アニメのファイナルシーズンでは、解決困難な問題山積みで、兵団内からは大量に離反者が出るしで苦労しまくりのハンジさん。
分隊長時代と団長になってからでは、かなり雰囲気が変わります。
この点は、アニメも原作も同じ。
しかし、分隊長時代の印象は、アニメと原作では異なりました。
アニメ版しか観ていなかった私は、分隊長時代のハンジさんを知的好奇心が旺盛な変人で、目的のためなら市民や部下の犠牲も止む無しという考えの人だと思ってました。
例えば、シーズン1のリヴァイ兵長とハンジさんが初登場のシーン
アニメオリジナルで、ハンジさんがウキウキしながら「奇行種がいたら最高なんだけどな」って言ってますが、奇行種に出会うという事は兵士の犠牲が増えるはず。
その代わり、新しい発見があるかもしれない。
そのためなら、犠牲は仕方ないと考えてるように見える。
というか、自分の好奇心優先で、部下の人命には興味がなさそう。
ストヘス区での女型捕獲戦のときも、市民や部下が死んでいるのに、女型の捕獲が楽しみで興奮し過ぎでモブリットにたしなめられている。
そしてアニメ版の『イルゼの手帳』のハンジさんも命令無視で飛び出していくし、オルオを危険にさらしてリヴァイに怒鳴られてる。
そして、リヴァイがなぜ怒ってるのか理解できてないように見える。
このキャラ設定だと、死ぬな!生き延びろ!の兵長と絶対合わないでしょう…
アニメ版は、ハンジさんの変人っぷりをすごく強調してる!
そしてそれを強調するために、基本的な人道主義といった重要な設定を変えてしまっている…
アニメ版ハンジは、常にドタバタうるさいし、きゃっはーな性格ですが、原作だと常にそういう状態ではないですしね。
わたし、部下の人命を軽視する上官ってすごい嫌いなんです。
「銀英伝」の無能な同盟軍司令官とか、トリューニヒト
「坂の上の雲」の伊地知とか大嫌い!
だから、シーズン1のアニオリのハンジもかなり苦手です。
が、原作を1巻から読むと、ハンジさんの印象は変わりました。
兵士の人命を軽視しているように見えた上記のシーンは、原作には存在しません。
そして、原作のハンジさんの方が落ち着いている。
エレンと初めて会うシーンで、地下牢の柵にバーン!て飛びつくとか、古城の旧リヴァイ班を訪問したときに、勢い余ってドアに激突するエピソードもアニメオリジナルです。
逆に原作の王政編のセリフ「人同士で争わなくても生きていける世界にしたい」が、アニメ版では削られています。
だから余計に、私にはハンジさんが兵団で戦う理由が、自身の知的好奇心を満たすために見えたんですよね。
ちなみに私は、上官が部下の命を軽視するのは嫌いですが、戦う理由が自分個人の目的のためであることは問題ないと思ってます。
エルヴィンは、父親の仮説を証明するために兵団を率いてきたことに罪悪感を持っていましたが、別に良いじゃない!
逆に「人類のため」なんて漠然とした目的のために命を懸けられる人間がいるのか?
ハンジさんのキャラ設定に話を戻すと、『悔いなき選択』も漫画版の方が、ファイナルシーズンのハンジさんのイメージに合うのよね。
アニメ版ではカットされていますが、リヴァイ達ごろつきメンバーに話しかけるシーンがあります。
まだ、兵団に馴染んでいなかった彼らに気さくに話しかけたのがハンジさんです。
オニャンコポンたち義勇兵と友好関係を結んだり(イェレナには裏切られますが)マガトたちマーレ勢と手を結ぶ役割を果たすハンジさんに通じるものがあると思います。