12本目(2月10日鑑賞)

 

 

乾坤一擲!

 

dd1
ドラフト・デイ
 
監督:アイヴァン・ライトマン/フットボール・コーディネイター:マイケル・フィッシャー
出演:ケヴィン・コスナー/ジェニファー・ガーナー/デニス・リアリー/フランク・ランジェラ/チャドウィック・ボーズマン/アリアン・フォスター/ジョシュ・ペンス/トム・ウェリング/ショーン・コムズ/テリー・クルーズ/ティモシー・シモンズ/ロザンナ・アークエット/エレン・バースティン/サム・エリオット
 
アメリカンフットボールのプロリーグNFLがシーズンオフに行うドラフト会議は、テレビ中継もされる全米注目のイベント。当日の朝、7番目に指名権を持つクリーブランド・ブラウンズのGMサニー(ケヴィン・コスナー)の胸中には、1巡目の指名選手の名前があった。
ところが、指名順位1位のシアトル・シーホークスが指名順位の交換を持ちかけてくる。交換条件は向こう3年のブラウンズの1巡目指名を譲ること。この申し出を受けると今ドラフトの目玉選手キャラハンの獲得が可能になる一方、3年間まともな補強ができなくなる。華のあるスター選手を獲得するか、来年以降の補強を確保するか…ドラフト当日に補強戦略の見直しを迫られる。

dd2
 
予告観て、ビビッときた。
その予告すら一度観たきり。
本作、宣伝、えらく控え目。
観て正解。
とても幸せな気持ちになった。
 
アメフト無知、OK。hiroだって、何人でやるのかもわからない。タッチダウンで何点入るのかも知らない。それでも全然楽しめた。本作、スポーツ映画ではない。いろいろな人の思惑が交差する人間ドラマ。たった半日で、何人もの人生が揺れ動く。

dd3
 
ドラフトについてはちょっと知識が必要。

①全32チームの成績下位のチームから指名。
②重複指名の抽選はなし。先に指名したもん勝ちの完全ウェーバー。
③指名順になったら10分以内に指名選手を連絡。
…ここまでは簡単。NFLのドラフトを盛り上げるのは次の④
④指名順位の交換ができる。
 
あらすじに書いた交換がこれ。交換条件も含めチーム同士の合意があれば成立。来年以降の指名権まで条件に付すことができる。つまり、焦って上位指名を狙う必要がなければ、来年の上位指名を狙って、今年の指名を質入れすることができる、って寸法。ドラフトが始まってからも交渉可。指名までに成立すればいいので、水際の駆け引きが展開される。

上映に前に、ちゃんと説明がある。優しい配慮。

dd4
 
例えばリバースをやっていたとする。白だったとする。盤面上はほとんど黒で明らかに形勢不利。迷った挙句に白を打つ。数個の黒がひっくり返って白いラインができる。そのラインが呼び水になり、奇跡の大逆転! そんな奇跡の物語。

コスナー完全復活。いや、前よりもいい。歳とって男の色気が増した感。ジェニファー・ガーナーは「できる女」キャラがよい。「ダラス・バイヤーズクラブ 」で波をつかんだか。監督役のデニス・リアリーは「アメイジング・スパイダーマン 」のヒロインのパパ刑事。「42 世界を変えた男 」のチャドウィック・ボーズマンはまたしてもアスリート役。サム・エリオットもちょっとだけ出てるではないか。

dd5

実話のようで実話でない。実名チームや一部実名選手が登場する、NFL全面協力のオリジナル脚本。よくできている本だけど、スター選手の欠点が「そんなことがNG?」と思ったりも。

NFLという男くさい世界が舞台。スター選手が獲得できるという甘い罠。当のスター選手も気が気でない。苦境にありながらプロを夢見て売り込みをかける候補選手。新人にポジションを奪われそうなレギュラー。誰もが不安に襲われる。

本作を観て思う。確実なことなど何もない。決断を下すのは自分。その決断に責任をもてばいい。その決断は、自分でない誰かが幸せになることを、一人でも多くの人が幸せになることを考えればいい。それが「仕事」というものだと。
 
ハッピーな気持ちになれる本作。宣伝が地味な作品にアタリがあると得した気分になる。
 

hiroでした。
 
 
 

脚本8 映像8 音響7 配役7 他(音楽)8

38/50