”29才になった自閉症スペクトラム障害を
もつ息子”のおかん、ひろぷーです。
「引っ越ししたいと思っている。」
先日、えむおから電話がありました
理由を尋ねると、今住んでいるアパートの上の階の人が、えむおの生活音に腹を立てて、玄関まで来られて、戸をドンドンと叩く。という
えむおは、トラブル時にとっさの対応がしづらいので、お相手には会わず、玄関まで来られても顔を出さなかったようです。
(まあ、それ正解ね。怒っている人と対峙して、うまく対応するのは厳しいですもん)
えむおは夜9時くらいに掃除機をかけていたというので、こちらにも原因はあったようです。
んー。夜9時というのは微妙だけど、生活スタイルによっては”遅い時間”なのかも・・。
実は、こういったトラブルは初めてではなくて、今までにも何度かありました。
夜間のえむおの足音が気になる。と、前の住まいの時にも苦情を言われたので、きっと夜も遅くまで起きていることが多いのかもしれません
以前は、こんなトラブルがある度に、「あぁ、またかぁ。」とブルーになっていた私。うまくご近所とやってくれていないことに落ち込んでました
でも、今は淡々と事実だけを受け止められるようになりました。
そこで、以前との違いを自分で分析してみました。
まず、以前の捉え方は、
「悪いのはきっとこっちだよね。迷惑かけてるに決まってるんだから。」
と、えむおを信じてやれていなかった
今は、
まずえむおに事実確認と現状をしっかり聞き、どちらが悪いというジャッジはせず、
「そかそか。生活の時間帯が違う人もいるからね。引っ越したらそれは解決するかな。」
と、事実だけにフォーカスするようになりました。
えむおは、戸をドンドンされるという嫌な思いをした直後だったので、「引っ越したい!」という気持ちが高ぶっていたようで、自分で近くの安いアパートを見つけて内見予約までしていました
ならば、一緒に見にいってみようと、おかんも同行しました。3件ほど見に行きましたが、今のアパート同様、音は響きそうな感じ。なんせ激安家賃のところばかり探しているので、そりゃそうだな。
良さげな物件がなかったのと、新たに引っ越すにも結構費用がかかることを知ったえむおは、「検討する。」と。
しかし、帰りがけにえむおは今のアパートの不動屋さんに、上の階の人のことを尋ねに行ったのです!
苦情は聞いているか、どんな人なのか・・
す、すごいえむお、問題解決をしようとしているではないか
すんばらしいぞ!!
不動産やさんには苦情はきていないとのことで、
「じゃあ、もう少し様子を見る。掃除機も休みの日の昼間にかける。一番いいのは引っ越さずにいることだから。」
と、自ら妥協案?を出したのですです
これ、自閉スペクトラム症の方が身近にいない人にはわかってもらえないかもしれませんが、すごいことなのです。
自分のこだわりをちょっと横に置いて、問題解決に取り組む。
もうね、数年前のえむおからは考えられない成長なのです。
おかん、神に仏に感謝しました
トラブルはないほうがいいけれど、こんな気づきもくれるんだな。
独り暮らし、本当に心配だけど、させて良かったな。
もうすぐ30歳になろうとしている息子だけど、今まさに成長してる。
同級生やよその子との比較をしていた頃、
私は常に”ないもの”にフォーカスしていました。
「まだこんなことで私を悩ますの?」
「いつになったら心配させずにいてくれるの?」
そうして不安ばかりを胸に溜めまくってました。
でも、人との比較をやめられた今は、
えむおの大きな成長に気が付くことができ、幸せな気分にもさせてもらえています
引っ越しても引っ越さなくてもいい。
えむおの好きに生きればいいし、選択したらいい。そのためのサポートも全力でしたい。
大事なことは、昨日のえむおよりすこーしでも成長してくれること、それに気づいてやれること
引っ越さないことを決めたえむおは、私に言いました。
「せっかく来てくれたのに悪いけど・・」
ええねんで。必要ならば、おかんはいつだって飛んでくるで
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