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真剣であればあるほど滑稽に

(C)筒井哲也/集英社 (C)2022映画「ノイズ」製作委員会

ノイズ


愛知県の過疎の島猪狩島は圭太(藤原竜也)の営む黒無花果によって経済再生を図ろうとしていた。そんな折、無花果園で不審な男(渡辺大知)を見かけた圭太。帰宅後、一人娘がいないことに気付き、庭に男が持っていたペットポトルが落ちていたことから誘拐を疑う。男をビニールハウスで見つけた圭太は揉み合いの末殺してしまう。一緒にいた幼馴染の純(松山ケンイチ)、島出身の新任警官真一郎(神木隆之介)と事件の隠蔽を計画する。


(C)筒井哲也/集英社 (C)2022映画「ノイズ」製作委員会


コミック原作のミステリーを初見。最初に正直に話しときゃよかったのに、次第にでかい事件になっちゃうパターン。過疎社会でかけられる期待は重責にほかならない。一人の若者に押し付けられた責任は中央社会の刑事には理解できない。


不穏なスタートを切る本作。執拗な県警刑事(永瀬正敏)。共犯者がジリジリと増えていく流れ。真剣に策を弄すれば弄するほどコメディに見てくるのがうまい。廣木隆一監督作品は苦手なのが多いのだが「ちょっと違うな」と期待させてくれる。


(C)筒井哲也/集英社 (C)2022映画「ノイズ」製作委員会


島民VS県警刑事。猪の伏線から、そうなっていくのだろうと。ところが、4人目の死から状況は一変。ジワジワ詰め寄る県警刑事。さあ、どうオチをつけるのか、と思ったら…そこ? ふむ。最後のどんでん返しのパターンだったか。


いい感じだったのに、余計だったかな。もっとストーリーでぎゃふんと言わせてほしかった(←無責任に言うだけ)。原作はコミックなんだよね。若い人が好きそうなオチなのかとは思うけど、なんのメッセージも伝わってこなかった。


(C)筒井哲也/集英社 (C)2022映画「ノイズ」製作委員会


竜也くんとマツケンである。夜神月とエルである。このキャスティングは大成功。スクリーンは逃したても「いつか見る」価値は十分以上にある。朝ドラ好調の神木きゅんがナンバースリーの立ち位置。ワクワクしないわけがないメンツ。


若手ながら超がつく演技派の黒木華。こんな子がいれば、そりゃ島のヒロインになるわな。待て、鶴田真由が神木きゅんのお母さんだと。なんだこの島、めちゃめちゃ粒揃い。掻き回す渡辺大知余貴美子は適材適所のキャスティング。


(C)筒井哲也/集英社 (C)2022映画「ノイズ」製作委員会


ミステリーに始まってサスペンスコメディへと変わり、ラスト10分で…。そっち方面がお好きな方には「おお!」なのでしょう。どっちに転ぶかは見てのお楽しみ。ラストカット、「どっちだよ?」と考えさせる演出は必要なのかしら?


過疎が抱える社会問題に切り込む作品…なのかと思ったら、コミックらしいキャラ力重視の作品。ただ、期待に応える俳優陣はみなさんグッジョブ。キャストに推しがいる方、「デスノート」が好きだった方は堪能できるはず。



 DATA

監督:廣木隆一/脚本:片岡翔/原作:筒井哲也

出演:藤原竜也/松山ケンイチ/神木隆之介/黒木華/渡辺大知/酒匂芳/迫田孝也/鶴田真由/浪岡一善/寺島進/伊藤歩/余貴美子/柄本明/永瀬正敏



hiroでした。



デスノート←の二人


ママレード・ボーイ←も廣木隆一作品


TOO YOUNG TO DIE←神木きゅんの振り幅!