2006・仏 ★★★★☆(4.9)
監督:ジェラール・ユスターシュ=マチュー
出演:ソフィー・カントン ミュウ=ミュウ ニコラ・デュヴォシェル クレマン・シボニー リショー・ヴァル
中央フランスの山あいにひっそりと佇む様に建っている、トラピスチヌ修道院。
まるで、此処だけ19世紀のまま時間が止まってしまっている様な薄暗い石造りの独居房。
本の1ページを白く塗りつぶし、その上に花の絵を描く少女がいる。 彼女の名は「アヴリル」(カントン)
赤ん坊の時に捨てられていたのを修道院長に拾われて、今年で21歳になる。
以来、外の世界の事は全く知らないで育った、まさに聖少女のアヴリルは間も無く、本物の修道女になるべく
最後の儀式を迎えようとしていた。
儀式とは、これから2週間小さな礼拝堂にこもって、心身を清め永遠の請願を唱える準備をするのであった。
代々の儀式を受ける皆がしたように、僅かばかりの私物を土に埋めて自分の氏名の書かれた十字架を立てる。
今度、礼拝堂から出てきた時にはアヴリルという名は使わずに新しい修道女としての名を修道院長から頂けるのだ。
言わば、俗世間との永遠の別れの儀式と言っても良いのかもしれない。
翌朝、礼拝堂で朝を迎えたアヴリルは汚れた礼拝堂の壁を美しく洗い直し、綺麗に塗り替える作業もせよと
言われており、壁を磨き始めた時…。
礼拝堂の扉の向うから、アヴリルに話しかける声が聞えた。
何かとアヴリルに気を使ってくれているベルデナット修道女(ミュウ)であった。
勿論、儀式の間にアヴリルを尋ねる事も話しかける事も許される事ではなかったのだが、意を決して話しかける。
「貴方は一人で此処に捨てられたのでは無く、男の赤ん坊も一緒に捨てられたのだが、男児の方は孤児院に
引き取られたの。 貴方には双子の兄さんがいるのです。 この2週間の間に此処を抜け出して、兄に会い
外の世界を見てきなさい…」
今まで誰一人、そんな話はしてくれなかった。 考えた挙句、意を決して礼拝堂を抜け出すアヴリル。
山道をトラックで走っていた画材屋のピエール(デュヴォシェル)は、道端に自転車を止めてしゃがみこんでいる
シスターを見かけて、車を止めた。
自転車はパンクし、アヴリルは断食の為に空腹でフラフラの状態であった…。
気の毒に思ったピエールは、街までアヴリルを送ってやる事にする。
アヴリルにとっては、何もかもが始めて尽くしで…。
ピエールの屈託のない笑顔もカセットテープから流れ出す陽気な音楽も、そして顔に当たる新鮮な空気さえも。
孤児院で兄のダヴィッド(シボニー)の事を尋ねると、スグに里親に連絡を取ってくれ、トラピスチヌ修道院の
意外な話を神父から聞かされるアブリル。
儀式の前に私物を土に埋める等と言う行為は、修道院長が考え出した物で、そう言う取り決め事は無いと言う。
スグに会えると思っていた兄は、今は恋人と南フランスのカマルグにバカンスに出たと言う事だった。
自分もバカンスを楽しみたいと思っていたピエールは、アヴリルと一緒にカマルグに行こうと誘う。
途中、トラックの座席と荷台に分かれて夜を過ごすアヴリル。 思いも寄らない展開に自分自身でも驚いている。
とは言うものの、20年以上を修道院だけで過ごしたアヴリルは、キチンとお祈りを捧げ自由時間もホンノ数時間しか
無いほどの生真面目ぶり。
やっと、到着した海岸にポツンと建つ小屋の中には、「恋人と」と言う話だったのに、男性と2人で寝ている兄。
恋人とは、ジム(ヴァル)の事で、デヴィッドはゲイなのであった。
唐突に尋ねて来た、修道服の少女が自分の妹だと知って、驚くデヴィッドだが好奇心も有ってか、スグに打ち解ける。
お互いに、コレまでの21年間を話す兄妹。 「知らない女の子宮を共有していた仲なのね…」
どうして、兄妹を母親は捨てたのだろうか? デヴィッドの里親は大変良い人でアヴリルにも紹介したいと言う。
折角外の生活を体験出来るというのに、アヴリルは食事の前の感謝のお祈りも日暮れと共に就寝し、
夜明けと共に起きる生活も変えようとは全くしない…。
余りにも、お堅いアヴリルに腹を立てたデヴィッドはピエールに当って、アヴリルは一旦帰ろうとするのだが
走り出したトラックを追いかけたデヴィッドに引き止められて、もう暫く此処に滞在する事に決める。
滞在を決めたアヴリルは、ベルデナット修道女の言葉通り「外の世界を楽しもう」と決めるのであった。
生まれて初めてデヴィッドの母親のお古の水着を着て、海にも入り。
ドレスを着て、ツイストのステップを習ったり…。 お酒も飲んでみた。
そして、ピエールがアヴリルの為に作ってくれた大きなカンヴァスに絵を描いたり…。
2週間のバカンスの最終日…。
アヴリルは決意を持って、礼拝堂に戻るのであった…。
《***》
彼のタトゥは一度見ると、絶対忘れられません! と言う、ニコラ・デュヴォシェル狙いで頑張って早起きした。
案外、線が細い感じがして大好きとまではいかないけれど、何気に彼の出演作品も気になってしまいます。
今日は2本見て来たのだけれど、本当はもう1本の方が本命だったけれど、こっちの方が意外や意外!
何とも、面白いシチュエーションでホンワカラヴストーリーが展開されて行くのですが…。
今時の高校生でも、こんな恋愛せんぞ!と言う感じなんですけど、其処はそれ21年も修道院しか知らない設定の
上手さが光るよね。
そんな、全く世間知らずのアヴリルを優しく見守る青年役にピエールのデュヴォシェルなんですけど、コレが
すんごく良い青年像で、(もしかしたら、こんなに良い人の役って始めて?)それが、ちょっとおへちゃなアヴリルに
ぴったりなんです。
本当にほのぼのとする、ラブストーリーなんです。
でも、退屈では決して無い。 見ている私の顔がユルユルになっているのが分かるぐらい、幸せな気持ちになった。
今オンエアー中の「1ポンドの福音」も黒木メイサがシスターで、ボクサーの亀ちゃんに心惹かれていくみたいな
ドラマなんだけれども、其れと比べると「もう、全然お話にならないくらい」の雲泥の差が有りますわ!
「1ポンド~」の方は、コミックスが原作なんでしょうがないかもしれませんが…。
でもねぇ~、アヴリルが山道の道端で拾ってくれた人がピエールで、本当に良かったね!
其処がねぇ~、上手く行きすぎかしら?と…。
此処まで聖少女だと、流石に普通の男子も早々簡単に手は出せないかもね!
笑えるエピソードも一杯あるし、ピエールにはちょっと酷?かもって言うシーンもね。
でも、又それがえぇんですわ! きっと、この作品を好きだと言う人多い筈なのになァ~。
日本47都道府県で、3箇所だけの上映ってDo~いう事なんでしょか?
《+++》
2月の見たいですわ!作品は明日に書き出す事に致します。
で、ちょっと放って置いた2000~2004年で、私が見て良かった作品を書き出しておきます。
劇場には、この頃からホンノちょっぴり行き出した時期で、引越しやらもあってそんなに本数も見ていない時です。
あくまでも、この時期にレンタルなりで見た作品という事で、上映時期はズレているかもしれません。
ちょっと私らしく、このシリーズはちょっと頂けませんが一等最初のこの作品は面白かったです。
何度見ても、絶対に号泣のこの作品。 大好きです。
トム・ティクヴァ監督の作品も結構お気に入りですが、この作品はその中でも1番好き。
何は無くとも、この青春映画。 ヒースも良いけど、ポール・ベタニーも良いんだよね!
馬鹿にして、劇場で見なかった事に後悔した作品。
この作品も劇場で見なかった事に相当後悔した作品。 今でも年に何回か見直します。
最初はちょっぴり我慢して、見ないといけないかも…。 そこはかとなく、面白さが滲み出る感じ。
ちょっとイラつく感じも、最初は受けるんだけれども…。 見ていくうちに堪らなくなる。
ケヴィン・コスナー作品で唯一好きな作品。 西部劇もイッチョ入れとこう!
未公開作品で、コレを見つけた時はかなり興奮いたしました。 でもメジャーな続編リディックは、駄目なんです(泪)
取り敢えず、10本ばっか並べてみました。
他にも一杯名作と呼ばれる作品は有りますが…。 一応、リベルタさんは男子なので男子目線でのチョイスですが。