20240609【女神に逢いに★雨飾山】④ | 動的平衡

動的平衡

同情するならアメをくれ!

 

15:25

見下ろすと奈落の果てまで続くような雪の河。

あの先端の荒菅沢(1,448m)から

現在地(推定1,880m)まで登ってきたことになる。

雨飾山(1,963m)まであと僅か。

 

 

15:28

“女神”降臨。

これが見たかった。

 

15:38 @雨飾山・北峰

やっぱり無人。

 

15:40 @雨飾山・南峰

もちろん無人。

【“女神”に別れを告げて下山開始】

 

16:18

遅いお昼ご飯。

 

17:38 @荒菅沢

どう見ても血の跡。

みんなで渡れば怖くないが、一人では不気味。

 

18:34

猿の腰掛?

写真では分かり難いけど直径20cmくらいはあった。

 

18:37 @〔3/11〕地点

ラスト1,200m。

ここまで来ればゴールは目の前。

ヘッドライトを持たずにきたけど

暗くなる前には駐車場(たぶん)。

 

ここで不思議な出来事。

山ではたまに起きる“あるある”だけど。

でもそれは寝不足と疲労とかが重なり

さらにヘッドライト点灯の下山中。

白い樹皮が得体のしれない動物に見えたり。

変色した倒木がガードレールに見えたり。

そんな見間違いは何度も経験した。

そしてそれはいつも、近付いてじっくり眺めて

「なぁ~んだ。脅かすなよ」で一件落着。

 

初めてに断っておきたい。

基本、幽霊の類は全く信じないし、今までに見たこともない。

さてラスト1,000mを切り、ぶらぶらと余裕かましての下山中のこと。

100mくらい先。

道の左端の大木の前。

青いレインコートのような服に白っぽいニット帽。

ぼーっと佇む華奢な女。

マジか?

瞬間で頭を過った疑問は今でも覚えている。

この時間に登るでもなく下るでもなく…一体何をしてる?

誰かと待ち合わせ?

それにしては中途半端な場所。

ボクより後から下りてくる人が絶対にいないのは断言できる。

服装も変だ。

曇ってはいるが雨は降っていない。

しかもこの暑さでニット帽?

たぶん目の疲労からくる幻影だ。

両の親指甲側の第二関節でゴシゴシと両目をマッサージ。

いないだろ、これで。

 

 

マジか、いるじゃないか。

体感温度が一気に20度下がり、全身に鳥肌。

行くしかない。

何であれ、行って話を聞こう。

どう話し掛けるべきか考えながら進む。

右へ折れ左へ折れ。

再び彼女がいた大木が視界に。

んん…いない。

消えた。

 

過去と現在を振り返る。

何が同じで何が違うか。

今までにもこんことはちょこちょこあった。

でも今までは、対象物まで近づけば

いつも見間違いの原因が分かった。

今回は何が違って何が怖かったといえば。

居たのは人、そして女。

服装まで覚えている。

錯覚かと思い、目を擦って二度見までした。

覚悟を決めて近づくと、女は消え

女がいたはずの大木が、当たり前のように立っていた。

「この木の前に間違いなくいた!」

何だったんだ、あれ?

 

脱兎の如くとは、こういう時に使う。

逃げるように駐車場まで。

 

19:09 @駐車場

停まっていた車は3台。

どの車にも人が乗っている気配。

たぶん明日の山登りの前泊組だ。

【怖いものを見た後の顔】

 

車に乗り、国道148号から147号、そして安曇野ICへ。

その間、(乗ってきてないよね)(付いてきてないよね)と

何度、バックミラーを振り返ったことか。

帰宅して直ぐにパソコンを起動して

〔雨飾山〕〔女の幽霊〕で検索。

何もヒットせず。

今考えても、不思議。

もっかい行って確かめるしかないのかな。