頸椎後縦靱帯骨化症悪化のために昨年10月に退職して、昨年11月29日と今年4月8日の2回に別けて手術受けた。

今年4月8日の手術は、頸椎後縦靱帯骨化症に対する前方除圧固定術。

首の前方から切って、第5頸椎をほぼ全部削って、骨化部を浮かせて切除した。

成功したから、痛みも痺れもずいぶん楽になった。

しかし、この手術をするにあたって、いつも飄々としている主治医が真剣な顔で、この手術を受けるだけで、残念ながら車椅子になってしまう患者さんが、自分の経験からも、数パーセントいると言われた。主治医も苦い経験があるのだと言っていた。

手術中は、ずっと電位を計りながらするのだそうだが、靱帯骨化部位を浮かせるときに電位が急激に落ちてしまう症例が、車椅子になってしまう症例とのこと。

それでも私が手術を受けたのは、放置したところで、いつかは車椅子になってしまう可能性がかなり高いという事実だった。

どうせ車椅子になってしまう可能性があるのなら、今ならまだ50歳だから、生活が変わることによるADLの変化にも対応できると考えたことと、何よりも将来あの時にやっておけば良かったという後悔をしたくなかったことだ。

成功したから言っているのでは無く、可能性にかけないと難病の治療は出来ないという事実があるということ。これは、大きなストレスとなった。

昨年2月に元妻からのDVとモラハラで、警察にまで入ってもらい離婚することになって疲れていたところに、このような手術が必要という事実は、一人きりになった私には厳しすぎた。仕事を辞めたことで、誰に合うことも無くなり、ただ自宅で痛みと痺れで動けない毎日。手術が成功して、退院してからも、起きるときは首の固定が必要で、普通の生活に戻るには時間が必要だった。

来週の主治医の外来の時に、CTを撮って問題なければ、首の固定はしなくてよくなる。そうすれば、動きが相当楽になる。

ここまで来る間に、ストレスと孤独が溜まりすぎて、このままでは鬱になってしまうという判断を出来たことで、自分で予防的な精神科の受診を主治医に相談して、手術前から自宅近くの精神科を受診していた。

それでも、一人きりという事実は、相当な厳しさだった。また手術への恐怖感、歩けなくなるかもしれないという恐怖感は、相当なストレスだった。


このようなことがあって、6月初旬に入院の話を精神科の主治医にしたところ、キツいだろうからということで何とか手配してもらって、7月1日から入院した。

精神科の入院は、病院にもよるけれど、閉鎖病棟と開放病棟の2種類が有り、精神科専門の病院は、閉鎖病棟が多いのは、過去の経験からも知っていた。

今入院しているのは、閉鎖病棟なので、入院に際してかなりの制限がある。病棟から出るにしても時間が決まっていたりいろいろある。

私は、病院側の設定している制限以外に特に行動制限や持ち出しの制限などはないのだが、時間が決まっていると、うかうか寝ていられない。時間内以外は、出ることが出来ない決まりがあるからだ。


こうして、一人きりがキツくて入院したのは正解なんだとは思う。人の気配や話す声や物音がするだけでも、孤独感は薄れる。

相当追い詰められていたのだと実感している。

自宅であれだけ眠ることも出来なかったのに、入院して看護師さんや作業療法士さんなどと話をするだけでも、不思議なほど満たされる。

会話に飢えていたのだと強く感じる。仕事をしていれば、嫌でも何でも人との会話が生じるし、接点も出てくる。人と繋がっている状況になる。

しかし、今の私は、本当に必要な受診時の主治医との会話が月に一度、生保のことで市役所の担当者と必要な時に必要事項についての話をするくらいで、日々の生活の中で人と接する事が無く、会話も無いのが現実だ。

だから、このままではストレスに押し潰されて鬱になるという危機感から、任意入院の道を選ぶしかなかった…


二十数年前に、原因不明の痙攣発作が酷くなった頃に任意入院をして以来の精神科専門病院での入院だ。過去の経験から、どんな環境下の入院になるかは想定できていた。静かな日は静かなのだが、症状が悪化する人が出ると、結構な声が響いたり暴れたりということも想定していたし、実際に起きる。

ビックリするが、これも仕方のないことだ。患者さん自身もそんなことをしたいのでは無く、そのようにしか表現できないのが精神疾患でもあるのだ。

私は、介護関係の資格や講習を受けてきた経験からも、学術的にも実際にも知っているから何という事はない。ただ、本当の状況を知らない人が多いのが精神疾患であり、閉鎖病棟の現実でもある。


正直、20歳から大病を繰り返して、何度か死に目を観た私は、病気に詳しくなってしまった。それは、自分を守るために仕方が無く付いた能力でもある。

それが故に、重宝されることもあれば、話が合わないきっかけにもなる。医師、看護師などの医療資格を持っているわけではないから、仕方が無い。でも、関係する病気のことや薬のこと、想定される治療のことや手続きのことは、専門家とある程度話が出来るくらいの知識は付いてしまった。

これも、ストレスの原因になっているのかもしれない。自分の状況を的確に理解しているが故に、相手が対応しきれないことは多々起きる。これによる摩擦で疲れることが多いようにも感じる。


まあ、何にしても、少しの間、ゆっくり休もうと思っている。

早く元気に仕事を始めるために、今は我慢してゆっくり過ごす。