伊與田覺(いよたさとる)氏の心に響く言葉より…

 

 

清代末期の政治家・曾国藩(そうこくはん)は、四耐四不訣(したいしふけつ)という言葉を残しています。

 

「冷(れい)に耐え、苦に耐え、煩(はん)に耐え、閑(かん)に耐え、激(げき)せず、躁(さわ)がず、競(きそ)わず、随(したが)わず、もって大事を成すべし」

 

 

冷に耐える。

 

冷は冷ややかな目を表し、冷たい仕打ちや誤解に耐えるということです。

 

苦に耐えるは、文字通り苦しいことに耐えること。

 

人は様々な苦を体験します。

 

煩に耐えるは、忙しさや煩(わずら)わしいことに耐えること。

 

閑に耐えるは、暇に耐えることですが、これがなかなか難しい。

 

経営者であれば仕事のない時期をどうすごすか、サラリーマンであれば煩(はん)に耐えての会社勤めを終え、年金生活に入ってどう過ごすか。

 

 

これらのことに耐え、つまらないことに腹を立てず、ものごとが上手く運んでも調子に乗らず、よけいな競争をせず、かといって何でも言いなりになってはいけない、という戒めです。

 

困ったことが起きると、空元気を出しても、後から見ると何かしょんぼりして見えるものです。

 

人の心はすぐ後ろ姿に表れるものです。

 

 

昔の偉人の中には、牢(ろう)に繋(つな)がれる逆境に耐えて大を成した人もいます。

 

ガンジーは、静かな牢の中を最良の勉強部屋として、そこから出るたびに多くの人々を啓発しました。

 

吉田松陰は、同じ牢の罪人や看守まで巻き込んでともに学び、牢屋を教室に変えました。

 

まさに四耐四不訣の実践者といえましょう。

 

 

人生を導く先哲の言葉』致知出版社

 

 

 

 

仏教における「苦」とは、単に苦しいということではなく、「思い通りにならない」ことを言う。

 

「四苦八苦(しくはっく)」

 

という言葉があるが、八つの「苦」がある。

 

 

四苦という、「死んでいく苦しみ」「病気の苦しみ」「老いの苦しみ」「生きる苦しみ」。

 

そして、八苦という、「心身を思うようにコントロールできない苦しみ」「親しい人といつか別れなければならない苦しみ」「恨みや憎しみを抱いてしまう人と会わなければならない苦しみ」「お金や地位や名誉など、求めるものが手に入らない苦しみ」。

 

 

四耐四不訣もこれと同じで、思い通りにならないこと。

 

小林正観さんは、「耐える」とは言わず、「受け容れる」という。

 

それは「思い通りにしようとしないこと」でもある。

 

 

なんでも、自分の思い通りにしようとするから、苦しくなる。

 

なぜなら、人生のほとんどのことは、思い通りにはならないからだ。

 

だから、「ああ、そうなりましたか」「そうきましたか」といって淡々として受け容れる。

 

 

「冷・苦・煩・閑」を淡々として受け容れ…

 

どんなこともあっても、カッとしたり、

 

嬉しいことがあっても、はしゃぎまわったりせず、

 

人とむやみに競うのではなく、

 

だれかの言いなりになったり、すぐに同調したりしてはいけない。

 

 

あらゆる困難、苦難に対し…

 

「四耐四不訣」の言葉を胸に刻みたい。

 

 

 

 
 
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