30本目(5月21日鑑賞)

 
理想論?…でもリアル
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殿、利息でござる!
 
監督・脚本:中村義洋/脚本:鈴木謙一/原作:磯田道史/音楽:安川午朗
出演:阿部サダヲ/瑛太/妻夫木聡/竹内結子/寺脇康文/きたろう/堀部圭亮/橋本一郎/中本賢/岩田華怜/重岡大毅/山本舞香/上田耕一/芦川誠/羽生結弦/松田龍平/草笛光子/山﨑努/濱田岳
 
吉岡宿は、直轄領ではないという理由で伊達藩から補助が出ず、宿場運営の支出により町は困窮に陥っていた。ある日、京の旅から戻った茶葉農家の篤平次(瑛太)は、造り酒屋の十三郎(阿部サダヲ)との会話から、藩に千両を貸し、その利息を宿場の運営に当てる策を思いつく。千両の大金を用意するのは無理と思った篤平次だったが、十三郎は一族の十兵衛(きたろう)に話を持ちかけて話を進め、篤平次を連れて肝入り(町の代表者)である幾右衞門(寺脇康文)の元に向かう。

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本作、阿部+瑛太+竹内=「泣くもんか」を連想して鑑賞意欲がなかなかわかなかった。が、中村監督と知って見方が一転。
阿部サダヲ=「奇跡のリンゴ
瑛太=「アヒルと鴨のコインロッカー」
竹内結子=「ゴールデンスランバー」等
ほか中村作品の常連、上田耕一芦川誠等多数。あの人がいない、と思ってたらナレーションやってました、濱田岳!(笑)

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実話です。町のために私財を投げ打つという美談。「○○さんは自分だけよければいいんだよ」…このセリフ、胸に刺さりませんか? 今の時代にも相通ずるお話です。原作は「武士の家計簿」の磯田道史です。
 
この美談、クソ真…大真面目に作っちゃうと押し付けがましくなる。逆に笑い飛ばすと伝わらない。その匙加減が絶妙。さすがです中村監督。

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阿部サダヲと聞くと「笑い」を求められる節がある。彼の笑いはイマイチ苦手。「奇跡のリンゴ」は真面目すぎで、本作レベルがちょうどいい。瑛太は本気ですごいと思う。ふだん無口(推測)だが映画に出ると七変化。結子さんは中村作品多数。出ていると安心。
 
妻夫木聡は一歩引いてのこの存在感。寺脇康文×西村雅彦が「超高速!参覲交代」のコンビで、二人ともうますぎる。松田龍平×千葉雄大の「モヒカン故郷へ帰る」兄弟が白州の上と下で対決。千葉くんただのベイビーフェイスじゃない。殿さま羽生結弦のスクリーンデビューも話題。ちゃんと仕事してました。そして岳ちゃんの声を聞いていると落ち着く。

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千両もの大金を集めてお上に貸す。その利息でもって宿場町を運営する。出資者の見返りはゼロ。すべては宿場のため、町のため。単なる理想論、ですか?
 
管理職になり、自分のことばっか考えてもいられなくなりました。わかるんですよね、町を救おうとした人々のことが。美談なんかじゃなく、意外と身近にある話。私利私慾じゃなく、頑張っている人がいるんですよ。
 
 
 
hiroでした。
 
 
 
脚本7 映像7 音響7 配役8 音楽7
36/50