WOWOW鑑賞

 
ディズニー屈指の芸術点
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ポカホンタス
 
監督:マイク・ガブリエル/エリック・ゴールドバーグ/脚本:カール・ビンダー/スザンナ・グラント/フィリップ・ラズブニク/音楽:アラン・メンケン/スティーブン・シュワルツ
出演:アイリーン・ベダート/メル・ギブソン/デヴィッド・オグデン・スティアーズ/リンダ・ハント/ラッセル・ミーンズ/クリスチャン・ベール/歌唱:ジュディ・クーン/ジム・カミングス/吹替:土居裕子/古澤徹/有川博/京田尚子/津嘉山正種/松澤重雄
 
17世紀初頭、アメリカでの金の採掘事業に栄達をかけるラトクリフ総督(デヴィッド・オグデン・スティアーズ)の船に乗った冒険家ジョン・スミス(メル・ギブソン)は、まだ見ぬ新大陸で待っている冒険に胸を膨らませていた。一方、アメリカの沿岸で集落を営むポウハタン族の酋長(ラッセル・ミーンズ)の娘ポカホンタス(アイリーン・ベダート)は父の勧める結婚に、自分の進む道ではないと違和を感じていた。そんな折り、入り江に外国の船が接岸し、肌の白い人々が上陸してきた。
 
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人気は今ひとつだが、映像と音楽がハイクオリティ。ミュージカル度も高く、芸術性はディズニー屈指。
 
ご存知の方も多いと思うがポカホンタスは実在の人物。アメリカでは博物館にもいる超セレブ。「ナイトミュージアム」にも出演してた。伝えられている話がまた美談。右も左も分からない冒険家たちに平和的に協力する酋長の娘という…都合良すぎて眉唾物。
 
冒険家=一攫千金を狙う野心家たち。ジョンのようなナイスガイがどれほどいたか。テキスト文化のないネイティヴ側には何の記録もない。伝えられる話は、英国側の「創作」だというのが今の常識のようだ。
 
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本作は今風にアレンジ。野心家は野心家らしく越後屋風なメタボな悪党。英国側とネイティヴとの対峙もリアルな解釈。そこで芽生える二人の愛。これはこれでアレなんだが、征服者を美化した創作よりかは相当マシ。
 
そして、歌と音楽。ミスター・ディズニー・ミュージック=アラン・メンケン。何度目かの再見だが、聴き馴染んでないので新鮮。聴くたびに「メンケン、すげ!」となる。
 
字幕版はセリフと歌と別の方。hiroは吹替版が主なのでセリフも歌も土居裕子さん。歌のお姉さん出身。今は歌手で声優、ミュージカルもこなす声の魔女。主題歌「カラー・オブ・ザ・ウインド」に痺れる。メタボ越後屋の歌もうまいので困る。
 
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映像も注目。前年公開の「ライオンキング」で本格的なCG導入を果たし、以降躍動感やリアリティを追求していくことになるディズニー。しかし本作、あえてクラシカルなスタイル。何者かが潜んでいそうな森の神秘。手描きの繊細さが「白雪姫」や「バンビ」のような空気を醸す。
 
「カラー・オブ・ザ・ウインド」のシーンは絵画のようなタッチで「風」を表現。自然と共に生きるポカホンタスが精霊のよう。人間とはそういうものだ、というメッセージ。歌と映像の相乗効果が名場面を生んだ。
 
 
 
hiroでした。