藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…

 

 

 

《あなたはいま何をしていますか》(森信三)

 

 

生前マスコミに一切姿を見せず、在野(ざいや)の哲人として国民教育に心血を注いだ森信三先生。

 

全国三千人といわれる門弟の一人、「実践人の家」元理事長・田中繁男氏が読書会に出席するたびに森信三先生から問いかけられた言葉です。

 

 

ある読書会で、校内暴力が絶えないことを嘆く教師に対し、森先生はこう尋ねました。

 

「それで、あなたは何をしましたか」

 

その人が黙り込むと、普段は柔和な森先生が凄まじい気魄(きはく)でこう言ったそうです。

 

 

「現在の学校が困難な状況にあることは、私も知っています。

 

だから、その中でいまあなたが何をしているか、それを知りたいのです。

 

例えば、満員の講堂が停電になったとします。

 

しかし、五燭(ごしょく)の電灯一つ、あるいはロウソク一本があれば、大きな騒ぎにもならず、無事退場できるのです。

 

あなたには、その一本のロウソクになろうとする気持ちがないのですか」

 

 

目の前の現実に不平不満を言ったり、批判をするのではなく、その中でいま何をしているかを自らに問いかけよ…。

 

九十七年の生涯を「実践」に捧げた森先生の魂のメッセージです。

 

心したい言葉です。

 

 

人生心得帖』致知出版社

 

 

 

安岡正篤師はこう語っている。

 

『《一燈照隅(いっとうしょうぐう) 》

 

賢は賢なりに、愚は愚なりに 一つのことを何十年と継続していけば必ずものになるものだ。

 

別に偉い人になる必要はないではないか。

 

社会のどこにあっても、その立場立場においてなくてはならぬ人になる。 

 

その仕事を通じて世のため人のために貢献する。 

 

そういう生きかたを考えなければならない』

 

 

また、幕末の儒学者佐藤一斎は「言志四録」の中でこう書いている。

 

『《一燈(いっとう)を提(さ)げて暗夜(あんや)を行く。 暗夜を憂(うれ)うること勿(なか)れ、只(ただ)一燈を頼め》

 

 一つの灯(あか)りを提げて暗い夜道を行くとき、その暗い夜道を憂えても仕方がない。 

 

我々ができることは、今、手にしているそのたった一つの灯りを信じて、ただひたすら前に進むしかない』

 

 

自分の不遇を嘆き、まわりに対し不平不満を言っているだけでは、物事は一つも変わらない。

 

どんなに小さなことであろうと、改革のための行動を起こさなければ変革など起ころうはずがない。

 

まず、自分のロウソクに灯りをともすこと。

 

そして、それを何十年と続けていけば、初めは自分のまわりを照らす灯りだったのが、やがていつかは世の中を照らす大きな灯りとなる。

 

 

「あなたはいま何をしていますか」という言葉を胸に刻みたい。

 

 

 

 
 
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