「進撃の巨人」のアフターパーティーに参加しています。

本日は、アルミンの日ということで、アルミンに関する特別編集の動画が観れます。

 

アニメの完結編を視聴後、原作との違いを比較しつつ、感想を複数アップしています。

基本的に、アニメと原作が描こうとした世界は同じだというのが私の感想。

原作で諌山先生が描いたけれど、伝わりにくかった部分を分かりやすく補足したのが、アニメの完結編だと思っています。

 

大きくセリフの改変があった、アルミンとエレンの道での会話。

私は原作の「僕たちのために、殺戮者になってくれてありがとう」に、地ならし肯定の意図は感じませんでした。

エレンの地鳴らしが、自分たちを守るためであっても止めたいと、命がけで戦っているのが、アルミンたち調査兵団ですもん。

ただ、ハマスとイスラエルの戦闘が激化している現在の世界情勢では、アルミンがエレンの地鳴らしを直接セリフで非難する描写を入れたのは良かったと思う。

変に切り取られて、トラブルに巻き込まれるリスクは減ったと思うので。

 

地鳴らしの残酷な描写も原作よりも強調されていて、その上で、アルミンは、はっきりとエレンの罪を一緒に背負うと言ってくれた。

エレンは、変えられない未来の記憶に縛られて苦悩したけど、両親にもミカサにもアルミンたち仲間にも甘やかされまくった恵まれたキャラだったとも思うよ。

私は、アルミンがエレンの中の怪物を目覚めさせた一面はあると思っていましたが、アルミンにエレンの罪を背負う必要はないと考えていました。

どっちかというと、原作では平和を愛する女王のように描かれたヒストリアにこそ、その責任はあると思ってた。

この辺も、アニメのセリフ改変で、自分の考えてたヒストリア像に近くなっていたので満足。

 

一方、原作とアニメで大きな改変だと感じたのは「壁の向こう側」の描写に関して。

原作だと、エレンが最後にアルミンに「お前なら、壁の向こう側に行ける」と言います。

壁の向こう側って、異国とか人類未踏の地とかではなく、森から出た世界のような概念的なものを想像していました。

エレンには決してたどり着くことが出来ない世界。

世界から争いがなくなることはないから、完全に到達することはできないけれど、アルミンなら垣間見ることが出来るかも知れない。

 

しかし、アニメでは、アルミンがエレンに

「ありがとう。僕にこの壁の向こう側の景色を見せてくれて」と発言します。

エレンがアルミンに見せたのは、誰もいない血の海の景色

その前に、炎の川や氷の大地も見せていますが、アルミンの見たかった壁の向こう側は、決して誰もいない血の海ではない。

アルミンが共犯者としてエレンに寄り添うセリフ言わせる都合で、改変があったのだと思いますが、原作で諌山先生が描こうとした世界とは異なるものになってしまったように思う。

諌山先生は、原作完結後に予想以上の批判を受けて、悩んだ末にアニメの改変を行ったらしい。

読者に分かりやすい描写は、成功していると思いますが、このアルミンのセリフ改変に関しては、諌山先生にとって不本意だったのではないかと考えてしまいます。

アニメの改変に対して評価が高いだけに、諌山先生が、結局、描きたかった世界は伝わらなかったと感じてないといいなと思います。

私は「壁の向こう側」は、人間にはたどり着けない世界。

でも、たどり着こうとあがき続ければ、垣間見ることは出来るかもしれない世界だと思っています。