2014・独・仏・伊・露・ポーランド・トルコ ★★★★☆(4.1)
監督:ファティ・アキン
出演:タハール・ラヒム シモン・アブカリアン マクラム・J・フーリ モーリッツ・ブライブトロイ
第71回ベネチア国際映画祭ヤング審査員特別賞を受賞したドラマ。
第1次世界大戦下を舞台に、家族と離れ離れになり、声をなくしたアルメニア人男性が、
家族との再会を信じて旅を続ける姿を追う。
メガホンを取るのは、ファティ・アキン。
タハール・ラヒム、シモン・アブカリアン、マクラム・フーリらが共演。
キューバ、ヨルダン、マルタなど5か国でのロケで捉えられた壮大な映像も見もの。
(シネマトゥデイより抜粋)
い・いや、韓国産も見ております。 もしかしたら、また続くやもですが、今日は本作を。
U-NEXTで、観ました。 タダだからという訳ではなく、見まくりですわ。
1915年オスマン・トルコの街マルディン。
アルメニア人鍛冶職人のナザレットは、妻と双子の娘ルシネ、アルシネと幸せに暮らしていた。
そんなある日、憲兵がいきなり押しかけ、ナザレットは妻子と引き離され強制連行されてしまう。
灼熱の砂漠で、同じように連行された男たちとともに奴隷のように働かされるナザレット。
そしてある朝、ナザレット達は処刑を宣告され、次々とナイフによって首を掻き切られる…。
数時間後、ナザレットは意識を取り戻す…。
彼の処刑を命じられた男が首を浅く切ったために致命傷にはならず、声を失ったものの
奇跡的に一命を取りとめたのだった。
この時から、家族の消息を求めるナザレットの遥かなる旅路が始まるのだったが…。
今、何故にこの作品を?って思いましたか?
実はですね、お世話になっとる「ゆたちゃんさん」から「トリーヌ・ディルホム」氏について
コメントを頂きまして、調べたところ、「え?」私の好きな監督作品にも出とる!しかも見てない…、と。
で、慌てて見る事にした訳です。
好きな監督「ファティ・アキン」氏。 「ソウル・キッチン」で惚れて、出来うる限り作品は見ております。
本作は、100年前、オスマン帝国で100万人のアルメニア人が犠牲になったと言われている
歴史的事件をもとに、監督の自らのルーツの国を題材に扱った作品。
(監督は、トルコ系ドイツ人)
何の前触れも無しに15歳以上の男子は全て駆り出される。 戦地ではなく、道なき道に
道を作る作業を奴隷の如く延々させる。
そして、ある日その場にいたアルメニア人全員が喉を切られて処刑される。
タダ、ナザレットを処刑した男は、トルコ人ではなかった為に殺害を躊躇い、傷が浅くて助かった。
しかし、その傷が致命傷で、ナザレットに声が戻る事はなかった…。
その後、家族を探すナザレットは長い旅に出る。
トルコの砂漠→レバノン→キューバ→フロリダ→ミネアポリス→ノースダコタへと。
死んだと思った娘達が、生きていた事知ったナザレットは、少ない情報源から各地を転々とし
娘達の辿った道を追う。
↑孤児院の院長役が、「トリーヌ・ディルホム」氏でした。(なので出番はちょっとでした)
孤児院では、2人の写真を入手。 これが結構助かった。 何せ声が出ないので。
一等感動したのは↑石鹸屋のオヤヂ。 メサメサ良い人で瀕死の状態のナザレットを助けてくれた。
と、画像を見てお分かりだと思いますが、ナザレット役の「タハール・ラヒム」氏は
かなりの売れっ子でイケてる面です。
原題は「The Cut」なんですが、ズバリ喉を掻っ切る処刑方法なんですが、声を失うナザレットが
出会う「サイレントムービー」がチャップリンの「キッド」も印象的。
娘達を捜しながら旅をするナザレットにとって、涙無くしては見れない作品。
映画も終わっているのに、長い間その場に座ったまま立てないでいる彼の背中を見るのは
辛かったですわ。
大事なアイテムは、双子が父親にプレゼントする、名前の刺しゅう入りのスカーフ。
↑何時も傷跡のある首に巻いています。
ラストはどうなったかは、其れは見た人しか分からない…。
妻が口ずさむ歌も、所々に「アルメニア人」の象徴として出てきます。 この歌も良かったな。
何処に行っても虐げられる「アルメニア人」…。 でも、そんな権利は誰にもない筈なのに…。
1日も早く、世界の何処もが平和でありますように…。
そうそう、監督の最新作はまだ見ていない…。 ホラーなんだけれど。(予約リストには入ってる)
え?知りたいの? 何という作品か? えぇ~。
「屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ」 なんで、この作品を撮ったかは見てからお知らせしましょう。
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