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コメディを本気アクションで作ってみた

(C)2010 TWENTIETH CENTURY FOX

ナイト&デイ


妹の結婚式に向かうジューン(キャメロン・ディアス)は空港で爽やかな青年ロイ(トム・クルーズ)と立て続けに出くわす。ロイに惹かれたジューンだったが予約ミスでロイと同じ便から閉め出される。一人搭乗したロイは注意深く機内を観察していると乗れなかったはずのジューンが搭乗してきた。機は何事もなく離陸するが、ジューンがトイレに立ったその時、同乗客が次々とロイに襲いかかる。


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再見。これ大好き。二大スター共演のスパイアクション大作かと思い観に行ったのが初見。ところが相当に軽い。ラブコメですか。こういう時はガッカリしがち。ところが、話が面白い。何より二人が一生懸命ふざけてる。こういうのありでしょ。


話はちゃんとサスペンス。新しいエネルギーを開発した科学オタク(ポール・ダノ)を巡る武器商人とCIAの騙し合い。巻き込まれた「普通すぎる」ヒロインと洒脱に危機を回避する精鋭エージェント。出会うはずのない二人が、予想どおり陥ちる、恋に。


(C)2010 TWENTIETH CENTURY FOX


目をハートにしたジューンがロイに助けられ…ではアリキタリな結果になる。第一ディアスを起用した意味がない。ジューンの設定が行動原理、ポテンシャル、ラストのオチまで生きている。ロイを起点にジューンが物語を動かすバランスが絶妙。


笑いを誘う軽妙なやり取り。世界を舞台にしたスピーディーなアクション。そして一般人とボンド並み(イーサン並みと言ったほうがいいか)のエージェントとの王道ロマンス。アクションコメディ分野の完成形に近いデキなのではないかと。


(C)2010 TWENTIETH CENTURY FOX


トムが心身ともに脂の乗り切った絶頂期。2010年の作品なのでM:I時系では「3」の後。スパイキャラも板につき、自分がどう見られているのか、何を期待されているのか、をすべてキャラに詰め込んだセルフパロディ的パフォーマンス。


一方のディアスは自分の土俵。ラブコメフェロモンはいつもより多め。本作の要であり、ディアス以外考えられない絶妙な配置。事件の中心となる科学者に珍しく嫌な役じゃない個性派ポール・ダノ。チョイ役でガル・ガドットがいて二度見。


(C)2010 TWENTIETH CENTURY FOX


二大スターの共演。アクション超大作にもできたところ、あえてラブコメで来た。喝采。お金かけてるはずなのに漂うチープ感はディアスのコメディ力。大作だと嘘っぽい。どうせ嘘ならあり得ない楽しい嘘が良い。そんなコメディエンヌの矜持。


アンジー&ジョニデの「ツーリスト」と設定が似てるけど、本作と同年公開なので関連はない。監督は「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」のジェームズ・マンゴールド。本作、アクションコメディの傑作のひとつだと、個人的に高評価。



 DATA

監督:ジェームズ・マンゴールド/脚本:パトリック・オニール

出演:トム・クルーズ/キャメロン・ディアス/ポール・ダノ/ジョルディ・モリャ/ピーター・サースガード/マーク・ブルカス/ガル・ガドット/ヴィオラ・デイヴィス



hiroでした。



インディ・ジョーンズと運命のダイヤル←監督最新作


ミッションインポッシブル←新作公開中のシリーズ


ツーリスト←男女入れ替えると似た設定