2017・仏 ★★★☆☆(3.9)
監督:トム・ヴォルフ
出演:マリア・カラス
一世を風靡したソプラノ歌手マリア・カラスの言葉と歌で構成されたドキュメンタリー。
マリアがつづった自叙伝の内容と未公開の手紙、プライベート映像や音源などで彼女の実像を
浮き彫りにする。
『永遠のマリア・カラス』でマリアを演じた、ファニー・アルダンが朗読を担当。
アリストテレス・オナシス、ジャクリーン・ケネディ、ルキノ・ヴィスコンティといった面々が登場する。
(シネマトゥデイより抜粋)
今日は祭日だけど、祭日だから本作は夕方からの上映時間。 明日からは朝一しかない。
実は、80%ぐらい見るのを諦めていたけれど、やっぱどうしても見たいと本作だけ行った。
早く起きれれば、もう1本見たかったけれど、無理無理無理。(知らんがなって言うな!)
世紀の歌姫マリア・カラスの実像に迫るドキュメンタリー。
これが長編デビューとなるトム・ヴォルフ監督が、3年の歳月をかけて世界中から集めた
未完の自叙伝を含む未公開の資料や映像、音源をもとに、マリア・カラス自身の言葉で語られる
知られざる素顔を明らかにしていく。
<永遠のマリア・カラス↑>…やっぱ、モノホンとは全然違うな。 でも、声は似ている気がした。
「永遠のマリア・カラス」でカラスを演じたファニー・アルダンが朗読を担当。
オペラ歌手と聞いて、一番最初に思い浮かべるのは「太っちょさん」
ある程度の声量を出すには、それだけの器もいるのだと言う事を聞いたことがある。
しかし、オペラなんか1度もまともに見た事がない私でさえ知っている「マリア・カラス」氏は
美人でスレンダーで、素晴らしい歌声。 そして本作を見て、知的あると言う事も知った。
パーフェクトやん! まぁ、綺麗と言うのは持って生まれたものだが、スレンダーの部分は
「腹にサナダムシ」を飼っていたと言う噂まであったらしい。(実のところは分からん)
このインタヴュー番組の時のマリア氏の美しい事。 本当に頭が良いんだなって分かる受け答え。
返答の際に、「ウ~」とか「ア~」とかの間が全くなく、ジョーク交じりで即答する。
意外にもNY生まれのマリアだが、母親が歌手にしたかった為に厳しい毎日があったそうな。
そしてギリシャに移住し、実は17歳からしか入学できない「アテネ音楽院」に大柄だった事を
良い事に13歳なのに年齢を偽って合格したと言う。 「生まれて初めての嘘」と告白していた。
本作の凄い所は、マリア氏は亡くなっている為に、良くある近しい人々のコメントで綴る
ドキュメンタリー作品ではないところ。 新たにコメントを求めたモノは一切ない。
マリア氏が書き残した未完の自叙伝や手紙等を朗読しながら、秘蔵フィルム等と魅せてくれる。
手紙の相手が、親友のグレース・ケリー氏だったりする。 びつくりでしょ!
人にジロジロ見られるのは嫌だと、パリが最も自然に買い物も、散歩等も出来る場所だと話す。
超有名人だが、本当に「正直者」だなと思う。 (パリの人はサインを求めたりはしないそう)
それは生涯、愛しぬいた男、「オナシス」氏の事も、隠さずに話している。
出会いは、30歳も年上の男性と結婚し、夫婦でオナシス氏の豪華クルージングに招待された際。
どう見ても、「金持ちのオッサン」にしか見えないオナシス氏は「強烈な個性を持ち、誰でも
夢中にさせる人たらし」と述べている。
夫は実業家ではあったが、「金や名声」にしか興味のない所に嫌気がさして、離婚したがったが
簡単には行かなかった。
↑オナシス氏との本当の意味でのバカンスを存分に楽しんだ後のマリア氏は、「トスカ」を熱唱し
大成功を収めた。
其れまでは、母親と夫に縛られ、働き詰めな生活に疲れ果て、実際ローマでの公演で、大統領も
臨席というのに、1幕で中止してしまい、「我儘」「傲慢」等の大バッシングを受けたりもした過去が。
けれども、9年間も続いた「オナシス」氏との関係が、呆気なく終わる事を「新聞記事」によって
知らされる。 故・ケネディ大統領夫人のジャクリーン氏との再婚…。
落ち着いた日々を暮らし、声の調子も良かったのに…。
まぁ、マリア氏の予想通り、オナシス氏も再び彼女の元に戻ってくるのだが…。
声の事も有り、オペラからリサイタルに段々と比重は移っていくが、「又歌いたい」と気持ちは
常に持ち、レッスンも勉強も怠らない人であった。
「王女メディア」にも出演し、好評を得、今後映画にも出たいと抱負を述べていたし、新しい事に
チャレンジしたいとも話していた。
これだけの名声を受けているにも拘らず、全くお高くとまっている事もなく、正直で本当に
チャーミングな人。
サーカスの開会式でセレモニーを行い、其の後サーカスを見学している時に、近くに座ったピエロに
「ウィンク」をしたら、ピエロの方がドギマギしているのが分かって、笑った。
1923年生まれで、1977年に亡くなる。 53歳没。
心臓発作によるものとされているが、「毒殺」と言う説も有り、謎に包まれているそう。
彼女の人生だけでなく、勿論歌も堪能できる。
やっぱ、情熱的な「カルメン」も良いし、「私のお父さん」は聞きなれている楽曲だけに惚れ惚れする。
オペラは、敷居が高いと思ってらっしゃる貴方様。
いや、ホンマにこの歌声を聞くだけでも、元は取れます。 はいな。
とは言え、今後オペラに興味を持ったか?と聞かれると、「いいえ」と正直に答えよう。悪しからず。
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