2021・韓国 ★★★☆☆(3.9)
監督:イ・スンウォン
出演:ムン・ソリ キム・ソニョン チャン・ユンジュ チョ・ハンチョル
韓国・ソウルで生活している3姉妹の絆を描く人間ドラマ。
性格も職業も生活スタイルも違う3姉妹が久しぶりに再会し、封印していた
過去の傷と向き合う。
イ・スンウォンが監督と脚本を手掛けるほか、ムン・ソリが出演と共同プロデューサーを担当。
キム・ソニョン、チャン・ユンジュ、チョ・ハンチョルらが出演する。
(シネマトゥデイより抜粋)
急に気温が下がりだした。風邪をひかないように気を付けないと…。
見放題になって飛びつく。Amazonプライム。
<左から ヒスク ミヨン ミオク>
韓国・ソウルに暮らす三姉妹。
長女ヒスクは別れた夫の借金を返しながら、しがない花屋を営んでいる。
一人娘のボミは冴えないパンクバンドに入れあげ、反抗期真っ盛り。
元夫からお金をせびられ、娘に疎まれても「大丈夫なフリ」をして日々をやり過ごす。
次女ミヨンは熱心に教会に通い、聖歌隊の指揮者も務める模範的な信徒。
大学教授である夫と一男一女に恵まれ、高級マンションに引っ越したばかり。
しかし、夫の裏切りが発覚し「完璧なフリ」をした日常がほころびを見せ始める。
三女ミオクはスランプ中の劇作家。食品卸業の夫と、夫の連れ子で中学生の息子と
3人で暮らしているが、自暴自棄になって昼夜問わず酒浸りの毎日。
「酔っていないフリ」をして息子の保護者面談に乗り込んでしまう。
3人揃うことは殆どない姉妹だが、父親の誕生日会の為に久しぶりに帰省し
一堂に会することに。
牧師様も同席し、祈りが捧げられる時、思いもよらぬ出来事が。
そして、3人はそれまで蓋をしていた幼少期の心の傷と向き合うことになるのだが…。
実は、三姉妹には違いないが、もう1人一番年下に長男がいる。
そして、長女と長男が腹違いの兄弟で、次女と三女が正妻の子供。
それを踏まえての話になるのだが。
3姉妹共に余裕のない毎日を「見ぬふり」をして過ごしている。
ヒスクは元夫の借金返済に反抗的な娘との生活、何より癌を患っている事が判明。
自分が我慢すればと何かあるとまず謝罪が口を突いて出る。
ミヨンは絵に描いた幸せそうな家族を守り抜くために自分を常に罰し、神に祈る。
外から見れば何のほつれもない完璧な家庭であり、完璧な母親である。
が、実の処、娘はお祈りで手を合わす事すら出来ないし、夫は聖歌隊の隊員と浮気中。
ミオクは結婚はしているが、家族の面倒など全く見ずに四六時中酒を飲んでは寂しさを
紛らわせるために電話を掛けて、くだらない思い出話をする。
久々に父親の誕生祝の為に皆で実家を訪れるが…。
<押さえつけられているのが弟。押さえているのはミオクの夫>
それらを見せながら、彼女達が幼い頃の思い出が挟み込まれる。
其処には笑顔などない…。
一昔前の韓国の家の在り方。
父親が家では偉く、何が有っても逆らえない。
その父親は酒が入ると、暴力をふるう。しかも、腹違いのヒスクと弟だけ。
ミヨンはそんな彼らを助けたくて、寝間着姿で裸足のまま店に飛び込み助けを求める。
が、大人達はこぞって父親の味方で、通報等はもっての外と…。
此処で、誰かが通報してくれていたら…とは思うが。
当時、飲んで暴れるのはしょうがないと見て見ぬふり…。
まぁ、少し疑問に思ったのは、長男は流石に大事にする筈なのに…。
其れが父親の誕生会で爆発する…。
母親は「父さんは生まれ変わった」と言うのだけれど。
今も尚残っているのであろう男尊女卑や家父長制に縛られた男性社会。
常に我慢や忍耐や犠牲ばかりを強いられてきた女性達。
ようやく、声をあげられる時代が訪れた…と思いたい。
本作中には何も解決していないけれども、三姉妹が再び寄り添う事が出来た事に拍手。
きっとこれから色々な事が変わる筈…。きっと…。
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