、のびのびプレーさせる事が彼の一番のパフォーマンスに繋がると思い、命令は無視していました。


しかし、それも2.3回続くと「ちゃんと言ったのか!」と、私が激怒され、仕方ないので、その主旨を柔らかく伝えたのですが、彼には、あまり理解して貰えませんでした。


その後も、色んなコーチに度重なる注意を受け、彼のパフォーマンスは落ちて行きました。


監督が代わり、メンタル面の呪縛から解放されたかの様に彼のパフォーマンスは上がりました。


名選手になりました。


真弓監督だったから、彼は変わったのだと思います。。






5.「名古屋ドームで勝てない理由は?」




名古屋ドームでは、阪神だけではなく、どのチームも勝てません。


つまり、名古屋ドームでは、中日は、非常に強いのです。


どのチームも、名古屋ドーム対策はしています。


しかし、いつも中日ペースで試合が進み、気が付けば負けている、という試合になります。


つまり、中日の貧打に付き合うと、中日のペースになり、最後は負けるパターンになります。


しかし、関東では、中日は15連敗です。


理解に苦しむチームです。






6、「新井のバッティングが復調してきた理由は?」


元来、彼は、打つ能力の高い選手です。


不調になった原因は、チャンスに打てず、マスコミやファンの批判に耐えられず、精神的に追い詰められたものだと思います。


チャンスに打てない原因は、キャッチャー寄りの足に有ります。


それは、5月29日のブログで書きました。


それを治さないと、又、打てない時期を迎えます。






7、「赤星、藤本、井川らの若手時代に一緒にプレーした広澤さんから、ご覧になって、当日の彼らは、どう映ってましたか?また、今の若手は、そんな広澤さんの目には、どう映りますか?」


赤星は、今まで一緒にプレーした選手の中で、一番、足が速い選手でした。


しかも、桁外れでした。


彼は、必ず、主力選手になると思っていました。


藤本は、星野監督の時に、飛躍しました。


はっきり言って、あそこまで伸びると思いませんでした。


しかし、岡田監督になりコンバートされ、坂道を転がる様に力を落とし、阪神を出て行く結果となりました。


もし、あのまま星野監督なら、違った野球人生だったと思います。

井川は、彼の高校時代から知っています。


桁外れの食欲に、びっくりしました。


元ロッテの初芝と同じくらい食べました。


今で言うと、ギャル曽根クラスです。


彼とは、私が引退するまで、一緒に自主トレをしていました。


だから、選手として見てなく、弟分として見ていました。


彼が、20勝をした時、そのグローブを彼から貰いました。


今も、私の家に飾ってあります。






8、「球持ちの長い角度のないストレートを投げるピッチャーには、速球派が多いと言えますか?」




速球派になれば、間違いなくエース格です。


あの腕の使い方は、速球を投げるには向かないのです。


リリースの高い方がスピードは出ます。


だから、あの腕の使い方で速いボールを投げる投手は、大投手になれます。


藤川球児が良い例です。


130㌔台の速球でも抑えられます。


ロッテの唐川も、あの腕の使い方です。


ですから、現役の選手は、秋山、藤川球児、唐川になります。






9、「秋山は、速球派ピッチャーに化ける可能性がありますか?」




難しい質問ですね。

化けて欲しいです。


心配なのは、マスコミです。


2年前、4勝しただけで、スター扱いしました。


たった、4勝です。


少し、活躍すると、ちやほやするマスコミやタイガースのファンが秋山をダメにする可能性が有ります。














(野球評論家)


広澤克実