調査兵団の優秀な団長「エルヴィン・スミス」

 

エルヴィンが調査兵団に入った理由は「父の仮説を証明する」ため。

壁の外に人類がいないなんて証明できないのに、王政の資料では断言されている。

そして、人類が壁に逃げ込む前の歴史がまったく記録に残っていない。

 

王は人類の記憶を改ざんしたのではないか?

 

これが、父の仮説。

いやー、凄いことを思いつきますね。

この仮説を証明するために、エルヴィンは世界の歴史を知りたかった。

 

部下たちには人類のために「心臓を捧げよ」と鼓舞しながら、自分の目的は父の仮説を証明することだったことにエルヴィンは、罪悪感を抱えている。

でも、私はエルヴィンが人類のためではなく、個人の夢のために戦ったことが悪いことだとは思わないんですよね。

自分だったら、罪悪感は感じないなあ。

「人類のため」なんて、漠然としたもののために命を賭けられる人っている?

自分の財産を守るために、ローゼの住人を見殺しにしようとした王政の権力者も「人類」よ?

「人類」やら「国」やらのためだと考えるとき、普通はその中心に自分にとって大切な存在がいますよね。

各々にとって一番大切な存在は違う。

自分だけが利益を得て、他人を搾取する目的で、部下を死なせてきたなら、それは部下への裏切りですが、エルヴィンの夢は壁内人類に隠されていた現実を知らせることになる。

それは、人類のために心臓を捧げるのと矛盾しないと思います。

 

私は一般市民目線で考えていますが、自分の平穏な生活を守るために、誰かが、個人の感情も希望も一切捨てて、命を削って戦っていないと、私の生活が維持できないとしたら、めちゃくちゃ罪悪感を感じるわ。

そんなことを他人に求めないし、求められてもできない。

 

だから、人類のために心臓を捧げると誓った兵士たちが、それぞれ個人的な目的を持っていることは自然なことだし、まったく悪い事ではないと思います。