デス・プルーフ in グラインドハウス(R-15) タラちゃん最高!どうせならねぇ~~。 | 新・伝説のhiropoo映画日記

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映画が好きだ。ドラマも好きだ。
そして、イケてる面はもっと好きだ。

そんな好きなものが詰まった日記、読んでみるかい。




2007・米     ★★★★☆(4.4)


監督:クエンティン・タランティーノ

出演:カート・ラッセル  ロザリオ・ドーソン  ローズ・マッゴーワン  シドニー・ターミエ・ポアチエ  ゾーイ・ベル



テキサスの夕暮れ時、オースティンの一番人気のDJ・ジャングル・ジュリア(ポアチエ)。

親友のシャナの車で、久々の地元に戻って来た大学時代の友人・アーリーンを誘ってバーに繰り出した。

途中、車内からジュリアの看板が見える度におまじないの様な掛け声をかけたり、ノリノリの彼女達。

ジュリアには、もう一つのお楽しみもあった。  

それは、番組内でアーリーンの事を話し、ジュリアから提案した決め台詞でアーリーンを誘い、その相手をもし

アーリーンが気に入った場合、その男の為にラップダンスを踊ってくれると放送してしまった。


<左から アーリーン  ジャングル・ジュリア  シャナ>


初めてそれを聞かされたアーリーンは、絶対嫌だと言い張っていたのだが…。

この後、彼女達は女ばかりで別荘に行って楽しむ計画を立てていた。


ジュリア達と顔見知りのパムが店に現れた。  パムはジュリア達にライバル意識丸出しで言葉も一切交わさない。

それどころか、カウンターで酒を食らい食事をするイカツイ男に声を掛けている。

それはまるで「私はあんた達の様な、お子ちゃまじゃ無いのよ」と言いたげに…。


イカツイ男は、ボンネットに髑髏マークが描かれた車に乗る、映画のスタントマンのスタントマン・マイク(ラッセル)

と名乗った。

顔に大きな傷もあるスタントマン・マイクは一見強面ではあるけれど、チョイ悪オヤヂ風で魅力的でもある。



パムがマイクと仲良く話せば話すほど、気になるジュリア達。  

一応自分達で盛り上がって居る様には騒いでいるけれど…。  パムの行動へのアンテナはピリピリ状態。

そんな視線を知ってか知らずか、スタントマン・マイクはアーリーンの前に行きジュリアが放送した決め台詞を言う。


「絶対に踊らないからね!」そう言っていたアーリーンは、パムへのあてつけもあったのだろうか「良いわ」と

返事をして、踊りの為の曲のタイトルを言う。

スタントマン・マイクを椅子に座らせて、その前で踊りだすアーリーンの妖艶なラップダンス。


そのダンスに満足したマイクは、パムを送ると言う。  ジュリア達も別荘に向かおうと車に乗り込む。

パムが車の助手席に乗ると態度が豹変するスタントマン・マイク。

助手席はアクリルガラスの板で仕切られており、乗ったは良いが箱の中に閉じ込められた状態になったパムは

危険を察知し「降りたい…」と言うのだが、聞き入れて貰えずマイクは、車を急発進させた…。



急発進されたパムは、不安定な助手席の中で転げて至る所を打ちまくり、その内口を開かなくなる。

すると、マイクは徐に車のライトを消した。  暗闇の中にマイクの車が居る事すら分からない。

その道をマイクの車と対抗する様に走って来る、別荘に向かうジュリア達の車。


もう、どうしようもない所まで明かりを消したまま、それはまるで猛獣が餌を狙う為に息を殺すように…。

そして、車を発車させる。  しかしライトはまだ付けない。  直前になってライトを付ける。

急に目の前に髑髏マークの車の存在知る、ジュリア達だったが…。  

状況を把握する間も無く正面衝突をして、全員即死状態の彼女達。

スタントマン・マイクは、病院に入院。  ジュリア達の飲酒運転の為の事故だと言う事で収まった…。



14ヵ月後…。  無事に退院したスタントマン・マイクは次の獲物を物色しだす。

どうやら、スタントマン・マイクは自分も事故に遭いながらも女達を殺す事に快感を覚える恐ろしい男だったのだ。



今度の獲物は、映画撮影に携わるスタントウーマンのキムとゾーイ(ベル)とメイク係のアバナシー(ドーソン)

新進女優のりーの4人連れ。

撮影中にポッカリと空いてしまったスケジュールを有意義に楽しもうと計画をしていたのであった…。


<左から リー  アバナシー  ゾーイ  キム>


彼女達もスタントマン・マイクの死の洗礼を受けるのであろうか?




《***》

クエンティン・タランティーノ監督は、大の日本贔屓の監督である。

私は、常々タラちゃんは天才だと思っていたが、それだけでは無い事をこの作品を見て確証した。

タラちゃんは信じられない映画ヲタクで、尚且つ信じられない程、映画というものを愛している人間なのだ。

そして、映画の娯楽性を余す所無く見せ付ける、この作品にも「参ってしまった!」



監督のタラちゃん自ら、バーのマスターとして出演。


キャスティングが絶妙と言うのか、先ず目を惹く。 

ジャングル・ジュリア役のターミエ・ポワチエはシドニー・ポワチエの娘。  こんなに若い娘さんが居るんだ。

そして、この前記事にした「マッド・カンニバル」にも出演していたシャナ役のジョーダン・ラッドはアラン・ダッドの娘。
スタントウーマン役のゾーイは、モノホンのスタントウーマンで、キルビルでユア・サーマンのスタンとした繋がりで

この作品にも出演したそう…。

この作品には、一切CGを使用しないカー・アクション満載のスラッシャー・ムービーに仕上がっている。


美女とアクションと来たら…、次はお色気だろうが、この作品には裸のおねーちゃんはナッシングである。

でも、脱がないでもかなりのお色気ムンムンな作品である。

ジャングル・ジュリアの長い足。  ロザリオ・ドーソンの車から突き出た足もしかり…。

リー役のメアリー・エリザベス・ウィンステッドの気に入ったからとチア・リーダーの衣装。


そして、極めつけはアーリーン役のヴァネッサ・フェルリトが踊る、度迫力のラップダンスだろう。

ジュリアと並んで歩いていてもベルトの上に「腹」が乗っかってるジャン彼女~~!等と思っていたが

ラップダンスを妖艶に踊るには、これ位の脂肪が絶対に必要なんだよね。

ベリーダンスもそう思うが、腹の肉がちょっとタプタプと揺れるぐらいがソソルンじゃ無いの?

ギスギスのトリガラネーちゃんが踊っても、絶対にグッと来ないよね!


このアーリーンのラップダンスを堪能しながら、「ジャンゴ」の木村佳乃のあのヘボヘボダンスの幼稚さを

思い出していた。  雲泥の差があった。  流石、ジュリアが放送で言っちゃうぐらいの特技だわ!(爆)



アクションも半端無く魅せまくる!  特にゾーイのカー・アクションは手に汗握った。

もう、思わず自宅で見ている気になって「危ない!」とか言ってしまいそうだった。  一人なら言ってたけどね!


カート・ラッセルも不気味なチョイ悪オヤヂが、抜群だった!

そして、ラストはこれ程の爽快感を味わう作品も久々な感じがした。


長い作品だからとロドリゲス監督作品と1本ずつの公開となったのだが、全然大丈夫!

続けても、絶対楽しめたよ~~!  

どうせなら続けてみたかったし、この作品の為だけに作られた予告(本編は作っていない)も

一緒に楽しみたかったなぁ~。


ロドリゲス監督作品の方も楽しみだけれども…。  

レヴュー等ではロドリゲス監督作品の方が期待度が高いんだけども、タラちゃん大好き派としては、こっちの作品も

すんごく面白いよ!

<但し、こういう作品が苦手な人にはきっと一切受け入れられない作品だと思う>



B級作品を何本立てとかにして、上映する映画館に見立て、その映画館で上映される映画を制作するという

遊び心も満載のこの企画と作品。

私的には、先ずタラちゃんの1本目は、大満足だったのだが…。


何故なのか、レディースデイ1000円で「プレミヤムシート」の劇場で上映だった。

椅子の周りは広々、背もたれは倒れるし、至れり尽くせりのこの劇場での上映はちょっと雰囲気までもを

楽しむまではいかなかったな。

この作品は、やっぱいっつも行くボロボロの入れ替えも何にも無い、爺さん達が憩いの場所としている

例の映画館だったら…、もっと雰囲気も出たんだけどね~~!




《+++》

今日の私は、今朝から少々ブルーだった。

大好きなパントマイマーの「マルセル・マルソー」が亡くなった。



本当に大好きなパントマイマーで、何度も公演を見に行った。

凄く楽しいのに、何処か儚げで、物悲しさも感じる。  

風船を膨らましすぎて飛んで行ってしまう彼を見ながら、大きな声で笑いながら、何故か泣けてくる。


一言も舞台の上では発しない彼の公演だが、パントマイムで雄弁に語りつくす…。



向うでも、楽しく演技をされている事でしょう。  安らかにお眠り下さい。  さようなら、又お会いする日まで。