15:25
見下ろすと奈落の果てまで続くような雪の河。
あの先端の荒菅沢(1,448m)から
現在地(推定1,880m)まで登ってきたことになる。
雨飾山(1,963m)まであと僅か。
15:28
“女神”降臨。
これが見たかった。
15:38 @雨飾山・北峰
やっぱり無人。
15:40 @雨飾山・南峰
もちろん無人。
【“女神”に別れを告げて下山開始】
16:18
遅いお昼ご飯。
17:38 @荒菅沢
どう見ても血の跡。
みんなで渡れば怖くないが、一人では不気味。
18:34
猿の腰掛?
写真では分かり難いけど直径20cmくらいはあった。
18:37 @〔3/11〕地点
ラスト1,200m。
ここまで来ればゴールは目の前。
ヘッドライトを持たずにきたけど
暗くなる前には駐車場(たぶん)。
ここで不思議な出来事。
山ではたまに起きる“あるある”だけど。
でもそれは寝不足と疲労とかが重なり
さらにヘッドライト点灯の下山中。
白い樹皮が得体のしれない動物に見えたり。
変色した倒木がガードレールに見えたり。
そんな見間違いは何度も経験した。
そしてそれはいつも、近付いてじっくり眺めて
「なぁ~んだ。脅かすなよ」で一件落着。
初めてに断っておきたい。
基本、幽霊の類は全く信じないし、今までに見たこともない。
さてラスト1,000mを切り、ぶらぶらと余裕かましての下山中のこと。
100mくらい先。
道の左端の大木の前。
青いレインコートのような服に白っぽいニット帽。
ぼーっと佇む華奢な女。
マジか?
瞬間で頭を過った疑問は今でも覚えている。
この時間に登るでもなく下るでもなく…一体何をしてる?
誰かと待ち合わせ?
それにしては中途半端な場所。
ボクより後から下りてくる人が絶対にいないのは断言できる。
服装も変だ。
曇ってはいるが雨は降っていない。
しかもこの暑さでニット帽?
たぶん目の疲労からくる幻影だ。
両の親指甲側の第二関節でゴシゴシと両目をマッサージ。
いないだろ、これで。
マジか、いるじゃないか。
体感温度が一気に20度下がり、全身に鳥肌。
行くしかない。
何であれ、行って話を聞こう。
どう話し掛けるべきか考えながら進む。
右へ折れ左へ折れ。
再び彼女がいた大木が視界に。
んん…いない。
消えた。
過去と現在を振り返る。
何が同じで何が違うか。
今までにもこんことはちょこちょこあった。
でも今までは、対象物まで近づけば
いつも見間違いの原因が分かった。
今回は何が違って何が怖かったといえば。
居たのは人、そして女。
服装まで覚えている。
錯覚かと思い、目を擦って二度見までした。
覚悟を決めて近づくと、女は消え
女がいたはずの大木が、当たり前のように立っていた。
「この木の前に間違いなくいた!」
何だったんだ、あれ?
脱兎の如くとは、こういう時に使う。
逃げるように駐車場まで。
19:09 @駐車場
停まっていた車は3台。
どの車にも人が乗っている気配。
たぶん明日の山登りの前泊組だ。
【怖いものを見た後の顔】
車に乗り、国道148号から147号、そして安曇野ICへ。
その間、(乗ってきてないよね)(付いてきてないよね)と
何度、バックミラーを振り返ったことか。
帰宅して直ぐにパソコンを起動して
〔雨飾山〕〔女の幽霊〕で検索。
何もヒットせず。
今考えても、不思議。
もっかい行って確かめるしかないのかな。