昨日は、完敗である。

只、その敗戦の中で気になった点が1つある。
それは、能見・小宮山バッテリーの配球にクセや偏りがあるのではないか?という事である。

初回の2死1塁カウント0-2でランナーの坂本が盗塁した場面。
ジャイアンツでは、同様のアウトカウント、ランナーの状況やボールカウントから変化球の確率が高い、というデータに基づいて盗塁したのではないか。
つまり、坂本は、高い確率で変化球が来るという予測のもと、盗塁をしたのではないか、という事である。
もし、そうだとすれば、全ての投手の配球パターンの検証をして欲しい。
「2死から四球を出してしまった」という反省だけでは、アマチュアレベルである。

1つの盗塁の成否よりも、偏った配球の結果、相手チームに作戦を立て易くしているとするならば、長いシーズンにおいては、そちらの方が問題だと思う。

プロ野球においては、12種類あるボールカウントにアウトカウントやランナーの状況を加えた各ケースの配球がデータ化されているが、あくまでも攻撃の観点で整備されたものが大半で、自チームの配球が相手チームにどのように見られているか、の意識は攻撃面のそれに比べると希薄と言わざるを得ない。
シーズン序盤で、この懸念点を認識出来た事を、むしろチャンスと捉えて、具体的な対応策を講じて欲しい。


しかし、この9連戦、とにかくタイガースにとっては流れが悪い。その悪い流れを長引かせているのは、5月2日のドラゴンズ戦で榎田と球児が共に失点してしまい、追い付かれた試合である。
一昨日・昨日の敗戦は、その流れを少なからず引きずった結果と言えなくもない。

因みに、野球界には、ジンクスがある。
「2年目のジンクス」
「大量点を取った翌日は打てない」
は有名だが、
「完璧に負けた次の試合は、流れが変わる」
というものだ。

今日の試合は、そのジンクスが正しい事を証明する結果となって欲しい、と願うばかりである。




(野球評論家)
広澤克実