明けましておめでとうございます | 動的平衡

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同情するならアメをくれ!

 

遅ればせながらでは御座いますが

明けましておめでとうございます。

 

ウクライナの戦禍は収まる気配を見せず

混沌とした世界情勢は何ひとつ改善されないまま新しい年を迎えました。

兎年。

“ウサギ”と言えば何だろ?

不謹慎なエスニックジョークしか思い浮かびませんでした。

 

「去年の年明けは暗い幕開けだったね」と

来年の今ごろは無辜の市民の犠牲が一人でも減ること

少しでもみんなが笑って話せること願って止みません。

 

 

 

某年某月某日。

国連テロ対策委員会執行事務局が極秘に

世界の特殊部隊及び諜報機関の実力調査に動いた。

対象はロシアのSVR、フランスのGIGNとアメリカのCIA。

どの組織が犯人を捕まえる能力が最も長けているかの調査である。

国連テロ対策委員会執行事務局は森に1匹のウサギを放ち

それを捕まえてくるよう各組織に指示を出した。

 

CIAは、動物の情報提供者を森の中に配置。

さらに、植物や鉱物を採取するために森に入った目撃者を尋ねて回った。

そうして3ヶ月に渡る徹底的な調査が終了した後

彼らはウサギは存在しないという結論を下した。

GIGNは2週間捜索し、成果が得られないとみると

森に火をつけウサギもろともみんな殺してしまった。

彼らは謝りもせず、ウサギに責任があると言った。

SVRは2時間ほど森に入っていたかと思うと

ひどく痛めつけられたクマを連れてきた。

クマは呻きながら言った。

「…えへへ。私がウサギでございやす、ウサギで…」