2017・仏 ★★★★☆(4.2)
監督:グザヴィエ・ルグラン
出演:ドゥニ・メノーシェ レア・ドリュッケール トマ・ジオリア マチルド・オヌヴー
第74回ベネチア国際映画祭で最優秀監督賞にあたる銀獅子賞に輝いたヒューマンドラマ。
離婚した両親の板ばさみになる少年と家族の行く末を描く。
メガホンを取るのはグザヴィエ・ルグラン。
レア・ドリュッケール、ドゥニ・メノーシェらが出演する。(シネマトゥデイより抜粋)
今年、3月までに絶対に見たい作品3作。「ギルティ」「アクアマン」と本作。 今日見て来た。
後1本は、未体験の「マフィオサ」←流石の私も思わず帰ろうかなと思った。 書きません!
両親が離婚し、母と姉と3人で暮らすことになった少年ジュリアン。
しかし父アントワーヌにも共同親権が認められ、隔週で週末を父と過ごさなければならなくなる。
するとアントワーヌは、ジュリアンから母の連絡先を聞き出そうとする。
母がアントワーヌに会いたくないと知るジュリアンは、アントワーヌに母の居場所を
突き止められないよう必死で抵抗するのだったが…。
言っても、11歳の少年です。 幾ら男の子だからと言って、母親を守る程の力も頭脳もないのです。
夫から再三の暴力を振るわれていた妻は、其れを理由に離婚に踏み切るが、そうは言っても
2人の子供の父親である事には違いない。
長女は18歳で、養育権等は自分の意志でと言う事だが、11歳のジュリアンは、そうもいかない。
隔週の週末は、父親と過ごす事。 長期の休みも話し合いで…。と言う採決がおりてしまう。
ジュリアンが「あの男が怖い」と言う、陳述書も書いたのに、聞き入れては貰えなかった。
父親は、何が何でもジュリアンを迎えに来る。 それは、一切連絡が取れない元妻へ、連絡を
取ったり、送り迎えに元妻と逢えるため。
けれども、何時もの如く、口では勝てないとなると「手」が出てしまう。
それは妻だけではなく、娘にも。 偶然通りかかった場所で、娘が知らぬ男とキスをしていたと
娘を捕まえて、家に連れて帰り、腕をねじ上げ骨折させてしまう。
そんな暴力的な人間を慕う者は誰もいない。
夫が勝手に出入りできないように、元妻は両親と実家で暮らしている事になっている…。
ジュリアンを迎えに来るのは、妻の実家へ。
丁度手頃な物件があり、密かに引っ越し、幸せな日々を暮らし始めた矢先。
学校に通う為に、バス停でバスを待っている、ジュリアンと姉の姿を見たと、夫の知人が話す。
自分の知らぬ間に引っ越し、連絡先も引っ越し先さえ知らせない…。
嘘を付き、抵抗するジュリアンだったが、やっぱり子供…。 安易に見つけられてしまう。
しかし、夫は元妻に「俺は生まれ変わったんだ…」と、怒鳴りもせずに、涙をこぼし、優しくハグをする。
その言葉は、本当なのだろうか?
父親が迎えに来た時は、返事もせずにしかめっ面のジュリアン。
けれども、母親の元に帰る時には、笑顔が見える。 ホンマに嫌やねんなって分かる。
↑唯一、姉のパーティに行きたい為に、日にちを交換してくれると言う話になった時に
一度だけ、父親の実家で見せた笑顔。 父親の両親の事は嫌ってはいない。
いやぁ~、今までもDV亭主等から逃れる作品も色々あったけれど、これ程真正面から、
これだけを描いて、こんなに緊張感を持続させた作品があったかな?
典型的なDV夫と離婚して、関係を断ち切ったと思ったけれど、「親権」が立ちふさがる。
これだけの事をされているのに、「証拠」を何一つ残していない元妻も、ちょっとどうかと思うが。
と、言うのも、元はとっても優しい良い夫だったのだろうと思われる。
なので、「生まれ変わった」と言われると、「信じたい」と気持ちも沸き上がって来るのか
ガードもちょっと緩くなってしまう。 此処でほだされてはダメですな。
夫の気持ちも分からなくはない、元妻は「結構良い女」だもの。
いざ手が届かなくなってから、気付いた夫は焦り、段々と深みにはまっていく…。
全くの余談だが、ラストにジュリアンが死亡したら…。←反転しておきます
いやいやいや、メッサ私好みのラストになりますやん。 そうなったら、キツイでぇ~。
(あくまでも、映画内のお話なのでね。 実際にそう言う目に遭われている方にとっては
安易に言うなって、お叱りを受けるやもですが…)
兎に角、半端ない93分持続する緊張感。 天晴で御座います。
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