最近のタイガース打線の目を覆うばかりの不調に、
「気持ちが入り過ぎ
「勝ちたい気持ちが強過ぎる」
等のメンタル面に原因があるかの様なコメントがあるが、本当にそうなのだろうか?
では、メンタル面を修正すれば打てるという事になる。繋がる打線になるというのか?
それが本当なら、技術練習に多くの時間掛けず、滝に打たれたり、座禅を組んだりして、精神面の強化や修正をした方が良いという事になる。
そんな事で問題が解決するのだろうか?
よく野球中継で、打てない原因、抑えられない原因、伸び悩んでいる原因、勝てない原因を全て、メンタルの問題で片付けている解説者が居るが、本当にそれで問題を解決出来るのだろうか?

まるで、どこかのヤブ医者が病気の原因は?と尋ねられた時、どんな患者にも「ストレス」と言っているのと一緒ではないか。

勿論、メンタルの影響を否定する訳ではないが、気の持ちようで結果が左右される程、プロの世界は甘くない。

根本的な原因は、断じてそこではない!

基本的には、プロのバッターとしての技術が足りないのである。

ここで言う技術とは、物理的に球を打ち返す技術はもとより、ピッチャーとの駆引きや配球への読みも含めた総体的な意味での技術の事である。

正しい「傾向と対策」を練って試合に臨んで欲しい。正しいデータのもと、正しい分析をしなければ当然だが、継続的に結果を残す事は出来ない。
勿論、タイガースも相手バッテリーに対して「傾向と対策」を持って望んでいるだろうが、結果が全てのプロの世界である以上、「傾向と対策」が不十分なのか、或いは、方向が間違っているのか、とちらかである。


今、打てない打線の中でもマートンとブラゼルの両外国人、特にマートンが不振に苦しんでいる。
マートンは、頑固な面があり納得しないと動かないタイプの選手である。
これも又、周囲からのアドバイスに納得していないのか、或いは、アドバイスの方向性がズレているのか、どちらかなのだろう。
ほんの僅な切っ掛けで立ち直る事があるので、今は苦しいだろうが、踏ん張りどころである。

いずれにせよ、両外国人の復活なくして、タイガースの浮上はないので、1日も早く正しい修正をして復調して欲しい。!




(野球評論家)
広澤克実