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「普通」の高校生のアイデンティティ

ミズ・マーベル


アメリカ、ジャージーシティのごく普通の高校生カマラ(イマン・ヴェラーニ)。コミュニティを大切にするイスラム教の教えに従順な両親(ゼノビア・シュロフ/モハン・カブール)は兄(サーガル・シェイク)の結婚式の準備に忙しい。何かと用を押し付けられるカマラだったが、密かに親友のブルーノ(マット・リンツ)とアベンジャーズのファンイベントに参加しようと計画を練っていた。イベントが近づいたある日、コスプレ衣装に悩んでいたカマラはパキスタンの祖母が送ってくれた荷物の中から古いバングルを見つける。



キャプテン・マーベルに憧れる少女がスーパーパワーを持ってしまったら…というお話。全6話の配信ドラマなんだけど、今年公開予定の「ザ・マーベルズ」に直結するエピソード。もしかして観てないとわからないのでは? 観れてラッキー。


イスラム社会の中で青春期を生きるカマラ。当たり前のように厳しい戒律がある一方でスクールライフは現代的で自由。異文化が混ざり合う現代ならではのバランス感。分離独立という悲劇的な政治背景も絡めて世界観を構築。


「青春」映画でもあるため序盤は説明的。なかなか「ヒーロー」映画にならず冗長に感じるかも。バングルのスーパーパワーを狙う一団が明らかになる第3話あたりからは急展開。主人公のルーツ、パキスタンまで飛んで話は一気にワールドクラス。


もう一人のスーパーパワーの能力者も登場。「エンドゲーム」後の世界はますます混沌。この世界、誰かまとめてくれ〜、と思っていたら衝撃のラスト。そうか、あの人がまとめるのか。と希望が見えたところで「ザ・マーベルズ」に続く。


本作で大抜擢のヴェラーニはパキスタン生まれのカナダ育ち。もちろん初見。前述「ザ・マーベルズ」にもカマラとして出演することが発表されている。本作からはシュロフ、カブール、シェイクのカーン一家もそろって続投。その他キャストは不明。


最終話のタイトルが「NO NORMAL」。「普通なんてないんだよ」ーカマラのセリフが本作のテーマだろうか。正義とは何か、力とは何か。大きなものを追求してきたMCU。次は人のアイデンティティに踏み込もうとしてるのかな。


ちなみに「ザ・マーベルズ」にはドラマ「ワンダビジョン」のモニカ=テヨナ・パリスも出演。コミックではキャプテン・マーベルを名乗ったこともあるモニカ。同じくコミックで同じ名を名乗ったカマラも交え、どんな展開になるのか、楽しみだ。



 DATA

監督:ミーラ・メーナン/アディル・エル・アルビ/シャーミーン・オベイド=チノイ/ビラル・ファラー/脚本・原案:ビシャ・K・アリ/製作総指揮:ケヴィン・ファイギ

出演:イマン・ヴェラーニ/リッシュ・シャー/マット・リンツ/ヤスミーン・フレッチャー/アラミス・ナイト/ニムラ・ブッチャ/ローレル・リーチマン/アリシア・ライナー/アリアン・モーエイド/サーガル・シェイク/メーウィッシュ・ハヤト/モハン・カブール/ゼノビア・シュロフ/ブリー・ラーソン



hiroでした。



キャプテン・マーベル←原点。必見。


エンドゲーム←マーベル伝説の始動


ワンダビジョン←今後の展開において重要