古いものの魅力 | ひろ の 記録 - スローピッチな釣り と 登山 と 音楽 -

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NIKON
AF-S DX NIKKOR 18-105mm f/3.5-5.6G ED VR
AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

昔から、古いものが好きです。
 
たとえば楽器。
自分がよく弾く楽器は アコースティックギター、エレクトリックギター、ピアノですが、アコースティックギターについてみてみても、1960年代や1970年代物は大変価値が高い。
学生時代には町田からお茶の水のヴィンテージギターショップ 下倉楽器 ( シモクラ・セカンドハンズ ) にいき、よく試奏をさせていただきました。
 
高校~大学生になったころまでは、Eric Clapton、John Mayer をはじめとしたロック、ブルースミュージシャン ( 時には、パンクロック ( 笑 ) も ) なんかを聴いていた影響で、関心のあるギターは Gibson の LesPaul や、Fender の ストラト 等が主でした。
その後、Jazz Funk や Club Jazz と呼ばれるような分野の音楽にはまってからは、少々ジャズ・テイストの箱鳴りをもつギターに興味を持つようになり、Larry Carlton で有名な ES 335、Joe Pass などジャズギタリストにも愛用者が多い、ES175 などに惹かれるようになりました。
 
ストラト ( Fender Japan の ノイズレスピックアップのモデル ) は高校~大学に入ったころまで使用し、LesPaul はヴィンテージではありませんが、大学時代に数年間使用しました。
その後、弟から譲ってもらった ES 175 を使用しましたが、自分のする音楽には少々マッチしない ( というか、宝の持ち腐れ ) 感じがして、手放すことに。その後、Suhr Hollow Classic T ( Suhr のシンライン ) も使用しましたが、こちらも就職後手放してしまった。
 
現在は、アコースティックギターは Martin HD-28V ( ヴィンテージではないが、戦前の D-28 の復刻版でヴィンテージの内部構造、デザイン等を用いている )、morris の M603 ( 高校進学のお祝いという名目で?親に頼み込んで買ってもらった。当時はサンバーストのようなカラーリングが施されたものに魅力を感じていた ) に、エレクトリックギターは Ibanez AS-200 に落ち着いています。
値段でいえば、HD-28V は M603 と比較になりませんが、最近は比較的安価な M603 が気に入っています。弦高が低くネックが細いため、手が疲れず、響きも良い。高校生の時にギターを背負って自転車をこいでいた時、ギターを電柱にぶつけてしまい一か所ひびが入っておりますが…さすが日本製、日本人の手にあったつくりになっているように感じます。
 
 
余談ですが、こちらは HD-28V の枠に施されている へリーン・ボーン 柄。
魚の骨の模様に似ているため、herring ( ニシン ) の bone ( 骨 ) という意味でこのように呼ばれているそう。戦前はこの材質をドイツから輸入していたそうですが、戦争の影響により流通が不安定となり、現在では一部のモデルにしか採用されなくなっています。Martin ギターは Made in USA です。
 
AS200 も日本のある工房が作ったギターを Ibanez ブランドとして販売していたものであり、非常に弾きやすい。そしてボディの作りも丁寧で、ピックアップの性能もあり音が大変良い。ギターは、どれだけ弾き手の弾き方、ニュアンスを表現してくれるかが大切だと感じています。
 
 
アンプもヴィンテージアンプが好きで、左上は Marshall JTM60、中央は Fender Twin Reverb。
Marshall JTM は 1990年代半ば頃のアンプなので、ヴィンテージとは呼べませんが、 Twin Reberb は 1970年代もので、ノブの取り付け部分が銀色のパネルになっているのがその年代に製造されたものの特徴となっています。
Marshall JTM は学生時代になんとか貯めたバイト代で、たまたまヤフオクに安く出品されていた新古品を購入。オールチューブのアンプで、販売終了となっておりますが今でも人気があるモデルで、状態の悪いものでも自分が購入した時の値段の倍以上で取引されているようです。安価で買えたのはラッキーでした。値段でいえば、Twin Reverb よりはるかに安いものではありますが、音は何とも言えないマイルドな音で自分が音楽をする上ではなくてはならないアンプとなっております。
Twin Reberb の上の Marshall G15R CD は高校生の時に初めて買ったトランジスタ・アンプ。これが今でも残っているのは、ヘッドフォンジャックがあるので、家で練習するには重宝したから。
 
ピアノは、DIAPASON という古いものを使っておりますが、母親が子供のころから使用しているもので、50年以上前のモデルです。それだけの年数鳴り続けたピアノ、ということが音により深みを与えているように感じるのは、僕だけかもしれませんが…。
楽器に関してはピアノに限らず、音に、本来の楽器がもつ音色に加え時間の重みという価値がプラスされていると感じます。
その楽器がどのようなものなのか、ある程度知っていることが前提ではありますが。
ミュージシャンなら、誰しもこの感覚を持っていると思うのですが…。
 
楽器に関しては、古いものの価値が、より当時の価値よりも上がる、ということはよくあることで、大切に状態よく使っていたものは当時の価格より高値で売りに出されるものも少なくありません。
 
 
 
さて、前置きが長くなりました。
本当は昔乗っていた少し古い単車についても書こうと思っていましたが、長くなってしまったため、こちらはまたの機会に。
 
 
先日、異音・ごり感が大変強くなってしまった、古いリール ( スコーピオンオシアジガー2000 ) を修理しました。
このリール、ある釣具屋の中古コーナーで1万3千円くらいで出ていたものを買ったものです。
外装もきれいだし、購入したばかりは回転もそこそこなめらかでお買い得だと思ったのですが、ここまですぐにゴリゴリになるとは思っていなかった。
 
 
中をあけて納得、固まったオイル、錆がすごい!
これではそうなるのも当然だと納得しました。
そこでリールをほぼ全分解し、パーツクリーナーできれいにし、組みなおすことに。
リールの分解は、以前乗っていた単車のエンジンを分解していた時などよりもはるかに神経を使わず、構造も単純なので大変ではありません。
 
単車はうまく組めていないとエンジンが故障し、大事故につながる恐れがあり、かなりヒヤヒヤしましたが、リールは最悪釣りの途中で故障しても、メモリアルフィッシュが捕れなくなることはあっても命にかかわることはない。
(それはそれで重大な問題ではありますが)
 
 
 
ゴミ多数
 
青錆あり
 
スプールベアリングを自分で手を加えた専用工具で取り外し。
 
このベアリングが完全にだめになっていた。
だいたいダメになるのはここが最初ですね。
しかし、専用工具がないと取り外せないため、少し交換は面倒かもしれません。パーツリストをみてもベアリング単独での記載はなく、ベアリングを含めたスプール組での販売となってしまっているのはそのためだと思われます。
なぜそうなっているのか?おそらくリールの強度を確保するためと思われますが…少々不便だと感じるポイントです。
 
 
 
 
メインギアの裏面にも錆多数
 
 
時間をみつけて、O/H 開始。
だいたいこんなものがあれば準備はオッケー。今回は汚れ、錆がひどいため真鍮ブラシが必要でした。
パーツクリーナー、オーシャンマークのグリス、シマノのオイルなども。
 
 
ギアの頑固な錆は真鍮ブラシできれいに。
 
パーツクリーナーで汚れをおとし、洗剤で洗浄。
 
グリスアップしながら組み直し、完成。
ベアリングはとりあえず一番重症だったスプールベアリングのみ交換。スプールベアリングには現行の小船のものが同じ径のため代替品として使用可能です。
異音なく、なめらかに回転し続けるようになったスプール。
本当は左側のキャップ内部のベアリングを交換すればなお良いのですが、こちらは現在発注をかけているところです。感覚的にはまだ交換しなくてよさそうですが。
 
 
新しいリールが上市されるなか、古いリールばかりを使うようになっていく。
これはただ金銭的な問題があるためだけでなく、古いものが好きだから、ということもあります。それに良いものはいつになっても良い仕事をしてくれるようです。
パーツによってはまったく手に入らないものもあるようなので、そのうち完全に使えなくなる可能性もありますが、それまで一生懸命にやってもらいます。
 
 
ジガーから、「ありがとう、僕まだまだ頑張るよ」という声が聞こえてきたので、「キンメやクロムツ、メヌケつれてきてくれよ」と言っておきました。
 
 
古いものとの間には、こういったコミュニケーションが生まれるのも、イイのです。