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見事に着地した三部作…だが

パイレーツ・オブ・カリビアン

ワールド・エンド


東インド会社が海を制圧し、ベケット(トム・ホランダー)は海賊または海賊を助けた者にも重刑を課していた。そんな時、海賊評議会を招集する歌が唄われた。評議会は9人の海賊長の出席が必要。デイヴィジョーンズ(ビル・ナイ)の放ったクラーケンに飲み込まれて死んだ9人目の海賊長ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)を甦らせるため、バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)、エリザベス(キーラ・ナイトレイ)、ウィル(オーランド・ブルーム)らはある計画を立てる。



前作ラストで急展開。「どうする?」なシリーズ3作目を再見。ジャック復活の理由。ダルマ(ナオミ・ハリス)とデイヴィジョーンズの秘密。フライングダッチマン号の宿命。そしてラストの艦隊大海戦。このストーリー、実によくできている。


が、まどろっこしい。サオフェン(チョウ・ユンファ)のくだり、ワールドエンドのくだり…とシチュエーションごとの時間が長い。主人公ジャック登場まで約30分。もっとテンポが良ければ3時間近い長丁場にならなくて済んだかな。



長い分(笑)、スクリーンならではのダイナミックシーンの連続。音楽の映像リンクはもはや名人芸。過去作ネタ引用はファンサ。あの「犬」が意味深で、義眼のラゲッティ(マッケンジー・クルック)がいつもバルボッサと一緒にいた理由も判明。


デイヴィジョーンズは哀愁を漂わせ、ダルマは驚きの変身を見せたらあっさり撤退(笑)。ジャックのパパ(キース・リチャーズ)がギターをつまびき、ノリントン(ジャック・ダヴェンポート)が男気を見せる。個性豊かなキャラたちは本作の宝。



ナイトレイのオトコマエが回を追うごとに増量。惚れてまうやん。ブルームは本作で一気に逞しくメガ進化。このストーリーならそうなるな。前作ラストで復帰したラッシュは回を追うごとに極悪な海賊からキュートなおじさんに変貌。


座長がジョニデ。個性派俳優たちがクセツヨキャラを演じてるから、プレッシャーもなく楽だったのではないかと。ケヴィン・マクナリーリー・アレンバーグ、クルック、ジョナサン・プライス等々1作目からの継続組が多かったのも安心感。



終盤、ブラックパール号の絶体絶命のピンチ。あの船が姿を現した時は(予想できたけど)歓喜。で最後は「ええ話」…とエンタメレベルは高め。若干詰め込みすぎではあるのと長いのを除けば楽し過ぎる三部作、って感想。何度見ても良い。


ところが想定外の事態。シリーズの続編に「生命の泉」「最後の海賊」があり、それぞれ普通に面白いのだが…1作目「呪われた海賊たち」の助走から本作で見事な着地。続編たちがこれを越えてこない。誰が悪いわけでもないので痛し痒し。



 DATA

監督:ゴア・ヴァービンスキー/脚本:テッド・エリオット/テリー・ロッシオ/音楽:ハンス・ジマー/製作:ジェリー・ブラッカイマー

出演:ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ/ジェフリー・ラッシュ/ナオミ・ハリス/チョウ・ユンファ/トム・ホランダー/ジャック・ダヴェンポート/ケヴィン・マクナリー/リー・アレンバーグ/マッケンジー・クルック/ジョナサン・プライス/ステラン・スカルスガルド/ビル・ナイ/キース・リチャーズ



hiroでした。



生命の泉←次作


デッドマンズ・チェスト←前作


呪われた海賊たち←1作呪われた海賊たち←1作目