『進撃の巨人』完結編(後編)をリアタイしました。

アクションシーンが大幅に追加され、セリフの改変もありましたが、私の印象は、基本的に原作順守で良かったと思います。

その後、アマプラで観返しての感想です。

 

大幅にセリフが改変されたのは、アルミンとエレンの「道」での会話。

カッコ悪いエレンが、さらにカッコ悪く描かれてましたね!

あそこは、絶対カッコ悪さを強調した方が良いシーン。

悲劇のヒーローっぽく死なれたら、エレン観がかなり変わってしまいます。

 

アルミンは、エレンの「お前たちは、生き残った人類にとって最も敬意を評される存在になる」というセリフに

「僕もみんなも英雄を演じる気はない」と言いました。

エレンの虐殺を咎めた上で、人類の存在しない壁の外の世界をエレンに夢見させたのは自分だと。

そうなんだよね…

アルミンが、エレンの中の怪物を目覚めさせた一面はあると思う。

 

その上で、自分だって、他人を消し去りたい気持ちになる事はあると。

*ちょっと、うろ覚えですが、このような趣旨のセリフ。

これは、誰しも世界が自分の思い通りじゃなかったときに、考えてしまう事じゃないかな?

実際に、他人に手をかける人は滅多にいないと思うけど。

 

エレンに寄りそうアルミンを描きながら、エレンの行為を責める姿も描いてくれたのは、アルミンの原作のセリフ

「虐殺者になってくれて、ありがとう」

が、虐殺肯定じゃないと分かりやすく伝わったと思う。

個人的には、進撃の物語を追ってきて、アルミンのセリフを虐殺肯定だと受け取る人は、読解能力に問題があると思いますが。

血の海から、髪と歯を拾い上げる描写は、ぞっとしました。

アルミンが拾い上げた貝殻も血まみれ…

 

そして、アルミンは「道」でミカサが言ったように、エレンの罪を一緒に背負う。

仲間の誰も望んでいなかった、大虐殺という道を「やりたかったから」という理由で選んで、それでも「地獄でまた会おう」と言ってもらえたエレンは充分恵まれてたと思うよ。

エレンは、自分の行為が、サシャとハンジさんを死なせ、フロックと戦わせることになったことを謝罪した。

サシャの死をエレンは、未来の記憶で知らなかったと思いますが、ハンジさんの燃え落ちる姿は見ていたのだろうか?

「他にやり方があったら教えてくださいよ!」と胸倉をつかんだとき、もしかしたら、エレンはハンジさんの死を知っていたのかも知れないと、アニメ最終話を観て思いました。

 

それ以外で、大幅なセリフ改変があったのはヒストリアの手紙とパラディへ向かう船での会話。

私はヒストリアが妊娠するという方法で、エレンの地鳴らしに協力したことに関して、かなり引っかかっています。

原作ラストだと、彼女はまるで平和を愛する女王のように、描かれましたが、実際には地鳴らし協力者。

セリフの改編で、ヒストリアがエレンの共犯者だったことが、はっきり描かれたのは良かったと思います。

また、争いを避けるために、これからも戦いは続くと言ってくれたのも、今後、軍事政権へ進むイェーガー派と対峙していく覚悟があるようにみえて良かった。

でも、武力衝突は最小限で、王政編みたいに解決して欲しいと思ってる。

パラディ島の兵団内に、ヒッチや戦いの残酷さを知っているリコが残っていて、立ち上がる時期を待っているスルマ達がいるなら、島へ戻ったジャン&コニーとヒストリアの協力で軍事政権の台頭は阻止できたと信じたい。

ミカサは…さすがに、戦いからは引退したと思う。


EDバックに流れるミカサの余生やパラディ島のその後は、小さなワイプ画面で描かれていましたが、原作よりも島が平和な期間は長かったように見受けました。

画面が小さいのは、ミカサがジャンと家族を持ったことへ反感を覚える勢力がいるから?

まぁ、これも個人の想像にゆだねられていますが、私は、ミカサはジャンと家族になったと考えています。

子供は、実子でも養子でもどっちでもいい。

エレンを愛し続けるミカサのそばには、ずっとジャンが寄り添ってくれたらいいな。

 

原作で描かれた兵長が、飛行機(飛行艇?)を見上げるシーンは、ハンジさんを思い出す姿だと考えているので、描いて欲しかったけど、あれって矛盾があるんですよね。

あの世界で兵器として使用されているのが、飛行船。

エレンへ向かった飛行艇は、最新技術。

それが、戦後3年で、普通に見れる環境だと、人類の8割を虐殺したのに、最新技術は残ってしまったことになる。

島が攻撃される時間稼ぎにならなかったという事に。

だから、兵長が見上げるのが鳥だったことは、ちょっと寂しいけど、良かったなと思います。

 
 
アフターパーティーでサンタ巨人に喰われる私w