『進撃の巨人』完結編のネタバレありです。

超大型の画層を挟んでおきますw

 

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始祖の巨人は、すべてのユミルの民を意のままに操ることが出来る。

 

始祖の巨人は、他の巨人すべてを操ることが出来る。

 

 

作中で始祖に関しては、上記のように説明されます。

これって、実際にはどの程度コントロールできることを指すのでしょうか?

この説明だと、始祖はユミルの民に対しては、万能の能力を行使できるように聞こえますが、本当にそうなのか?

 

完結編で、エレンは、

ダイナ巨人をコントロールして、あえてカルラを食わせた

 

と告白しますが、実際にそんなことができたと思いますか?

私は、初見では、出来たのだと思いました。

ちょっと濁しているけど、エレンがそう発言しているから!

 

進撃の巨人はフィクションなので、諌山先生が出来ると設定していれば出来るのですが、SF作品において、過去改ざんはタブー。

バックトゥザフューチャーみたいに身体ごと、別の時代に飛ばされたり、東京リベンジャーズみたいに、過去の自分の肉体に記憶だけ飛んで、行動するならともかく、過去の自分はそのまま存在し、未来の自分もそのまま存在。

未来の自分が、過去の特に自分の行動意外に干渉することは、基本的には出来ません。

既存のエンタメ作品を多数参考にしている、諌山先生がこのルールを無視するとは考えづらい。

 

色々考えた結果、現在は、諌山先生の脳内設定では、エレンは意図的に過去の巨人の動きをコントロールできなかったと考えていす。

エレンがダイナ巨人にパンチしたとき、周囲の無垢巨人を操ることが出来ましたが、あくまでも、そのときの現在において始祖の力を発動できただけ。

始祖の力でも過去にさかのぼって、過去の巨人の動きをコントロールはできなかったと思う。

エレンは何度も未来を変えるためにできる試行錯誤したと発言しますが、試行錯誤が可能な時期は、勲章授与式でヒストリアに触れて、進撃の力で未来の結果を見てから後のみ。

そして、勲章授与式後からジークに接触するまでは、始祖の力は使えないので、選択は一発勝負で試行錯誤はできない。

試行錯誤可能なのは、ジークと接触後の地ならし発動後のみだと思います。

エレンは、未来のすべてを知っていたわけではない。

ミカサが何をするのかもわからないまま、ミカサの決断が巨人の力を消し去る未来だけを信じた。

だから、何度も別の道を試したが、結果は変わらなかったというアニオリセリフも、別ルートの選択肢自体少なかったと思う。

フィクションでそもそも論を言っても仕方がないですが、過去をいじれるなら、145代フリッツ王が、巨人による支配という過去を改ざんできただろうし、自分のことを馬鹿だと言ったエレンでも、もうちょいマシなルートを選べたんじゃない?

 

そして、時間軸が現在なら、始祖は何でもできるかというと、エレンは無垢巨人にされたピクシスたちを人間に戻すことが出来なかった。

あれは、可能ならアルミンたちを危険にさらさないために戻したでしょう。

イェーガー派とアルミンたちの戦闘を避けることもできなかったし。

やらなかったのではなく、出来なかったんだと思う。

 

ユミルの民を意のままに操ることが出来る。

肉体も改造できるというセリフがありますが、これも、マンツーマンでなら操れても、複数人を同時に細かく操るのは無理でしょう。

始祖の能力を得ても、知能がアップするわけではないので、複数人を操るために同時に複数人と異なる話題で話すとか、一般人には出来ない。

肉体改造も、遺伝子改造とかじゃなくて、特定の分泌液を増やすとかしか出来ないはず。

記憶改ざんも、不特定多数に対して自由にできるなら、そもそも壁内に壁の外を知りたがる人類の発生自体を防げてしまうので、いくつかの条件がそろう必要があるはず。

この辺は、先生も細かい設定は作っていない気がしますが^^;

 

だから、エレンがダイナを意図的にカルラへ向かわせたというのは、言葉のあや的なもので、エレンの考える最適解(巨人の力を消して、さらにアルミンたちを13年縛りから解放する)を選択した結果、エレンのコントロールとは関係なく、ダイナはカルラへ向かうことになったのだと解釈しました。

これには、エレンのどうしても地ならしをやりたかったという願望が抑えられなかったという意思も含みます。

 

アニメのセリフ改変で、エレンは馬鹿が力を持ったから、こんな結果になったと発言しますが、私の見方だと馬鹿だからじゃなくて、わがままだったからというのがしっくりくるんですよね…

 

 

エレンは仲間を長生きさせるために、未来を変えようと試行錯誤した。

しかし、試すことのできる選択肢は少なかった。

そして、地鳴らし発動はどうしてもやりたくて譲れなかった。

進行方向のレールを1個、地鳴らしへ切り替えたら、連動して、過去レールも変わってしまったイメージ。

ゆえに、あの結末だったという解釈です。