犯人は、煙のごとし | フーテンひぐらし

フーテンひぐらし

永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。



噂というのは
「誰かひとり又は特定のグループが発言→拡散」ではなく
カビがそこかしこにつぶつぶと生えるがごとく同時多発的に発生し、
しかも「○○だったりして」「○○かもよ?」が
いつしか断定的に変化したり、推測や妄想が事実として
付加されたりして成長するんだと思います。


だから噂の発生源を見つけるのはほぼ困難で、
かつ無意味ではあります。
ざんねんながら。

他人というのはたいそう無責任で残酷で、
またその無責任さを正義感で責めるのは結構な徒労で。

しょうがないといえばしょうがないことなのですよ。


噂は面白くてセンセーショナルでえぐいほうが受ける。
事実か事実じゃないかなんて、どうでもいい。

そして、それを口にして結果的に
拡散に手を貸した人がいたとしても
個別に突き詰めたところで、その人は特に
「広めてやれ、イヒヒ」って悪意では
全くやってないんですよね。

実際は「へえ、そうなんだ」
「えっ、まじ?」レベルの関わりなので。
噂=悪意だったりはしない。

だから「あいつか?いやあいつかも」
と想像して怒りをたぎらせても
実際は意外にそうじゃないのに、
想像上の敵をつくって自らが疲弊するので
あまりおすすめしません。


他人はこちらが思うほど善意で動いてないです。
でも、悪意でも動いてないです。


だから「個人」に責任の所在を求めないほうがいいです。
くやしいけどもね(笑)

秘密が漏れた、というよりも
不穏な空気を感じた人々が想像をたくましくした結果、
その秘密に限りなく近い噂が現れた、ってこともあるから。

せちがらいけど、
「ひとの口に戸は立てられない」
「火のないところに煙はたたない」が
真実ではあるのです。



…ということを、かつて心ない噂で身体を壊して
ひとを憎みそうになった私が、怒りと諦めの
経験を思い起こしながら、考えたのでした。