関係ないひとの残酷 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。



昨日、「ショーシャンクの空に」を観返した。

主人公アンディは刑務所内で「シスター」と呼ばれる残忍な男たちに
取り囲まれレイプされる危機と常に直面している。
(もちろんアンディは男性)


シスターたちはゲイなわけではなく、
単に性欲とその嗜虐性を満足させるために
嫌がる同性を襲っているだけだ。


アンディの抵抗は激しいもので、
ときには被害に遭ったりときには撃退したり
ときに抵抗しすぎて半殺しの目にあったりしていた。


これを観たとき、男性は初めて
「これが自分の身に起こったら死ぬほど嫌だなー耐えられないなー」と
思うだろうなと思った。



逆に言えば、男性は男性であるというだけで
普段女性が当たり前に根底に持っている
「見ず知らずの人間に無理やり性的処理の対象にされる」
という恐怖心からはほとんどの人が免れているわけだ。
小さなことでいえば、痴漢される女の恐ろしさはよくわからないだろう。



自分が当事者になったらどう思うか、
という議論は、結局のところ男と女では
何光年の隔たりがあるから無理な気もする。


上記のように、俺がこういうムショに入ったら…と
リアルに想起しない限りは。



だから、その皮膚感覚の想像ができないひとは、
あまりそれについて安易にジャッジの発言をしてはいけない。
それがたとえ理論的になんか合ってる感じがしても。


例えば橋下さんの慰安婦発言が理論的に何らかの是があると言われても
結局その「当事者たりえない立場ならでは」な他人事感が生理的に
滲んじゃってて嫌な感じがするみたいに。


「痴漢されるのは女にスキがあるから」とか言うオヤジが嫌な感じがするみたいに。


(そういうオヤジは、もし自分のしてる高級時計を強奪されたら、

そんな時計してる自分にスキがあったからいけなかったと思うんだな?、と

誰かが言ってて、笑った)




だから
これまた全っ然関係ないけど


「未婚の母」を取り上げてあーだこーだ言うとか
その是非をアンケートにとってみよーとするとかも、
方向まったく違うけど、その


「自分はかやの外にいると思ってるがゆえの鈍麻」


だなあと思うのだ。


Twitterで誰かが
「未婚の母」とは言っても
「未婚の父」とは言わないなあと書いていたが
そういえばそうだ。


ジャッジしたがる第三者は
まるで「彼女がひとりで勝手に子供つくって
勝手に育ててるけど、それってどーなの?」って
言いたがってるみたいに聞こえる。


ていうか「俺は言っていい立場だ」と思ってる感じが
みんないやなんだと思う。



男女の機能が分担されてるだけで、
子供に関しては男だってまったく同じ重みなのに、
へんなの。



性に関しては

最終的には女が責任を取り


子供に関しては、
産んでも産まなくても女の責任


って雰囲気になるのが
ほんと、へんだね。