「欲望の翼」 「花様年華」 「2046」 観てなかったウォン・カーウァイを観る。 | 新・伝説のhiropoo映画日記

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映画が好きだ。ドラマも好きだ。
そして、イケてる面はもっと好きだ。

そんな好きなものが詰まった日記、読んでみるかい。

 

1990・香港     ★★★☆☆(3.2)

 

 

監督:ウォン・カーウァイ

 

出演:レスリー・チャン  マギー・チャン  カリーナ・ラウ  アンディ・ラウ  

 

 

 

サッカー場の売店の売り子・スー・リーチェンは、この間からフラッと現れてはコーラを

飲んで行く男が気になっていた。

                        

1960年4月16日の2時59分の時計を見せて男はこう言う。 

「俺の時計を1分間だけ見て」

スーは、出来るだけ素っ気無く「見たわよ」と答えるが、既にその時は男の腕の中にいた。

                            

男は毎日訪ねて来ては、毎日1分ずつ増える時計を見る時間も60分以上になっていた。  

男の名前はヨデイ。 その頃には、スーはヨデイに夢中になっていた。

 

ヨデイは義母によって育てられていた。 義母はナイトクラブを経営していた。  

 

そのナイトクラブでダンサーをしているミミと出会ったヨデイはその夜から関係を持つ。

ヨデイに夢中のスーは結婚話をした途端、ミミを自宅に引っ張り込むのを見てしまい

途方に暮れる。

 

 

雨の降る中、泣きながら歩いていると警邏中の警官に出会う。  

                       

警官に思わずタクシー代を借りたスー。

                          

翌日に借りたお金を返しに行き、一緒に巡回しながら話をする。

優しい警官は「毎日この時間にこの辺りを巡回しているから、悩み事があったら

電話してきなさい」と言う。

                      

そこには、公衆電話がポツリとあった。  

警官の言葉に励まされたスーは、立ち直れると自信を持つ。

                     

警官は、翌日から毎夜毎夜公衆電話の前で時間を潰した。スーからは、それきりであった。

 

暫くして、警官は昔からの夢の船乗りになった。  

シンガポールに船で着き、丘に上がった日の事…。

 

実の母親の事を知りたくて、シンガポールを訪ねるヨデイ。  

しかし、母親に会う事は叶わず自暴自棄になるヨデイ。

                        

そんなヨデイを助けたのは昔ヨデイに捨てられたスーの相談に乗ってやった警官で、

今は船乗り。

                           

ヨデイがシンガポールに行った事を知ったミミは、後を追う様にやってくるのだが…。

 

 

 

【花様年華】

2000・香港     ★★★☆☆(3.2)

 

監督:ウォン・カーウァイ

 

出演:トニー・レオン  マギー・チャン  スー・ピンラン  レベッカ・バン

 

 

1962年・香港。  

空き部屋の広告を見てやって来たチャン。  

 

同じ広告を見てやって来たチャウは、チャンの隣の部屋を貸して貰える事になる。

チャンもチャウも夫婦2人暮らしで子供はいない。  

しかも、偶然にも同じに日に引越しとなった。

 

チャンは、海外出張の多い主人の妻で、チャン自身も社長秘書として働いている。

 

チャウは新聞記者。  妻もやはり働いている。

隣同士と言うよしみも有り、家族ぐるみの付き合いをしていたのだが…。

 

 

ある日、チャンとチャウが昼食を一緒に取った時にお互いに持っていた疑問を話し合う。

すると、薄々気付いていた事だが、互いの伴侶が不倫関係にある事実を確信してしまう。

 

それ以来、2人は頻繁に密会するようになり、やがて2人の間には愛が芽生え始める。

 

しかし、互いの伴侶を裏切られない2人は、恋しい気持ちはあるものの、それ以上

踏み出す事は決してしない、そう心に決めていた。 特にチャンは…。

                     

チャウは、小説好きのチャンの力を借りて、小説を書き始める。

しかし、次第に周りの人間にも2人の事が気付かれる事になり、別れを決める2人。

 

チャウはシンガポールに渡るのだが…。

 

 

 

 

 

 

【2046】

 

 

2004・香港      ★★★★☆(4.1)

 

監督:ウォン・カーウァイ

 

出演:トニー・レオン  チャン・ツィイー  木村拓哉  フェイ・フォン  コン・リー

 

 

1967年・昨年、香港に戻って来ていたチャウ。 以前はシンガポールにいた。

 

ある日、シンガポールで一緒に良く酒を飲んだミミを見かけたチャウは、声を掛ける。

しかし、ミミはチャウの事を全く覚えていなかった。  

泥酔したミミをアパートまで運んでやった。

ベッドに寝かせるまでミミは「もっと話して」と言う。

 

本当の母を捜しに行った、愛した男を追いかけてシンガポールにやって来たが、

男は殺害されてしまった。

 

ミミに聞いた話をそのまま、ミミにしてやるとは可笑しな話だ…。  

ベッドに寝かせて部屋を出た。 ミミの部屋番号は「2046」であった。

 

2日後、再度ミミに会いにアパートに行くと昨日ミミは引っ越したと言う。  

実は、殺害されていたのであった。

 

管理人にミミの後に入居したいと話すチャウ。改装を済ますのに時間が掛かると言う。

それまでの間「2047」に住む事にした。 チャウは、官能小説を書く小説家。

 

 

間もなく改装も終ったのだが、チャウは「2047」から「2046」には移らなかった。

 

管理人の娘・ジンウェンが日本人男性と恋に落ちていた。

空室の「2046」から聞こえるジンウェンの拙い日本語の練習。  

それを聞きながらチャウは「2046」と言うタイトルの小説を書き出すのであった。

 

2046に行った人間で帰って来た人は誰もいなかった。

 

しかし、たった一人日本人の男が帰って来る。  

その帰りのミステリートレインの中で、男はお世話係のアンドロイドに恋をする。

「俺と一緒に行かないかい?」

                      

好きになったアンドロイドは何にも答えてくれない…。 そんな様なストーリー。

 

「2046」に越して来た女とも付き合うチャウ。

 

しかし、決して本気にならない。  夜を共にした後には、必ず10ドル払う。

チャウを愛しているのに何時まで経っても娼婦扱いの女。  

彼女も小説のアンドロイドの1人となる。

チャウの生涯愛した人は、スー・リーチャンただ1人なのだから…。

 

 

 

 

《***》

 

ウォン・カーウァイ監督作品は、「恋する惑星」「天使の涙」「ブエノスアイレス」

「楽園の瑕」は観ていた。

 

が、キム拓が世界デビューとして注目を浴びた「2046」は観ていなかった。

「花様年華」の続編と言われていた「2046」は、取り合えず「花様年華」を観てからねと

考えていた。

 

だが、どうも良い感想を聞く事も無く、そのまま観ないまま今日になってしまっていた。

                       

 

何故、今ウォン・カーウァイなのかは自分でも分からないが、季節的にも良い感じと

一挙に観る事にした。

                       

パッケージデザインの裏を何時もより、ちょっと詳しく読んで見ると、どうやら

「欲望の翼」も見た方が良いみたい。読んだ通りに観賞が始まった。

 

 

 

「欲望の翼」

 

今は亡き、レスリー・チャンがこの上なくキザな台詞を言いまくる。

ごく普通のラヴストーリーなら、「目ぇ噛んで死ね!」と思うところが、その台詞に

「うふふ」と目を細めてしまう。

                      

それは、監督の美術表現と音楽、そして映像から感じ取れる独特な湿度のせいかも…。

でも、後半でやっと出てくる誠実なアンディ・ラウの方がやっぱり好きかな。  

何故か半パンの警察の制服は辞めて欲しかったけれど。

 

ヨデイは義母と言う籠に閉じ込められた鳥。

 

そんなヨデイが寂しさを紛らわせる為に、女の子をナンパする。

鳥の羽をむしって、遊ぶ仔猫の様に…。  

そんな、ヨデイの毒牙に掛かってしまうスー・リーチャン。

                     

この3作の作品に無くてならない人である…。

 

ミミがヨデイを追いかけてシンガポールに行き、ナイトクラブで働いている。

 

そのナイトクラブに出かける支度をするチャウの後姿で、この作品は終わりになる。

 

 

 

「花様年華」

 

そのスー・リーチャンが操を守りつつも、隣人の夫を狂おしいほど愛してしまう。 

チャウもシンガポールから帰って来た話で始まる。

 

この作品は、究極のエロチシズムを感じると言うレヴューが多かった。

が、私は感じなかった。

 

一線を越える事のない2人の悶々とした恋愛。  

酸いも甘いも知っている大人のプラトニックラヴ。

そんな恋愛が最もエッチィ恋なんだという事を聞いたり、話したりした事がある。

 

この2人は、確かに大人のプラトニックなのだが、どちらも自らの気持ちにストップを

掛けている恋愛なのだ。

 

だから、全然エッチィな感じを受けないのだろうか?  

観ながら「いっその事、やっちゃったらスッキリするのでは?」等と下世話な事を

考えてしまったが。

                     

本当にエッチィ大人のプラトニックラヴは、日を追う毎に膨らむ風船の様な

恋焦がれる相手への想い。

何もかもを知っているが為に、益々想いは膨らんでいく…。  

なんちゅー感じじゃ、なかろうか?

 

まま、話は作品に戻して、この作品の見所は何が何でも、チャンのチャイナドレスの

美しき衣装に尽きる。

 

作品を通して23着のドレスを着ていたらしい。 それが、全て素晴らしいドレス。

                     

マギー・チャン自体は、さほど美人とは思わないのだが、この作品の時の彼女は

本当に美しい。

そして、2人の実らぬ恋をジリジリと焦げ付かせる様に流れる

「キサス・キサス・キサス」はケダルさと言うスパイスを加味して行く。  

 

そう言う所のセンスが、監督の世界観を見せ付ける。

 

そして、数年後同じ頃に昔の部屋を訪ねてくるのに会えない2人。  

こういう運命なんやね!きゃぁ~~!  で、おしまい。

 

 

「2046」

 

超眠い作品とか、退屈な作品と言うレヴューが多かったが、この3作を続けて見ると

素晴らしく良く出来た群像劇だったのだと言う事が分かる。  

 

しかも、お洒落に綺麗に纏まっていた。

必ず、3作忘れないうちに観続ける事。 これが条件だな。

 

最近は山Pが好きなってから、ジャニーズもそんなに毛嫌いしないで見る様になった。

 

でも、未だに好きになれない人達もいる。 「SMAP」の面々。 

木村拓哉と言う人も苦手だ。ananの抱かれたい男に13年も1位でいらっしゃるのだが…。  

どうも好きになれない。(向うもなって欲しくないと思う)

 

が、「2046」の木村拓哉は良かったと思う。 全く、普通の木村拓哉が出ていなかった。

だからなのか?  香港か?(欧米やろ!)

 

チャン・ツィイーも普段は綺麗だと思うが、マギー・チャンのチャイナドレス姿には

勝てていなかった。

 

フェイ・フォンのアンドロイドぶりは可愛かったけれどもね。

 

主役のトニー・レオンは、カッチョ良かったり、そうでなかったり。

 

どうも、息を飲むようなセクシィさは感じられないね。

同じ、七三頭でも「若き仕立て屋の恋」のチャン・チェンの方が堪らんセクシィさを

持っていると思うけれど…。

 

ウォン・カーウァイの世界に浸ってみませんか? こんな、夜長の切ない夜に…。  

 

ちょっと、大人ぶってキツメのお酒をやりながら…。

 

 

 

《+++》

 

さあさあ、11月に突入ですヨン!

受験生の母は、受験校を決めねばならないらしく進路関係の呼び出しが非常に多い。

しかも、水曜日。 何でやねん!! 怒っても仕方ないんで、どうにかしますが。

 

明日の1日が水曜日と重なるのも、如何せん損した気分になるのは私だけなの?ねぇ!

 

 

 

11月に観たい作品。

 

 

 

○ 虹の女神 … 上野樹里。 蒼井優。 そして、プロデューサー様の岩井俊二。

 

 

○ テキサス・チェーンソウ・ビギニング … えっへっへ!  試写に見事当選。

 

 

○ 地下鉄に乗って … チケットを頂きました。  サンキュウ!!

 

 

○ 氷の微笑2 … 全身整形の成果はどうよ! しっかりと見て来たい。

 

 

○ へイヴン 堕ちた楽園 … 何か、こっそり上映。ちょっとヤナ予感。オーリー新作。

 

 

○ 幸福のスイッチ … 上野樹里+沢田研二=和歌山の小売電気店のお話。

 

 

○ パピリオン山椒魚 … オダジョーの最新作。 見に行くかは迷い中。 

 

 

○ デス・ノート(後編) … 早めに行かねば忘れちまうので…。

 

 

○ ユア・マイ・サンシャイン … 韓国作品ながら、どうしても見たいんだ!と

                 思わされた。予告だけでも涙もの。

 

 

○ トゥモロー・ワールド … 世界に子供が生まれなくなって何年か経った、近未来のお話。

 

 

○ ソウ3 … 付き合いでしょう。 此処まで来たら見ない訳にはいかぬよね。

 

 

○ 明日へのチケット … 気になってはいるが、見に行けるかなぁ~? Do~でしょか?

 

 

 

ま、気付いたものを書き出しておきました。  

10月中に結構11月上映の作品の試写も見たからね。

 

 

こんなもんじゃなかろ~~か。

 

「シュガー&スパイス」を見逃してしまった。  仕方が無いっか。ねぇ~~。

 

 

 

明日の朝は、冷え込むようです。お風邪など召しませぬ様、お気をつけあそばせ!