2004・スウェーデン ★★★★☆(4.4)
監督:ケイ・ポラック
出演:ミカエル・ニュクビスト フリーダ・ハルグレン ヘレン・ヒョホルム レナート・ヤーケル
幼い頃に父を亡くし、将来は母と結婚すると心に決める位、母に可愛がられて育つダニエル(ニュクビスト)。
母や皆に褒められたい気持ちで始めたバイオリンで、14歳にして世界的な権威のある賞を受けたその日に母が自動車事故で亡くなってしまう。
それからは、音楽だけを見詰め今や押しも押されぬ天才指揮者となったダニエルには、8年先のスケジュールも詰った状態であった。
しかし、あまりにも過酷なスケジュールと音楽以外に何も見えぬダニエルの心臓はボロボロになり、演奏会の途中で倒れてしまう。
真っ白になった、ダニエルのスケジュール。 今後は音楽を聴く事だけに生きるつもりであった。
幼い頃、いじめっ子に虐められた厭な思い出しかないスウェーデン北部のノルランド地方にある村・ユースオーケルにある古びた学校を買い取り住む事にした。
虐められ続けたのをきっかけに引っ越した為、その後は名前も変えていたので、ダニエルの事は誰も知らない。
自分を取り巻く物が何も無くなったダニエルは、子供の様に雪の中をはしゃぎ回る。
実際には、笑うことすら忘れていたのだ。
そんな時、村の牧師がダニエルの事を聞きつけて、聖歌隊の指導者になってくれないかと誘う。
決して上手いとは言えない聖歌隊だが、歌う前に皆は心の中に何かを隠している。
音楽を決して、楽しんではいない。
それを見た、ダニエルは歌を指導する前に、皆の心の曇りを取り除いてやろうとする。
それぞれに心の中に持った闇を吐き出せるまでに聖歌隊の面々はなれるのであろうか?
指揮者のダニエルにも、それは言える事であった。
ダニエルも自分の事をさらけ出せる日が来るのであろうか?
しかし、次第に聖歌隊に人気が集まり、牧師自身の尊敬の念がダニエルに集まり始めた時、それをやっかんだ牧師は、取り返しの付かない行動に出てしまう。
心の底の叫びをダニエルが開放してやったせいで、人々が変化して行く。
やがては、ダニエルにもその振動が伝わって行くのであろうか?
大事な一言をダニエルは、言う事が出来るのであろうか?
《***》
今年最初の作品は、何とも感動物で始まりました。
スウェーデンの作品で、5人に1人は見たと言われる大ヒット作。
2005年のアカデミー・外国語映画賞にもノミネートされた作品です。
小さな村なのにそれぞれが抱える問題は、根深く重苦しい物が多い。 しかも、自分一人でそれを抱え込む。
雪深い村だが、夏の様な時期も訪れる。
しかし、何十年も人々の心には雪が積もったままであったのであろう。
一人、又一人心の中にある気持ちを吐き出せて行く。 その分、重なり合う歌声は重厚に響き出す。
予告を見た時は、もっと我が儘なエキセントリックなマエストロが体を壊して、音を楽しむ事に改めて気付かされる様な内容なのかなぁ~と想像していたが、全く違った。
夫の勝手な嫉妬の為に殴られまくる、何時も自信のなさげなガブリエラ。
自分達が主催したコンサートでは、とても歌えないと言っていた独唱を歌い遂げる。
オーストリアで行なわれるコンクール会場で、知的障害を持つ青年のAの音に聖歌隊の面々や、やがては会場中が立ち上がりハミングしだす。
出来れば、劇場で見て欲しい作品なんですが、貴方の近くでは上映されるのでしょうか?
東京・大阪を覗いては、これから順に上映予定が有るようですが、公開会場は限られているようです。
大阪もミニシアター系・1館上映のみでございます。
音を楽しみ、心の叫びを開放するこの作品の大きな広がりに今年は早々に涙してしまいました。
又、ガブリエラの独唱する歌の歌詞が抜群に良いのです。
少しでも多くの人に見てもらえれば良いのですが…。
《+++》
今日は、朝一のこの作品を見に行こうと考えていたのに、昨夜も遅くなっちゃって急遽2回目の上映時間に行く事になりました。
平日の昼間なのにも関わらず、かなりの入りで御座いました。 ちょっと、ビックリ。
そして、今日もバーゲン品に狙いを付けて、折角梅田に出たからにはとお買い物もしましたが、やっぱり疲れちゃいますね。
帰りにビデオ屋も覗いて、ちょこっとレンタルしてきました。
今日の夜から、又雪が降るらしい。 雪の降る時は、お家でおとなしくしておきましょうか。
思ってた作品より、今年も色々公開されるらしい。
ちょこっと書いた今後のラインナップとは別な作品のチラシを取ってきてしまったし。
予告もかなりの本数見てしまったし、寒さに負けずに今年も頑張りましょうかネェ~。
明日は、七草がゆでも啜りながらさぁ~! 餅も一杯、まだあるぞ!