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リアルタイム世代に刺さりまくる!
(C)2021映画「ヒノマルソウル」製作委員会
ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜
リレハンメルオリンピックのスキージャンプ団体戦で、原田(濱津隆之)のミスジャンプにより惜しくも金メダルを逃した日本チーム。メンバーの一人西方(田中圭)は次回長野開催での金に執念を燃やすが、ケガで出遅れて代表入りを逃す。年齢的に最後のオリンピックと考えていた西方が途方に暮れていると、代表コーチの神崎(古田新太)から長野のテストジャンパーの打診がくる。
(C)2021映画「ヒノマルソウル」製作委員会
長野はリアルタイムで、スキージャンプももちろん見てた。これ、有名なエピソードなので知ってたし「再現ドラマ」みたいなのかなと、スクリーンはスルー。ネトフリにあったので初見。知ってるし、どこで泣けるかもわかってるが…泣けた(笑)
脚本は素直。基本、時系列で話を追うだけなので単調ではある。西方が主人公なのに「原田ってなんていい人!」って印象が強すぎるか。原田役の濱津、葛西役の落合モトキ…ご本人と似ているキャスティングはこだわりなんだろうね。
(C)2021映画「ヒノマルソウル」製作委員会
アルベールビルを起点にしたのは西方と原田の関係がわかりやすくて正解。原田が叩かれても憎まれても「いい人」なのに対し西方は「闇」を隠すことなく披露。闇を持つアスリートってリアリテイあり。が、闇のない原田も違和感がないのよね。
テストジャンパーチームの面々はどこまで実話なんでしょう。聾唖のジャンパー高橋(山田裕貴)、女子ジャンパー小林(小坂菜緒)は実在する選手をモデルにしているらしい。今なら「多様性」と感心しそうだが、長野の1998年当時だと凄くない?
(C)2021映画「ヒノマルソウル」製作委員会
濱津の原田、落合の葛西ともにクリソツ。一方主人公西方の田中は感じが違うかな。「ジャンパーとしては高身長」のイメージはしっくりこない。が、本作、ものまねグランプリではないので無問題。コーチ役古田はコメディゼロの仕事。
田中と共演の多い土屋太鳳は夫婦役。同年公開の共演作「哀愁シンデレラ」のスリラー風味とは真逆。眞栄田郷敦、山田、小坂らはテストジャンパー。耳の聞こえないジャンパーを演じる山田は名演技。他のジャンパー俳優を完全にくっていた。
(C)2021映画「ヒノマルソウル」製作委員会
凝った演出ではない。どころか、西方より原田のほうにスポットを当てたような演出には物足りなさを感じる。それでも最後はやられる、涙腺が。リアルタイムで「ふなき〜」を見ていた人たちには、どうしたって刺さるのよね。
熱い思い。オリンピックに関わるすべてのことは選手だけのものではない。…っていう使い古された感のあるメッセージ。今の若い方はどうなんだろ。メダルのために危険なジャンプに挑む姿。「時代じゃないかもなー」とは正直思ってしまう。
DATA
監督:飯塚健/脚本:杉原憲明/鈴木謙一
出演:田中圭/土屋太鳳/眞栄田郷敦/山田裕貴/小坂菜緒/落合モトキ/菅原大吉/濱津隆之/古田新太
hiroでした。