2005・米 ★★★☆☆(3.7)
監督:カーティス・ハンソン
出演:キャメロン・ディアス トニ・コレット シャーリー・マックレーン マーク・フォアスタイン
一見モデルでも通用する様な容姿を持つマギー(ディアス)。
実の所、難読症で計算も遅く、仕事も長続きしない。
男を誑かしては、酒を奢らせたり金をくすねたりしながら、プラプラ毎日を過ごしている。
弁護士で、キャリアのローズ(コレット)。 頭が切れ、仕事は出来るが太めの体型に冴えない容姿。
マギーの姉である。 しかし、ひょんな事から同僚の弁護士と良い仲になり、今夜ベットを共にした。
けれど、マギーの人生には問題児ローズが付いて回る。
そんな夢の様な夜を過ごしていると言うのに酔いつぶれたマギーを迎えに来いとの電話がホテルから入る。
何時も何時もそんな役回りのローズ。 実家に送り届けたが、義母に出て行けと言われる。
2人の本当の母は、心に病気を持ち2人が幼い頃に自殺したのであった。
そんな事も有り、自分達の気持ちを支えてくれるのは幼い姉妹しか他にはいなかったのである。
仕方なく、自分のアパートメントにマギーを泊めるローズ。 勿論ベットの彼は、眠ったまま。
翌朝、彼とマギーは顔を合わせるが、これが運のつき、ローズが仕事から帰って見ると自分のベットで、彼とマギーが…。
頭に来たローズは、マギーを追い出し彼とも別れる。
ついでに、ヤケになって仕事も辞めてしまった。
追い出されたマギーは、実家に自分の荷物を取りに戻った。
義母の連れ子の部屋から隠してある紙幣を頂き、父親の書斎のデスクの引き出しをかき回していると、自分やローズ宛のカードの束を見つける。
それは、死んだ母の両親からのカードであった。 祖父母は死んだと思っていた。
カードには、優しいメッセージと共に少しだが紙幣も挟まれている。
何故、父は娘達にそのカードを見せなかったのであろうか?
ニューヨークに女優になりに行こうと思うマギーだが、MTVのカメラテストで台詞が読めずに落とされた事を思い出し、祖父母に会いにフロリダに行く。
一方、ローズは弁護士を辞めて、犬の散歩をさせる仕事を思いつき、犬達と毎日走っていた。
散歩を終えたら、全てが自分の時間。 何時も仕事に追われ自分の時間など、今までには無かった。
ローズの唯一の趣味は、奇麗な靴を集める事。 履かずに眺めるだけで幸せなのだ。
そんな靴を眺めながら、マギーに言われた事を思い出すローズ。
「自分に合った靴は、眺めるだけじゃ可哀相。ちゃんと履いてあげなくちゃ」
問題を起こすマギーの事は疎ましく好きにはなれないローズだったが、時に触れ思い出すのはマギーの言った言葉ばかり。
キャリアを捨て伸び伸びと暮すローズと偶然出会う元同僚の弁護士・サイモン(フォイアスタイン)。
弁護士当時、全くタイプでなかったサイモンに冷たくしていたローズであったが、サイモンの方はローズの事が気になっていたようであった。
何となく、気さくで飾らなくて良いサイモンとは気が合い、時々食事に一緒に行くようになる。
サイモンから、プロポーズをされた時でさえ、マギーの事は秘密にしておこうと考えるローズ。
最後の恋かもしれない、でも一番にこの気持ちを知らせたいのは、やっぱりマギーなのである。
マギーは、祖父母と再会するのであろうか?
ローズは、マギーに知らせずに結婚してしまうのであろうか?
このまま、2人の姉妹は心も何もかも離れたままで過ごすのであろうか?
マギーの将来は? ローズの恋は?
《***》
実の所、見ようかレンタルまで待とうか、考えていた。
まぁ、時間が上手く合ったのでシネコンで思い切って見た。
全体的に良い仕上がりの作品。
だが、と言いたい所が数箇所ある。 (何故に私は、あら捜しばかりするんでしょうか?)
やっと出来た理想の恋人を何時も問題を起こし疎ましく思っていた妹に寝取られて、どうして簡単に許してしまえるのか?
勿論、血の繋がりもあるだろうし、実の母が亡くなって以来、姉妹で何時も乗り越えて来たというのも分かるが、自分の事が何よりも可愛いだろうし、ローズにとって滅多と無いチャンスを目茶目茶にされている。
ここで、幼い時にマギーがローズの代わりに傷つく事があれば、その為にローズは自分を犠牲にしてでも妹を守るんだと言う気持ちにも素直に頷ける。
理知的なローズが恋に破れたからといって、何故にキャリアまで捨ててしまったのだろうか?
ここも、もう一つ解せない所だ。
自由奔放な生活をしてみて、マギーに少しでも近づくというのは、無理があるのでは無いだろうか?
ローズは、マギーに「今は若くて男も容姿でちやほやするけど、年を取った時どうするの?」と言う台詞があるが、自分で言っておいて「あんたは、どうするのさ?」と聞き返したくなった。
一時的に弁護士を辞めるというなら、そこを映像で見せるべきだし、それが無いとローズの性格上変ではないかな。
父と祖母との確執も言葉上だけのもので、あんまり良く分からない。
それと、長年実家に住んでいたにも関わらず、書斎の引き出しにカードの束が隠してあるのは、やっぱり変でしょ。
それでなくても手癖が悪い事は皆が承知しているのだから。
屋根裏部屋とか、偶然マギーが見つけて父親と祖母の確執を思い起こさせるエピソードが入ればいいじゃん。
最後にマギーが、自分の歩む道を見つけ、動き出す所をもう少し多めに見せて欲しかった。
折角、生き生きとしかも自分のペースで、着実に生きる実感を掴んでいるのにちょっとしかなくて残念だった。
兎に角、キャメロン・ディアスの足が美しい。
どんな靴でも履きこなしてしまえそう。
それと、後半の老人ホーム(マギーはそうは言わない)が、老人達の仕草や反応が素晴らしい。
楽しい、可愛い。 少し奇麗過ぎる老人達ではあるが、お金持ちなのであろう。
300人程の老人のエキストラがいたそうだが、良かったなぁ~。
姉妹の話だが、自分探しのストーリーでもある。
自分にピッタリ合った靴を探すぐらい、人生をチョイスすると言うのは難しい事だと言いたいのねん。
目下、見た目には見えないが足に障害がある私は、自分に合う靴を永遠に探し続ける事であろう。
人生? そっちの方は、もうかなり終わっちゃってる感じなのでね。
せめて、靴ぐらいと思うわけでありますよ。 じゃ、又明日ネェ~!