こんばんは~。
あ~明日も仕事なんて
サービス業は仕方ありません。
みんなが休んでるときに働くパターンだからね!
今年も明日で終りです!
あっという間だったな~て毎年言ってるね。
Numberコラムが挙がっています。
いい記事です(ノω・、)
![宝石赤](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/118.gif)
http://number.bunshun.jp/articles/-/772802
oオリンピックへの道
フィギュアスケート
村上と鈴木の抱擁、織田の激励・・・。
ライバルとしいうより、チームとして
12月21日から23日にかけて行なわれた全日本選手権が終わり、24日にはソチ五輪の日本代表が決まった。おそらく大会のレポートは色々なところで目にする機会も多いだろう。少し角度を変えて振り返ってみたい。
大会の期間中、リンクの外でいくつか心に残る場面があった。
その一つは、女子ショートプログラムのあとのことだった。ミックスゾーンでの取材が終わり、引き上げようとする村上佳菜子と、これから取材を受けようとする鈴木明子がばったりと鉢合わせした。その途端、村上は涙顔で、鈴木は笑顔で、しばらくの間かたく抱き合っていた。
「なんで?」
そんな声が聞こえた。
戸惑いの理由はなんとなく想像できる。代表選考をめぐっての争いの中、ライバル同士なのに……というところだと思う。
また会場にいるときは気づかなかったが、織田信成が自身のフリーの得点を見届けた去り際「大ちゃん、がんば!」とリンク上の高橋大輔に声をかけたと聞いた。
バンクーバー五輪、選手村での男子3人の「会話」
ふと、バンクーバー五輪期間中の、高橋、織田、小塚崇彦の選手村でのエピソードを思い出す。
「僕は比較的、パソコンとかIT系には強いので、2人にスカイプの設定をしてあげたんです。3人で部屋に集まって、ヘッドホンとマイクをパソコンにつないで会話したりしました。肉声でお互いの声が聞こえているからそんなものいらなかったんだけど(笑)」
以前、取材の中で小塚は言った。そして続けた。
「試合の場では競いあう相手だけど、試合を離れれば、ほんとうに仲がいいんです。競技で成績を争うわけだから、そんなことはないだろうと思われるかもしれないですけどね」
村上と鈴木の光景、織田の激励、そして小塚の披露したエピソード。それらは、同じ方向を示しているように思える。
「相手がどうだからと意識しているうちはまだまだ駄目」
シンクロナイズドスイミングで日本、中国のヘッドコーチとして数々のメダルをもたらした井村雅代氏がこう語ったことがある。
「直接相手と争うわけじゃないんだから、いかに自分の力を出し切るかが大事なんです。相手がどうだからと意識しているうちはまだまだ駄目なんです。……とことんやり尽くしたときって、相手の人を称えられるものなんです。私も、アテネ五輪のときは本当にやれるかぎりやって、選手も本当に頑張った。結果は目標の金メダルじゃなくて銀メダルでしたが、そのとき、優勝したロシアのコーチに対して、すごいなあ、と自然と思えて祝福することができた。スポーツって、そういうものなんです」
シドニー五輪からの4年、全力を尽くしてアテネに挑んだ。その結果だからこそ、相手を称えられるのだと井村氏は言った。
今大会に限らず、フィギュアスケートの選手たちが見せてきた姿も、おそらくは同じことなのではないか。
誰もがやれる限りのことをやってきた。自分の可能性を信じ、高みを目指し、自分を伸ばすことに努めてきた。そうした努力や苦闘のさまを互いに知るからこそ、競い合うことと称えることの両立ができる。きっとそこには、お互いに抱く敬意がある。
鈴木明子が語った「仲間」たちとの切磋琢磨。
いみじくも鈴木は、ソチ五輪へ向けて突き進んできたモチベーションのありようをこう説明した。
「ここ何年か、私が出場できなかった世界選手権もありましたが、浅田選手、村上選手と一緒に大会に出てきて、男子も6人が頑張ってきました。みんながチームとして切磋琢磨しているのを見て、自分は見守っているだけでいいのか、ここで身を引いたら後悔すると思いました」
4年に一度、オリンピックの代表選考の対象である全日本選手権だからこそ、選手たちの光景がよけいに心に残る。
特別な大会であるだけに、重圧はそれぞれに大きかっただろう。ましてや、今の日本のフィギュアスケート界を考えればなおさらだ。男子を例にとれば、今シーズン、日本男子は、アメリカ、ロシアで町田樹が優勝し、NHK杯では高橋が優勝。カナダ、フランスでは羽生結弦が2位となり、織田はカナダで3位、NHK杯2位、小塚も中国で3位。
ファイナルも含めて7大会すべてで日本の選手が必ず表彰台に上がり、優勝は4回を数える。層の厚さも考えれば、まぎれもなく世界トップの位置にある。互いを高めあい、引っ張りあげ、日本の地位を押し上げた担い手たちが一堂に会する唯一の大会が、全日本選手権であったのだ。
彼らは、選ばれなかった選手の思いを背負って滑る。
その中で、選手たちは戦い抜いた。優勝した羽生はむろん、「コンディションは最悪でした」という中でも昨年の失敗を繰り返さなかった町田、高橋の誇り(Number844号に掲載)。28歳でついに全日本選手権初優勝を飾った鈴木、コンディションはよくない中でもソチを見据えてレベルアップに励む浅田真央の姿勢、村上の渾身の滑り。
さらには「独特の緊張感でした」と苦しんだショートから、フリーで見事に持ち直した織田、昨年からの故障の影響を時間をかけて克服し見事な滑りを見せた小塚の努力……。
それぞれの過程を経て、大会で力を尽くした。そして、選考基準に則して日本代表は決まった。
きっと彼らは、選ばれなかった選手の思いも背負い、ソチへと挑むだろう。いくつもの光景や言葉を思えば、そう感じずにはいられなかった。
そういえば、大会では、名前がアナウンスされるたびに、観客席から重圧のもとで滑る選手の後押しをするように、あたたかい拍手が起きた。
それもまた、心に残った光景であった。