栁平 彬(やなぎだいら さかん)氏の心に響く言葉より… 

 

 

 

既にお亡くなりになりましたが、ユニークなお医者さんがいました。 

 

「ちょっとあの先生に診てもらってくるとするか」 

 

こう思い立ったその瞬間ほとんどの患者の病気は既に50%分は治っている、というのです。 

 

実際にその医者を訪ねて顔を合わせてあれこれ症状を訴えているうちに90%以上治るのだ、と も言います。

 

 

つまり、医者がアドバイスと薬で対処するのは残り数%分でしかないというのです。 

 

この人、銀座内科院長の藤井尚治医師にかかると「風邪をひいた? それはよかった」ということになるのです。 

 

銀座の商店街、オフィス街のど真ん中という地理的条件とその摩訶不思議な人柄から、商店主 から企業の経営者、エリートビジネスマンから女優さん、型破りのビジネスマン、ちょっとはみ出し気味の勤め人まで、会いに来る人達は色々。 

 

 

彼らに共通するのはただ一つ、常に忙しい人たちだということです。

 

忙しい人たちだから、たかが風邪、たかが腹痛で仕事を放り出すわけにはいきません。

 

初期のうちに何としてでも治してしまいたいと考えます。 

 

この「何としてでも治そう」と考える人たちの治りは早い、と藤井さんは言ったのです。

 

乱暴に言えば、そう考える人の風邪なら放っておいても時間さえかければ治るといえます。

 

 

そういう人たちが忙しい時間をぬって藤井先生の顔を見に来たのです。 

 

「よかったよかった」とは無論、藤井医師の信念のような言葉です。 

 

ストレスが体の症状となって現れることによって、心身のバランスが崩れないで済むからなのです。

 

軽い病気になってくれたおかげで、またこうして話ができるという彼自身の喜びもほんの少しは入っているらしいのです。

 

つまり、患者は歓迎されるのです。 

 

 

私たちは、いつなんどき訪ねても必ず歓迎してくれる人や場所を持っているでしょうか。

 

行きつけの飲み屋がひょっとするとその機能を果たしているのかもしれません。 

 

しかし、いつでも気軽に話を聞いてくれる人や医者、願わくば会うだけでほっとできる人を友人に持つことは、ビジネスマンに限らず全ての人のやる気の健康に大きな意味を持つと思われます。

 

 

やる気を引き出す言氣の心理学ー働き方か生き方改革かー 』ぱるす出版

やる気を引き出す言氣の心理学ー働き方か生き方改革かー

 

 

 

 

 

小林正観さんは「元気をもらえる人」についてこう書いています。

 

 

『《人は、人によってもパワーやエネルギーを充電される。相手にお渡しできる、分け与えることができる「気のエネルギー」の源(元のもの)が、古くから「元気」と呼ばれてきた》 

 

私たちは、“自然”から元気やパワー、エネルギーを与えられています。 

 

同じように、ほかの「人」からもエネルギーを与えられています。 

 

「元気な人」 「明るい人」 「前向きな人」 「向上心をつねに持っている人」 「いまやっていることに自信を持っているけれど、うぬぼれたりせず、謙虚さを保ち続けている人」 「いままで積み重ねてきた体験をベースに、人格に深い魅力や奥行きを持っている人」 「一つのことを何年も何十年もやってきている人」 などからです。』

 

 

反対に、人から元気を奪う人がいる。

 

それが、柳平氏のいう「ぬれた毛布」の人。

 

「ウェットブランケット」という、相手のやる気を失わせる人だ。

 

「どうせ無理、難しい」「(ほめないで)欠点ばかりを指摘する」「いつもイライラしている」「不機嫌」「相手の気持ちを冷やす一言をいう」等々の常にネガティブな人のこと。

 

 

会うといつもほっとさせてくれる人は、和顔愛語の人だ。

 

良寛和尚が常に心掛けてきたことが「和顔愛語」。

 

「和顔愛語」の「愛語」とは、口から出る言葉が、温かい言葉、感謝の言葉、元気づける言葉、癒しの言葉、明るくする言葉であり、「和顔」という、いつも柔和で、笑顔を絶やさないこと。

 

 

どんなときも…

 

人をほっとさせることができる人でありたい。

 

 

やる気を引き出す言氣の心理学ー働き方か生き方改革かー