20240107【ハライド★新年早々…マジか】① | 動的平衡

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同情するならアメをくれ!

 

1月7日(日)は鈴鹿。

朝明キャンプ場⇒ハライド⇒旧三嶽寺跡⇒割谷の頭⇒

⇒藤内小屋⇒国見岳⇒青岳⇒朝明キャンプ場

最長不倒コースに挑む。

特に見てみたいのが《旧三嶽寺跡》。

(どこまで何が残っているのかは知らないが)

 

三嶽寺は9世紀初めに天台宗の開祖最澄により建立。

16世紀半ばには信長により攻め滅ぼされる。

ものの本に由ると三嶽寺は天台宗の比叡山直末の山寺。

当時屈強な精鋭部隊である僧兵を何百人も抱えていた。

その要塞・三嶽寺も、延暦寺焼き討ちの3年前にあっけなく信長によって焼け落ちたという。

“兵どもの夢の跡”を見にいかない理由はない。

 

毎度のことだが近くまで行ってもどの山に登るのかわからない。

 

10:41

朝明キャンプ場駐車場着。

車はボクを含めて6台。

うち2台は準備をしている間に下山してきた。

「もう下山ですか?」

「ああ、今日は予報では夕方から雪だよ」

 

わんこも下山。

哲学者のような佇まい。

【足首まで隠れる立派な服!】

 

犬が出てくる小説・エッセイは多い。

馳星周、町田康、浜田マハ、江國香織、伊吹有喜…。

個人的なお勧めは丸山健二『夜、でっかい犬が笑う』(絶版)。

 

青空文庫で今すぐ読めるのは太宰治の『畜犬談』。

冒頭を抜粋。

 

 私は、犬については自信がある。

いつの日か、かならず喰いつかれるであろうという自信である。

私は、きっと噛まれるにちがいない。自信があるのである。

よくぞ、きょうまで喰いつかれもせず無事に過してきたものだと

不思議な気さえしているのである。

諸君、犬は猛獣である。

馬を斃し、たまさかには獅子と戦ってさえこれを征服するとかいうではないか。

さもありなんと私はひとり淋しく首肯しているのだ。

あの犬の、鋭い牙を見るがよい。ただものではない。

いまは、あのように街路で無心のふうを装い

とるに足らぬもののごとくみずから卑下して

芥箱(ごみばこ)を覗きまわったりなどしてみせているが

もともと馬を斃すほどの猛獣である。

いつなんどき、怒り狂い、その本性を暴露するか、わかったものではない。

犬はかならず鎖に固くしばりつけておくべきである。

少しの油断もあってはならぬ。

 

メロスを読んだときのような爽快感。

作中登場する駄目犬は、きっと太宰自身の投影に他ならない。

10分で読めます。

未読の方はぜひ。

 

さて。

10:51

第一目的地・ハライドに向けてスタート。

 

11:25

《670m地点》通過。

涙が出るくらいの寒さと、バランスを崩しそうになる暴風以外は至って順調。

 

んん…。

標柱が見えるが、もちろん無人。

 

12:15

ハライド到着。

《ハライド》はどうして片仮名なんだろう?

それらしい漢字を思い浮かべるとすると〔祓戸〕。

ここら辺一帯が修験の山として信仰を集めていたのか?

険しい尾根の真ん中。

今では吹きっさらしで何もないこの平らな場所。

かつては幾度となく神事が催された神聖な場所であったと考えても不思議はない。

 

しかし寒い。

フードを被り、その上からニット帽。

じっとしていられない寒さ。

 

激下りの岩場を下り腰越峠へ。

 

13:26

腰越峠通過。

この後、新年早々まさかの事態。