前リッツ・カールトン日本支社長、高野登氏の心に響く言葉より…

 

 

ホテルのなかには、たくさんの鏡が設置されています。

 

お客様の目に触れる部分だけでなく、スタッフのいるバックヤードにも、必ず多くの鏡が置かれています。

 

身だしなみや笑顔などの表情をチェックするために使うのですが、実は、リーダーにとってはもう一つの使い方があるのです。

 

 

自分と対面するために使う、ということです。

 

ホテルはトラブル(問題)の宝庫です。

 

それは大きく分けて二つ。

 

一つは表舞台で、つまりお客様とホテルとの間で起こるトラブル。

 

そして二つ目は、裏舞台で起こるトラブル。

 

 

ホテルは人材集約産業ですから社員数も多く、人間関係によるトラブルが起きやすいのです。

 

リーダーになると、どうも自分のセクションが上手く回っていないなと思う時があります。

 

指示が伝わらない。

 

モチベーションが低い。

 

ミスが頻繁に起こる。

 

コミュニケーションが悪い。

 

特に、上司である自分の言うことをちゃんと聞かない…など。

 

 

そういう時、つい指を相手に向けてしまう。

 

部下であるお前たちの責任だ、努力が足りない、と。

 

なぜ部下は言うことを聞かないのでしょうか。

 

 

実は聞こえているけれど、聴いていないのです。

 

では人は、誰の言葉なら聴いてくれるのか。

 

信頼する人、尊敬する人、そして好きな人です。

 

これに気づく必要があります。

 

部下が言うことを聞いてくれない時は、「あなたの言うことは聞きたくない」というメッセージかもしれないのです。

 

 

鏡に映るのは自分自身。

 

その自分に向かって指を向ける。

 

原因はお前にあるのではないかと謙虚に問いかけてみる。

 

リーダーとしての成長のメモリが一つ伸びるのは、その勇気が持てた瞬間だと思います。

 

 

リッツ・カールトンで育まれたホスピタリティノート』かんき出版

 

 

 

 

高野氏はアメリカで出会ったボスやメンター(師匠)たちは、それぞれが使う言葉の達人だったという。

 

「ひと言で相手の心のスイッチを、正しい方向に入れることができる人」であったそうだ。

 

そして、一様に「辛抱強かった」。

 

 

例えば、

 

『指示を部下が間違って受け取り、ミスを犯した場合でも、単純に責めるようなことはしなかった。

 

「なるほど、そういう受け取り方ができるのか。

 

気がつかなかった。

 

きちんと話し合って説明をしなかった自分にも責任がある。

 

次のプロジェクトも任そうと思っているので、今度は細部まできちんと確認し合おう」

 

部下の立場からすると、そう言われて「そうだよボス、あんたが悪い!」とはならない。

 

自分ももっと気をつけなかれば、という反省のスイッチがパチッと入る。』(以上、本書より)

 

 

「自責」と「他責」という言葉がある。

 

何か問題が起きたとき、その原因は自分にある、と考えるのが「自責」。

 

その反対に、問題が起きたとき、その原因は他人やまわりのせいだといって、人のせいにするのが「他責」。

 

 

「お前が悪いと指さす三本の指は、自分を指している」

 

という箴言(しんげん)がある。

 

三本の指だから、結果、その責めは、三倍になって返ってくる。

 

あるいは、相手より、自分に三倍非がある、ともいう。

 

 

「鏡に映るのは自分自身」

 

自責の人でありたい。

 

 

 

 
 
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