高野登氏の心に響く言葉より…
それは、リーマン・ショックの二ヵ月後のことでした。
当時の世界中のリッツ・
日本支社はこれで閉鎖だろう、フランクフルト・
リーマン・ショック直後から、リッツ・カールトンは、
会議初日、
◆みなも知っているとおり、とんでもない時代になってしまった。
そして、続けます。
◆まさかこんなことが起こるとは、
もちろん、私もだ。
厳しい試練だが、こういう時代を体験できるのは、
私は、いろいろな船乗りを知っているが、
みな、荒波を乗り越えてきている。
嵐を乗り切ってきている。
そのなかで、腕を磨いてきている。
わたしたちの目をしっかりと見据えながら、
いつまで経っても売り上げやコストカットなどの数字
それから、リッツ・
摂氏99度と100度の違いについての話です。
◆水を熱していくと、だんだん温度が上がり、
手を入れたら大やけどする熱湯ではあるが、
ところが、これが100度に達すると…沸騰する。
沸騰した水は蒸気になって、蒸気機関車をも動かす力となる。
99度と100度、たった一度の違いなのに、その力、
そして、我々にとって、
うつむき加減だった私たちの顔は次第に上がり、
クーパー社長はさらに続けます。
◆おそらく来年の我々のビジネスは前年比90%減、あるいは、
だからこそ、我々自身を磨くこれ以上の好機はない。
順調な業績のなかで、
お客様との信頼構築はどうか。
知識とスキルは磨かれているか。
来年一年は、どうあがいても60%
だったらその間に、これまで忙しくてできなかったことをやろう。
一人ひとりが摂氏100度で仕事をするための処方箋を書こうでは
閉鎖するオフィスはないのか、と一同安堵のため息がこぼれます。
そこですかさずクーパー社長が、釘を刺します。
◆ここにいるレディス&ジェントルマンのなかで、、
だれも立てません。
◆そうか、でも、少なくとも何回かはあるはずだ、
そのときのことを思い出して、午後は、
いまにして思えば、
クーパー社長の指導力、人間力そのものでした。
そして、これこそが、すなわり、「周りに勇気を与える力」です。
実際、あのときほど、
勇気が湧いてくるのを感じたことはありません。
絶対にこの状況を打破しよう。
立ち向かおうという勇気です。
このチームと一丸となって、
『品格を磨く』ディスカヴァー
高野氏は「どうすれば人は動くか」について本書の中でこう語る。
『人の気持ちをA地点からB地点まで導いていくこと、
そして人の気持ちも組織も、動かすものではなく動くものです。
では、どうすれば人は動くのか?
お金や権力を使って、操作する?
そんなことで、本当に人の気持ちは動きません。
では、何で動くのか?
勇気づけられること以外に何があるでしょうか。』
《分不相応の志を持つ者だと笑われる事を畏れてはならない。無謀な挑戦をしなくなる己れの老いを畏れよ》
孫正義氏の言葉だ。
そして、イギリスの名宰相、チャーチルはこう言った。
《金を失うのは小さく、名誉を失うのは大きい。しかし、勇気を失うことはすべてを失う。》
「勇気を失うことはすべてを失うこと」
人に勇気を与えることができる人でありたい。
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