19本目(4月25日鑑賞)
時代のリーダーと彼を取り巻く人間ドラマ
リンカーン
監督・製作:スティーブン・スピルバーグ
製作:キャスリーン・ケネディ
製作総指揮:ダニエル・ルピ/ジェフ・スコール/ジョナサン・キング
撮影監督:ヤヌス・カミンスキー
プロダクション・デザイナー/リック・カーター
編集:マイケル・カーン
衣装デザイナー:ジョアンナ・ジョンストン
脚本:トニー・クシュナー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ダニエル・デイ=ルイス/トミー・リー・ジョーンズ/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/サリー・フィールド/デヴィッド・ストラーザン/ジェームズ・スぺイダー/ハル・ホルブルック
自らの奴隷解放政策をきっかけに国を二分する南北戦争を起こしてしまった合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)は、「すべての人間は自由である」という信念の元、法律改正を推し進める。一方、対立政党である民主党は、この内乱を終結させるために法律改正をあきらめるべきだと主張する。
戦争が長引き、共和党内の意見も割れ始め、苦境に立たされたリンカーンは、国務長官スワード(デヴィッド・ストラーザン)と共に、党内奴隷解放急進派スティーブンス(トミー・リー・ジョーンズ)、党内保守慎重派ブレア(ハル・ホルブルック)らの説得、民主党員の切り崩しに奔走する。
そんななか、二人の子をこの戦争で失った妻メアリー(サリー・フィールド)は、北軍入隊を望む長男ロバート(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)に反対する。家庭においてもまた、リンカーンは戦争と対峙し続けた。
アカデミー主演男優賞のダニエル・デイ
「外国人にはわからないかも」と考慮したのだろうか。本編上映前に監督自らの南北戦争に至るまでの経緯の解説が冒頭に入る。が、「風と共に去りぬ」を観たことがある方ならば、まあ自然に入っていけると思います。しかも最近、「ジャンゴ 繋がれざる者 」や「クラウド・アトラス 」のエピソードのひとつにも、その時代の空気感が描かれてますよね。
映画はリンカーンの大統領再選から南北戦争の終結までを描いています。流れはわかりますが、人物群像がわかりづらいかな。ジョーンズ演じるスティーブンは奴隷解放急進派。それなのに、リンカーンに懐疑的なのがピンときませんでした。アメリカ国民なら、みんな授業で習ってることなのかな?
ヅラが見え見えのジョーンズですが、
実に効果的に使ってました。
さて、タイトルも「リンカーン」。で、主演のダニエル・デイがオスカー受賞。なんですが、hiroの印象としては、リンカーンの話と言うよりも、奴隷解放を法律化した「合衆国憲法修正第13条」の成立を描いた群像劇に見えました。リンカーンは指示してるだけで、動き回るのはその周囲の人々。リンカーンはというと、やっと終盤に重い腰を上げます。そのなかで一番光っていたのがトミー・リー・ジョーンズ。彼が法改正パートの主演だったのではとさえ思ってしまいます。
「法改正パート」と表現しました。この作品は、法改正に絡むストーリーと同時進行で、リンカーンの家族が描かれてます。仮に「ホームドラマ・パート」としておきましょう。こちらの主役は妻を演じたサリー・フィールド。「あなたが大統領だかなんだか知ったこっちゃないわ。あたしは戦争に子供を取られていくことが嫌な一人の母親なの」という主張が前面に出されてました。
余談ですが、サリー・フィールド。最近は「アメイジング スパイダーマン 」でも叔母さん役で出演されてますね。実はずーっと昔、「トランザム7000」などで知られるバート・レイノルズと恋人だったころ、大好きだったんですよ。すっかりお母さんやくが板についちゃって。いや、そんだけなんですけどね(笑)
ホームドラマ・パート
そんなベテラン二人の活躍に目がいく中で、忘れちゃならないのがジョセフ! リンカーンの長男坊をやってます。「GIジョー」「インセプション」で注目を集めてブレイク。「ダークナイト ライジング 」ではキーパーソンとして登場。「ルーパー 」はブルースと二人ダブル主演ですよ。若手(といっても30歳過ぎてますが)注目度ナンバー・ワン。さすがに覚えられなかった名前もやっと覚えたよ。
スピルバーグ作品に出たことで箔がついた!
アカデミー作品賞にノミネートされたばかりのころ、本命でしたよね、これ。力作であり、大作であることは間違いじゃないと思います。が、メリハリがなく単調。睡魔との闘いになるかも。やっぱり「アルゴ
」で正解だと再確認。
それでも、さすがはスピルバーグ。カメラワークは抜群の安定感。それとスピルバーグの永年の盟友ジョン・ウイリアムスの音楽は最高にうまかった。
本作で描かれていないリンカーンの前半生は「リンカーン 秘密の書 」で補足しよう。「リンカーンはヴァンパイア・ハンターだった」って部分を除けば、なんとなくつながったりする。(笑)
hiroでした。
GWは映画で大忙し!